全38試合で争われる国内女子ツアーが開幕。その第1戦「ダイキンオーキッドレディス」が昨日5日、沖縄で開催されました。優勝したのは6アンダーのアン・ソンジュ。1打差の2位に入ったのは、昨年のプロテストで合格したばかりの川岸史果。今年の台風の目になるのではないでしょうか。
川岸はかつて飛ばし屋として名をはせた川岸良兼(りょうけん)の次女です。母の喜多麻子(きた・あさこ=女子プロゴルフ協会の登録名は、旧姓のまま)も、アマチュア時代の1987年、日本女子アマで優勝。ジュニア時代からスポットを浴びていました。
ゴルフを始めたのは10歳。両親が強制したわけではなく、自らの意志です。その時、父から言われたことは、
「川岸良兼の娘と絶対に言われる。それがイヤだったら、やめろ」。
以来、今日までほとんど技術的な指導をしたことがない。かわいい子には旅をさせろ-の言葉ではありませんが、ゴルフでは他人の関係です。
最近の女子ゴルフ界は、ステージパパやママが急増中。こうなると、せっかくの才能が埋もれてしまうケースが多い。
「父のDNAを感じるのは、飛距離と胃袋でしょうか」
と大まじめに答えて、報道陣をわかせた。トークもなかなかだが、これはジョークではありません。ゴルフを始めてすぐの小学生が、ドライバーで250ヤードを超えてしまった。しかも、女の子。当時は事件でした。
川岸は父をどんな目で見ているのでしょうか。
「子どもの立場でこんなことを言ったらヘンだけど、父の悪いところを見習わないようにしています。家ではものすごくマイナス思考。ネガティブです。車で渋滞にはまったりすると、私はどうしようもないとあきらめるけど、イライラして怒り出す。そういうことって、プレーにも影響すると思います。だから、自分ではそうしないようにしている」。
怪物の目をほしいままにした良兼を反面教師とするのだから、なかなかのしっかり娘です。
次に飛び出した言葉が、
「いつか(良兼を)川岸史果のお父さんと言ってもらえるようになりたい。1勝したぐらいでは、プロとして認めないとクギをさされているから、父を超える7勝以上が目標です」
とボルテージが上がります。
優勝を争ったアン・ソンジュは、
「経験を積めば、絶対にうまくなる。風に負けないドライバーショットがうらやましい。いつも15ヤードは置いていかれた。彼女(川岸の)ファンになってしまった」
と真顔で話し、エールを送っています。
3月6日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」