豪栄道が3敗目を喫し、綱とりが絶望的になった九州場所ですが、大声援を受けているのは、2日目から8連勝し、勝ち越しを決めた新入幕の石浦。
かつては白鳳の付け人をしていた石浦は、鳥取県鳥取市出身。父、外喜義(ときよし)さんは、鳥取城北高相撲部の総監督で、逸ノ城、照ノ富士を育てました。一方で、ちゃんこ料理店を経営し、自宅を相撲部の寮として提供するなど、地元ではかなり知られた存在。ある意味、力士になる上で、抜群の環境が整っていたといえるでしょう。
ただし、石浦は体が小さかったこともあり、日大卒業後はオーストラリアへ語学留学。一方で格闘技への道を模索するなど、進路を迷っていました。
ところが、オーストラリアで相撲の国際映像を観てビビッときたことから、やっぱり相撲だ! と覚醒。7月のオーストラリア国内選手権で優勝を飾っています。ちなみに、オーストラリアでは映画俳優のオーディションにも合格。ハリウッド映画へちょい役とはいえ出演したこともあるとか。
帰国後の2012年12月、宮城野部屋へ。そうはいっても、プロになることを反対したのはお父さんでした。80キロに満たない体形だからです。それを自らも63キロで力士を目指した白鵬が、「私が一人前にする」とバックアップ。内弟子の第2号として、翌13年の初場所で初土俵を踏んでいます。通常、デビューしてから十両昇進までには平均で5年かかると言いますが、石浦は、白鵬よりも早く2年で関取になりました。
下積みの頃から、相撲界では当然の昼寝を、
「した記憶がない。昼寝をする時間があったら、筋トレです」
と異色な石浦。ここまではその異色ぶりがすべてプラスに働いている。将来望みの大きい力士です。
11月22日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」