【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1129回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、現在公開中の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』と『12ヶ月のカイ』をご紹介します。
映画館で観たい!『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』 ~エリート・エージェントの前に、さらなる試練が立ちはだかる!
世界屈指の映画スター、トム・クルーズの代名詞であり、世界的な人気を誇るスパイアクション『ミッション:インポッシブル』シリーズ。7作目となる『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』は、シリーズ初の2部作となりました。
トム・クルーズ演じるイーサン・ハントのこれまでの軌跡を辿る、いわば集大成となる物語が幕を開けます。
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のあらすじ
IMFに所属するエージェント、イーサン・ハントに新たな指令が下された。それは、全人類を脅かす新兵器を見つけ出し、悪の手に渡らないようにすること。
IMF最強チームとともにミッションに挑むイーサン。世界各地で激しい攻防を繰り広げるうちに、イーサンは、今回課せられたミッションは何がなんでも達成しなければならないものだと知る。そう、たとえ自分自身が、あるいは仲間が、命を失うことがあったとしても。
そんなイーサンに、彼にとって“逃れられない過去”を知る、“ある男”が近づいてきて……。
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のみどころ
主人公のイーサン・ハントを演じたトム・クルーズをはじめ、シリーズでおなじみのメンバーが顔を揃えている今作。
ベンジー・ダン役のサイモン・ペッグ、イルサ・ファウスト役のレベッカ・ファーガソン、ルーサー・スティッケル役のヴィング・レイムス、ホワイト・ウィドウ役のヴァネッサ・カービー。
そしてユージーン・キットリッジ役のヘンリー・ツェニーが、シリーズ1作目以来のカムバックを果たしているのは嬉しいところ。
またヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフ、イーサイ・モラレスが、本作より初参加。ストーリーの重要な部分を担う彼らが、どのようにイーサンに絡んでいくのかにも注目です。
あの有名すぎるテーマ曲が冒頭から鳴り響き、緊張感に満ちたシーンが息つく間もなく展開される『ミッション:インポッシブル』シリーズ。観る人を常に驚かせ続けているアクションは、今作でも観客の度肝を抜くシーンの連続です。
爆走する列車の屋根の上で繰り広げる肉弾戦。鮮やかな黄色のフィアットで、石畳が敷き詰められたローマ市街地を疾走するカーチェイス。断崖絶壁から真っ逆さまに落下する、前代未聞のバイクシーン。
誰もが「インポッシブル!」と叫びたくなるような超絶アクションを自らやってのけてしまうのが、我らがトム・クルーズ。
現代は、CGを使えば、どんな情景でも描くことができるし、Chat GPTを駆使すれば、脚本だって書けてしまう昨今。俳優はAIに取って代わられる可能性もある。
そんな時代だからこそ、「俳優人生で最も危険なスタント」にも果敢に挑むトム・クルーズの姿に、生身の人間にしか体現することができない躍動を感じずにはいられません。
2023年の夏をさらに熱く盛り上げるアクション超大作。観れば、アドレナリン全開になること間違いなしの1作です。
コチラも映画館で観たい!『12ヶ月のカイ』 ~人間とヒューマノイド、恋愛の果てにあるものは……
少し先の未来の東京。WEBデザイナーとして働くキョウカは、恋人と別れたことをきっかけに、日常生活をともに送ることができるヒューマノイドを手に入れる。
パーソナル・ケア・ヒューマノイド、通称PCHの名前は、カイ。カイはキョウカと会話を重ねることで、持ち主である彼女について学習していく。そしてキョウカは、カイと生活していくうちに、彼に特別な感情を抱くようになる。
やがてキョウカの体内には、カイとの間にできた新しい命が宿り……。
世界9ヵ国で13冠を獲得。海外のSF作家や映画クリエイターたちを魅了した『12ヶ月のカイ』。人間の女性と男性型ヒューマノイドの恋愛模様を軸に、人間とは何か、そして生命とは何かを問いかけるSFサスペンス映画です。
本作の監督・脚本を務めたのは、亀山睦木監督。人間とAI(人工知能)の関係性を描いた映画は数あれど、いやはや、こうした展開になるとは。
ファンタジー、ラブストーリー、ホラーといったさまざまな要素を取り込みながら、オリジナリティあふれる作品へと昇華させる。その手腕の素晴らしさには、驚くばかり。
AI技術の躍進が、私たちの生活そのものに大きな変革をもたらしている今日このごろ。決して“絵空事”では片付けられない意欲作です。
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『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
2023年7月21日(金)から全国ロードショー
監督・脚本:クリストファー・マッカリー
出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ヴァネッサ・カービー、イーサイ・モラレス、ポム・クレメンティエフ、ヘンリー・ツェニー
日本語吹替版:森川智之、根本泰彦、手塚秀彰、甲斐田裕子、広瀬アリス、江原正士、津田健次郎、園崎未恵
原題:Mission: Impossible – DEAD RECKONING PART ONE
配給:東和ピクチャーズ
(C) 2023 PARAMOUNT PICTURES.
公式サイト https://missionimpossible.jp/
『12ヶ月のカイ』
2023年7月22日(土)から池袋シネマ・ロサにて2週間限定公開
出演:中垣内彩加、工藤孝生、岡田深、夏目志乃、今井蘭、小河原義経、大石菊華、福谷孝宏、木口健太、山本真由美
監督・脚本・編集:亀山睦木
音楽:今村左悶
整音・音響効果:松野泉
写真:AI TERADA
ヘアメイク:JJ by 古口精樹
主題曲:YASUKI「Looking for you」
英題:12 Months of KAI
製作・著作:PIE w/ Films.
(C)PIE w/ Films.
公式サイト https://12monthsofkai.mutsukikameyama.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/