9月29日(日)深夜、バーチャルMC・一翔剣(吉田尚記アナウンサー)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ミューコミVR』(ニッポン放送・毎週日曜日23時30分~)が放送。吉田が、魚豊による作品『チ。ー地球の運動についてー』のおすすめポイント3つを紹介した。
番組では、コーナー『サポーターズVR by 小学館』を展開。こちらは、年間500冊以上マンガを読んでいるという吉田が、今誰かにオススメしたい作品を紹介するコーナーとなっており、今回は『チ。ー地球の運動についてー』をピックアップ。舞台は15世紀のヨーロッパ。飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていたラファウが、異端思想ド真ン中にある“地動説”を研究する謎の男と出会うところから物語が始まる。歴史上、最も熱い人々の物語となっている。
今回は吉田が、このマンガのおすすめポイント3つを解説した。
吉田:おすすめポイントその1は「意味のある残酷描写」。
残酷描写がかなり出てきて、次々と人が亡くなります。しかも、亡くなる描写も、ものすごくダイレクトに描いてあります。作家さんの中には、単にそういうのを描くのが好きな人もいるんですよ。でも、多分作者の魚豊さんは、人が人に残酷なことをすることに、ちゃんと心を痛めながら描いてると思います。「それをしなきゃいけないほどの深刻さが、地動説を巡る人々の周りにはあったんだよ」っていうことのために描いてて。なんでそうなったかっていうのが、全部意味のあるドラマになってます。
CUBERS・末吉9太郎(パートナー):へぇ~!
吉田:おすすめポイントその2は「2周目絶対読んでください」。
魚豊さんは、全部の作品を、物語が最後まで完璧にできてから描いてるんです。このタイプの作家さんって、めちゃくちゃ珍しいんですよ。僕は1回最後まで読んでいて、今回紹介するにあたってもう1回読んでみようと思ったんですけど。びっくりする!1ページ目から最後まで物語が全部を出来上がってから描いてるから、全部伏線になってる!もちろん1周目も、「すごい!どうなるの!?」っていう緊張感で読んでいて。ちなみに、主人公がどんどん入れ替わっていく、めちゃくちゃ複雑な構成なんだけど、2周目でもう1回読むと、「この人、ここで出てきてる!」みたいな。小道具も、「この瞬間にこの形をした小道具が出たことに意味あるじゃん!」みたいなことに、全部なってるんですよ。10月からアニメが始まりますが、原作を読んでいる人もびっくりすると思いますよ。これは本当にすごい!
西井万理那(パートナー):え~気になる!
吉田:おすすめポイントその3は「次回作『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』が完結した直後」。
この間まで連載していた『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』の完結となる4巻が、つい先日出たんですよ。実は『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』のテーマが“人が物を知っているとはどういうことか”で、陰謀論の話なんですよ。めちゃくちゃなデマを信じまくってる人たちの話なんです。魚豊さんは、「人間の“知”って、素晴らしいものであると同時に逆の意味もあるよね」っていうことまで分かって描いているんですよ。このタイミングで両方セットで読むと、「この人は、人が物を知ってるということを、こんなに深く追求して書いているのか…」と思えます。ストレートなエンターテインメントとしては、『チ。ー地球の運動についてー』の方なんですが、意地悪なのも創作物の楽しみだったりするじゃないですか。そういうのを楽しみたい人は、『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』がオススメです。『チ。ー地球の運動についてー』は、「今までマンガを読んだ後に、この表情になった本はないな」っていう作品です。
『チ。ー地球の運動についてー』の魅力的な要素3つを語った吉田。この作品は、10月5日からNHK総合テレビでアニメがスタート。コミックスは、全8巻が発売中となっている。作品に関する詳細は、ホームページや公式SNSでチェックすることができる。
番組情報
ニッポン放送初のVRアナウンサー「一翔剣(いっしょう・けん)」がお届けする、カルチャー・エンタメプログラム。YouTube Live上に『VR』空間を展開し、60分のラジオ番組を同時生配信! 一翔剣は、2019年に"HoneyWorks"ヤマコ氏のデザインによるVRアナウンサーとして活動開始。今回、アイドル・アーティストとして活動する西井万理那、末吉9太郎を番組パートナーに迎え、『VR』空間でコラボレーションしていく!!