好きな人だからこそ憎悪は果てしなく増幅されます【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」】第310回
愛と憎とは一つの気持ちの裏表です。だから、好きな相手でもちょっとしたことで憎んでしまうのです。その憎悪の気持ちは果てしなく増幅されます。早めに解消しましょう。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
愛と憎とは一つの気持ちの裏表です。だから、好きな相手でもちょっとしたことで憎んでしまうのです。その憎悪の気持ちは果てしなく増幅されます。早めに解消しましょう。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
「勝者は怨みを招き 敗者は恨み苦しむ そのいづれでもなく こころ寂静(じゃくじょう)な者こそ 日々の暮らしは 平安そのもの」とお釈迦さまは説いています。争わず常に心静かでいられる者こそ、幸福な生活を送れるのです。 瀬戸内…
現実にありもしないことをいろいろ妄想して、思い悩み、苦しむことほど馬鹿げたことはありません。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
勤労して得たお金が本当のお金です。親からもらったお金は身につきません。「子孫の美田を残さず」と昔の人も言っています。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
愛する方が幸せです。愛されても、こちらがその人を愛せなかったらどうしようもありません。やはり、愛することが幸せなんです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
私が夫の家を出た時、父が私に手紙をくれました。「お前は子どもを捨て、人非人になったのだ。鬼だ。鬼になった以上は、めめしい人情などに引っ張られず、大鬼になれ」。誤字だらけの手紙でしたが、私は初めて父に向かって泣きました。 …
愛する者の死と真向きになったとき、人は初めてその人への愛の深さに気づきます。「私の命と取り替えて下さい」と祈る時の、その純粋な愛の高まりこそ、この世で最も尊いものでしょう。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
過ぎてゆく時が人の命を道づれにするのか、おびただしい人の死が時の流れをさらってゆくのか、それは誰にもわかりません。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
愛に見返りはないんです。初めからないと思ってかからないと駄目です。本当の愛に打算はありません。困ったときに損得を忘れ、助け合えるのが愛なのです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
人に憎しみを持たないようにすると、必ず綺麗になりますよ。やさしい心と奉仕の精神が美しさと若さを保つ何よりの化粧品なのです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
人生、たった一度しかないのです。日々、断崖絶壁に立っていると思って、一瞬一瞬、全力を尽くして生きましょう。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
別れの悲しみは、必ず時が癒してくれます。時は死んでいった愛する人の魂なのかもしれません。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
現世でどんなに金持ちになろうと、出世栄達(しゅっせえいたつ)しようと、死んであの世に逝くときには、財物も名誉も持っていくことは出来ません。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
「縁」は私たちの目に見えるもの、見えないものを含めて無数にあります。私たちが生きて、暮らしていけるのも、無数の「縁」のお計らいなのです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
「縁起」というものは仏教の基本概念です。世の中のすべての物事は相互に関連しており、どれ一つとってもそれだけで生じているものはない、という意味です。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
誰かを好きになったら今すぐ伝えておくこと。相手が今夜死ぬかもしれないし、自分が今夜死ぬかもしれません。 この世は無常ですからね。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
同床異夢(どうしょういむ)という言葉があるように、同じベッドで寝ていても、お互いの思っていることは解らないものです。 完全に相手を独占するなど不可能なこと。それが恋愛の法則です。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
自分の存在によって、誰かひとりでも幸せにすることができたならば、それは素晴らしい人生です。 そのことで自分も幸福を感じることができます。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
人間は、生まれてきた瞬間から死に向かって歩いています。 そう思うと、今日、今この瞬間が惜しくなってくるでしょう。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
残虐な事件は決して他人事ではありません。 私たちは、自分が平穏なときは、不幸を蒙(こうむ)った人々に対して無関心です。 しかし、当事者でない私たちに出来ることは何だろうと、真剣に考えるだけでも無益ではないと思います。 瀬…
夫婦の間でも、恋人の間でも、親子の間でも、常に心を真向きにして正面から相手をじっと見つめていれば、お互いの不満を口にする前に相手の気持ちがわかるはずです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
「得難くして移り易(やす)きはそれ人身なり。発(おこ)し難くして忘れ易きは斯(こ)れ善心なり」 最澄のことばです。人間に生まれることはきわめて稀です。 それなのに人間として善心を起こさないのは、宝の山に入って手ぶらで帰る…
人間には三つの運命があります。天から授かっている天運。周りの人から助けられる他運。自分で努力して切り開いていく人運。この三つがあいまって人間は生きていくのです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
私たちは自分の命さえ自分の思い通りになりません。この世のもので、自分のものだと思えるものは何ひとつ無いのです。人間は、そういう孤独なものです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
観音さまは菩薩です。私たち人間はどうやっても如来にはなれなせんが、仏の教えを守り行(ぎょう)を積めば菩薩になれます。この手を伸ばせば届く親しさも観音さまの人気の理由でしょう。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
苦しみを乗り越えると、後になって「よくぞくぐり抜けたな」という喜びが湧いてきます。まったく苦しみを知らない人よりも、苦しんだ人の方が心が豊かになるのです。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
私のように長く生きると、さまざまな坂を越えますが、「まさか」の坂もその一つです。思いがけないことがよく起こり、そのたびに「まさか」を越えてきました。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
武器を捨てさせられた日本が、諸外国と堂々と渡り合えるのは文化しかありません。文化の原点は国語です。歌を忘れたカナリヤならぬ、国語を忘れた国民はどうすればいいのでしょうか。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
小説を読んだり、あるいは芝居を観るということは、自分が経験できないもう一つの人生を辿ることです。それはその人の心を非常に豊かにします。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ
新しい行動に移さない人生は、傷つかないけれど、喜びも少なく、感動もしません。 瀬戸内寂聴 撮影:斉藤ユーリ