3/20(月・祝)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①
宅配業界・過当サービス合戦が招いた現状
6:29~ニュースやじうま総研ズバリ言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
宅配業界は飽和状態?
高嶋)最近の大きなニュースで、宅配便のシステムが、非常にきわどいことになっているという。スゴい飽和状態になってしまっているのですね。
須田)そうですね。過当競争と言ったらいいのか。そういった意味でサービス合戦、あるいは値引き競争が行われていて、とうとう業界最大手のヤマト運輸は時間指定について、“正午から午後2時を廃止する”と。それに加えて“再配達に関しては別途料金を徴求する可能性も将来あるかもしれない”ということもいいましたから、結構大きなニュースになりましたよね。
過当競争が引き起こした現状須田)今、宅配便業界はどうなっているのか? というところを見ていくと過当競争が原因で、現場の人々に大きな負担が来ていると思います。これは今に始まった話ではありません。かなり前、原油価格が高騰してきて、ガソリン代や軽油代があがったりした状況がありました。実は当時、宅配便業界あるいは陸運業界というのは非常に経営がピンチになったのです。燃料代がどんどん高騰してくるわけですから、なかなか価格に転化できない、と。
高嶋)飛行機みたいに“燃油サーチャージ”なんてありませんしね。
須田)高嶋さん、良いところを付いたのですが、実はトラック業界の中では、飛行機業界の燃油サーチャージならぬ、燃料サーチャージ制というのを導入して、これをきちんと各業者が守るようにようじゃないか、と。つまり、料金があって、その分の上にきちんとガソリン代の値上がり分を、という申し合わせが行われたのだけども、誰も業者は守らなかったのですよ、当時。やはり過当競争の奴がどんどん仕事をし、「ウチはガソリン代の値上がり分は値引きしますよ」みたいなことが行われていて、それで分捕り合戦が行われたのです。
それがずっと続いてきて最近ではどんなことが行われているかというと、たとえば家電の組み立てサービスです。料金を別途に取らないケースが多いですが、それではどうやって費用が捻出されているかというと、これも宅配業者が家電量販店サイドに「ウチは組立料を無料にしますから、値段はその分だけ値引きするのと一緒ですから、ウチへどうぞ発注してください」と。高嶋)営業している間はよかったのですけれど、わんわん来てしまって。そうしたらネットの業者関係でもの凄く安い値段で引き受けたりして。それでどんどん配達する側にしわ寄せが来た。
須田)そうなのです。ですからもう働いていられないというところで、人も集まらず、離職者も多く……配達する担い手がいま非常に少ないのです。だからといって給料、時給が上がるというわけでもないですからね。
利用者にも改めるべきところはある高嶋)私はけっこう坂の多いところに住んでいるのですが、そこにリヤカーみたいな物に宅配の荷物を積んで、これが皆さん健脚なんだな、グッ、グッ、と漕いであがってくる。よく見るとアシストは付いているのだけど、そんなのは関係なしに、あれは疲れると思いますよね。
須田)今の違法駐車が厳しくてすぐ摘発されていますからね。今の宅配業界、僕や高嶋さんには絶対務まりませんね。
高嶋)僕には無理ですね。だけど、ものすごく便利さというのがごく日常の当たり前の感覚になってしまいましたから。利用している側が、結構ワガママになってきているのです。
須田)そうですね。だから利用者が、今度は考えていかないと。時間指定しているのに、(時間に)いないという人も山ほどいますからね。「2回3回来てようやく渡せました」みたいなね。それじゃあ現場にどんどん負担が行きますよね。
高嶋)やはりこれだけ受けすぎるというのも、いろいろと大変なのだな、と。
須田)もう今は38万億個と、年間でね。
高嶋)スゴいことです。
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