『キングダム 運命の炎』山﨑賢人主演、“天下の大将軍”を目指して新たな戦場へ……

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1130回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

今回は、7月28日に公開された『キングダム 運命の炎』と『658km、陽子の旅』をご紹介します。

『キングダム 運命の炎』

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映画館で観たい!『キングダム 運命の炎』 ~激アツのキングダム・サマーがやってきた!

時は紀元前、中国春秋戦国時代。「天下の大将軍になる」という夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・嬴政の物語を、壮大なスケールで描いた人気コミック「キングダム」。その実写版映画シリーズの第3弾が、早くもスクリーンに登場しました。

第1弾『キングダム』、第2弾『キングダム2 遥かなる大地へ』は、ともに公開年の邦画実写No.1を誇るヒットを記録。今作の公開を心待ちにしていた人も多いことでしょう。

最新作となる『キングダム 運命の炎』で描かれるのは、「紫夏編」と「馬陽の戦い」。信と嬴政、2人のその後の歩みに大きな影響を与えたエピソードが、よりドラマチックに展開されます。

『キングダム 運命の炎』

『キングダム 運命の炎』

『キングダム 運命の炎』のあらすじ

隣国・趙が、秦への侵攻を開始した。秦軍は馬陽にて、寄せ集めの兵で趙を迎え撃つことになる。

国王・嬴政は、かつて中華全土に名を馳せた伝説の大将軍・王騎を総大将に任命。出撃を前に、嬴政に王としての覚悟を問いかける王騎。その言葉に嬴政は、ある人物との出来事を明かす。

それはかつて、趙の人質として深い闇のなかにいた自分に光をもたらしてくれた恩人・紫夏との記憶だった。

一方、初陣となった“蛇甘平原の戦い”で武功をあげた信は、百人将に成長。王騎から「飛信隊」という名を授けられ、羌瘣、尾平、尾到ら仲間たちとともに、2万の軍勢を率いる敵将を討つという特殊任務に挑む……。

『キングダム 運命の炎』

『キングダム 運命の炎』

『キングダム 運命の炎』のみどころ

個性的なキャラクターが次々と登場する『キングダム』シリーズにおいて、キャストの顔ぶれは気になるところ。しかも漫画から飛び出してきたような再現度の高さには、毎回驚かされるばかりです。

主人公・信役の山﨑賢人、嬴政役の吉沢亮、河了貂役の橋本環奈をはじめ、羌瘣役の清野菜名、呂不韋役の佐藤浩市、昌平君役の玉木宏、王騎役の大沢たかおといった、すっかりおなじみの面々は前作から続投。

また今作では、紫夏役の杏、万極役の山田裕貴、馮忌役の片岡愛之助、趙荘役の山本耕史が参戦。その活躍ぶりにも注目です。

『キングダム 運命の炎』

『キングダム 運命の炎』

迫力のアクションシーンは、前作よりもさらにスケールアップ。特に戦場のシーンはダイナミックなだけでなく、両軍の戦略や将軍たちの心情が丹念に描かれているので、兵法に詳しくない人でも“戦い方”を理解しながら楽しむことができますよ。

そして、何よりも今作で特筆したいのが、人間ドラマとしても秀逸であるということ。登場人物たちの内面にフォーカスを当てることで「何故、戦うのか」そして「何故、中華統一を目指すのか」という“キングダムの魂”が、しっかりと浮き彫りになっています。

信、嬴政、王騎。それぞれが秘める絶望と希望に触れたとき、あなたのなかにもきっと、熱いものがこみ上げてくることでしょう。

2023年、映画館で“キングダムの夏”を満喫しよう!

『658km、陽子の旅』

『658km、陽子の旅』

コチラも映画館で観たい!『658km、陽子の旅』 ~すべてを諦めていた彼女の人生が、いま動き出す

東京で孤独な引きこもり生活を送る、42歳の独身女性・陽子。20年以上も疎遠になっている父の訃報を受けた彼女は、郷里の青森県・弘前に戻ることに。

ところが思いもよらぬアクシデントから、ヒッチハイクで青森へ向かう羽目になってしまった。それでも陽子は、北を目指す。父の葬儀にも人生にも、何もかも間に合っていないけれど……。

「第25回上海国際映画祭」で最優秀作品賞、最優秀脚本賞、最優秀女優賞と3冠に輝いた『658km、陽子の旅』。日本映画単独初主演となる菊地凛子が、長年の自責の念を露わにしていく繊細な役どころを見事に体現。その渾身の演技は必見です。

北上するとともに、孤独と孤立に凍った心が溶けていくように、誰もが心を揺さぶられずにはいられないロードムービーです。

『キングダム 運命の炎』

『キングダム 運命の炎』

『キングダム 運命の炎』

全国東宝系にて公開中
出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、満島真之介、岡山天音、三浦貴大、杏、山田裕貴、髙嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋光臣、平山祐介、片岡愛之助、山本耕史、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、大沢たかお

原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉、原泰久
音楽:やまだ豊
主題歌:宇多田ヒカル「Gold ~また逢う日まで~」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作幹事:集英社、日本テレビ放送網
制作プロダクション:CREDEUS
配給:東宝、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会
公式サイト https://kingdom-the-movie.jp/

『658km、陽子の旅』

『658km、陽子の旅』

『658km、陽子の旅』

2023年7月28日(金)からユーロスペース、テアトル新宿ほか全国順次公開
出演:菊地凛子、竹原ピストル、黒沢あすか、見上愛、浜野謙太、仁村紗和、篠原篤、吉澤健、風吹ジュン、オダギリジョー

監督:熊切和嘉
脚本:室井孝介、浪子想
音楽:ジム・オルーク
エンディングテーマ:「Nothing As」by ジム・オルーク、石橋英子
製作:カルチュア・エンタテインメント、オフィス・シロウズ、プロジェクトドーン
配給・宣伝:カルチュア・パブリッシャーズ
(C)2022「658km、陽子の旅」製作委員会
公式サイト https://culture-pub.jp/yokotabi.movie/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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