9月1日(日)深夜、バーチャルMC・一翔剣(吉田尚記アナウンサー)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ミューコミVR』(ニッポン放送・毎週日曜日23時30分~)が放送。吉田が、鍋倉夫による作品『路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜』のおすすめポイント3つを紹介した。
番組では、コーナー『サポーターズVR by 小学館』を展開。こちらは、年間500冊以上マンガを読んでいるという吉田が、今誰かにオススメしたい作品を紹介するコーナーとなっており、今回は『路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜』をピックアップ。40代の非正規社員で独身の主人公・藤井は、職場では目立たない地味な中年男性だが、本人の目線からすると実は違っていて、自身の興味と愛情のままに生きている。そんな藤井を中心に描く、言葉にしづらい感覚を鮮やかに切り取る幻惑の人生劇場となっている。
今回は吉田が、声優の梶裕貴をゲストに迎え、このマンガのおすすめポイント3つを解説した。
吉田:おすすめポイントその1は「切実な問題」。
仕事がつまらないと感じていて「お金あれば変わるかな」と思うけど、「この仕事を続けていても、多分お金持ちにはならないだろう」と。「どうしようかな」と思っていると、数ヶ月間に1度、すごく不安に襲われたりする…。これって、めちゃくちゃリアルじゃないですか。「アイツ本当につまんないよな」みたいなイキった感じのイヤな先輩がいて、それもめちゃめちゃリアルで。そういう問題が、「俺たちと同じだな」って思うところからスタートして…。で、ここからが“藤井さん”なんですよ。
梶:まずは藤井さんの周りの人の状況というか、情景心情を描写しつつの“藤井さん”なんですね。
吉田:おすすめポイントその2は「ブレない地味さ」。
藤井さんはリアクションが小さいから、傍から見ているとつまんなそうなんですよ。目つきもあまり良くないし…みたいな。でも、後輩が藤井さんのあとをつけていくと、亀の甲羅が汚れていたのを掃除してあげたりとか、博物館とかに1人で行ったりとかしていて。実はそういうのって、結構充実していて楽しくないですか?それを見た後輩が、「周りがバカにしていることが、なんかくだらないな」みたいに感じていくんですよ。職場にすごい美人が1人いるんだけど、その美人も藤井さんを見てるうちに、いつの間にか「1番いいのは藤井さんじゃないか?」みたいに思い始めて。でも、その女子がちょっとメンタルブレてるときとかに「一緒にどうか」って誘っても、藤井さんは、「いや、別に僕は、そういうことは…」みたいなことを、当たり前に無理せずに言うんですよ。そのブレない地味さを持っていて。これはちょっと、触れてみていただきたいです。
梶:お~!
吉田:おすすめポイントその3は「ウェルビーイングの物語」。
ウェルビーイングって、最近ちょっと聞きますよね。「ご飯を食べているだけで幸せ」って「それだけでいいの?」みたいに思うけど、そうじゃなくて、「幸福感が問題なく持続することを大切にしましょうよ」って、最近は国も言い始めていて。それが物語になっているのを、僕は初めて見たかもしれないです。基本的に藤井さんは他人と自分を比較しないし、あとウェルビーイングの研究で言われているのが、人に親切にすると、人って幸せになれるんですって。された側の人じゃなくて、した側の人が。それを、この藤井さんは、ちゃんとやってるんですよ。幸福度を周りと比べちゃう日本の中にいて、「こういう生き方できるわ」って思わせるのがこの作品なんです。
梶:うわ~読みたい!
『路傍のフジイ〜偉大なる凡人からの便り〜』の魅力的な要素3つを語った吉田。この作品は『スピリッツ』にて連載中で、コミックスは第3巻が発売中。作品に関する詳細は、ホームページや公式SNSでチェックすることができる。
番組情報
ニッポン放送初のVRアナウンサー「一翔剣(いっしょう・けん)」がお届けする、カルチャー・エンタメプログラム。YouTube Live上に『VR』空間を展開し、60分のラジオ番組を同時生配信! 一翔剣は、2019年に"HoneyWorks"ヤマコ氏のデザインによるVRアナウンサーとして活動開始。今回、アイドル・アーティストとして活動する西井万理那、末吉9太郎を番組パートナーに迎え、『VR』空間でコラボレーションしていく!!