明るい笑顔の「仕事人」がチームを救う!~アルバルク東京 ザック・バランスキー選手その② 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!

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男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
その名前がTwitterを通じてバスケットボールを知らない人にも知れ渡り、一躍“時の人”となったアルバルク東京のザック・バランスキー選手。
ただ、話を聞いているうちに“ざっくばらん”という表現通り、何でも包み隠さずに話してくれる選手であることもわかりました。

今回も、さらに踏み込んでアリーナのこと、プレーのこと、そして趣味や週末の仙台戦についてまで、盛りだくさんでお話してくれました。

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©ALVARK TOKYO

バランスキー2(w680)

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アリーナ2(w680)

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アルバルク東京はホームアリーナが代々木第2体育館。学生バスケットでは大学や高校の全国大会が行われる場所でもあります。学生時代はここで汗と涙を流したザック・バランスキー選手。
プロの立場に変わって見えるホームアリーナ・ファンの景色については「代々木はバスケの聖地と言われていますし、大学生の時から大好きな雰囲気ですね。地域に密着している秋田や栃木や沖縄のように少しずつ団結力のある応援になってきた」と感じるそうです。

またJR原宿駅・渋谷駅などからもアクセスも良いという土地柄、「Bリーグになってから初めてバスケットボールを見てくれる人が多く感じるのも嬉しいですね。アリーナは東京ですから色々な人が来ますし、僕ら(アルバルク東京)じゃなく相手のチームがシュート決めても喜んでいる人も多いです。まずはバスケットを見るきっかけにしてもらって、徐々に一体感のあるアルバルク応援団のようなものができたらいいなとは思います。」とファンの進化にも期待していました。

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©ALVARK TOKYO

「地元密着」を発展のキーワードに掲げるBリーグにおいて、東京に本拠地を置くことの難しさは少なからずあるもの。バランスキー選手も「人口も多いし、10分歩けば小学校が3つあることもありますよね。子供の数とプロ選手の数の割合でいけば子供全員に触れられることは難しいことがあるかもしれませんが。でも試合に子供たちが見に来てくれて『ザック頑張って―!』と言われると嬉しいですし、その歓声に応えてあげたいし、夢を与えられたら良いなぁと思います。」

東京での「地域密着」については、前回のBリーグレポートでバランスキー選手が話していた“バスケットとの出会い”に象徴されるように、いかにバスケットと子供が触れあうことができるかをポイントに挙げています。
バランスキー選手からはプロのバスケットボール選手になって良かったこと、やりがいを尋ねたとき「小学生とか中学生の(バスケットボールの)クリニックで教える時ですね」という答えが返ってきました。様々な機会でバスケットボールを通じて子供たちと触れ合う際に「子供たちはみんな目がキラキラしていて、ちょっと(自分が)技を見せただけでも『わぁ!すごい~』って言って輝いた目を見ると、バスケットをやっていてよかった」と実感するそうです。
そして「東京での地域密着となると結構大変だと思いますけど、夏の(リーグの)オフにバスケット教室を開いたりしてみたいですね。自分が引退した後も子供たちにはバスケットに触れてほしいので、何かをやりたい。バスケ人口も多くなってきたので、そのチャンスはあると思います。バスケットボールが若い世代にどういい影響を与えるかが大事だと思います。」

バスケットと自分と子供たちの未来を語るザック・バランスキー選手の目は子供たちと同じように輝いていました。

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チームは東地区で激しい首位争いを行っています。元NBAプレイヤーに日本代表が名を連ねるタレント集団の中にいて、ザック・バランスキー選手は自分の立ち位置やキャラクターをどう自己分析しているのでしょうか?
「落ち着きのある、明るい人って言われます。(選手の中で)一番年下と思えないほど落ち着きがあるらしくて『5年くらいチームにいる雰囲気を出しているな』ってよく言われます(笑)」

確かにNBL時代から数えても加入して3年目。まだ24歳ですが、今回の取材もヒーローインタビューでも、常に落ち着いた話しぶり。それでいて笑顔も多く、声は明るいザック・バランスキー選手です。

ではプレーではどうでしょうか、4/2終了時点で全49試合に出場。しかし、スターティング5(スタメン)に名を連ねたのは3試合です。そのことを尋ねても、バランスキー選手は全く気にしない様子。というのも「ベンチから“チームに何が必要か”をしっかり判断したうえで落ち着いてコートに入ることができますからね。ベンチから試合の流れを見ていてスタメンの動きが上手くいっていない時に自分が入れば、落ち着かせたり、ディフェンスを引き締めたりします。目指している姿は“安定した仕事人”です。どの試合に出ても『ザックがいるなら安心して任せられる』くらいの存在になりたいですね。」

ベンチスタートならばチームの引き立て役、縁の下の力持ちの役割もいとわない姿勢がチーム最年少ながらチームを立て直し、勇気づけています。その姿勢は得点やリバウンドなどのハッキリ数字に出るプレーではなく「小さいディフェンスやカバーのヘルプ、誰を生かそうかというプレー判断で目に見えないところですね。」と分析するバランスキー選手。
そして「チームの中にも、それぞれ役割があります。うちのチームはタレントがとても多くて、ディアンテ(ギャレット・元NBA)も大貴(田中大貴・日本代表)も得点が取れるし、KJ(松井 啓十郎)もシューター、元NBA選手のジェフ(エアーズ)、(竹内)譲次さんも日本代表でどこからでも点が取れます。ただスーパースターばかりいても、チームは成り立たないと思うんです。自分にとって今のチームで必要とされていること、大事なことは“チームを生かすこと”だと思っています。」と今の自分に必要なことは何か?ゲームと同じようにしっかりと状況判断をしています。
スタメンに出る機会が少なくても全試合に出場しているという結果を見ても、いかにチームに求められているかは明らかです。

ちなみにアメリカ国籍のバランスキー選手は日本語も堪能ですが、もちろん母国語は英語。チーム内でも試合中の英語が堪能なコーチ・選手が多いなか、試合以外のシーンでも外国籍選手と日本人選手のコミュニケーションの橋渡し役になっているといいます。コート内でも外でもチームを支えています。

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それでもプロの選手。プロバスケットボールプレイヤーとして内面をもっと聞きたくて、ちょっと意地悪ながらもザック・バランスキー選手に“どんなプレーを見せた時に快感を覚えるか”を深く聞きました。
「あれだけタレントがいても点が取れない時があります。その時に落ち着いて1本取れる(シュートを決める)存在になりたいです。毎試合20、30点取る選手じゃなくいい。ここ1本欲しいときに取れる選手になりたいです。ですからチームが苦しい時に3ポイントシュートが入った時の歓声は気持ちいいですね。逆にアウェーのアリーナでは3ポイントシュートを決めて相手チームのファンを静まらせるのも気持ちいいですね。」
プレー中のいつもの明るい笑顔は、相手チームにとっては時に不敵な笑みになることでしょう。

いつも明るく元気なザック・バランスキー選手。ストレスがあったとしても普段の趣味・リフレッシュ方法は「いろいろあります」というなかで、特にハマっていることは「映画を見ること」だそうです。
「映画館に行って大好きなポップコーンを食べながら、ゆっくり映画を見るのがリフレッシュになりますね。ディズニーでもアクションでも色んなジャンルを何でも見ます。ここ1年のベストですか?多いな~(笑)今年で一番印象に残っていると言われたら『トリプルX 再起動』と『素晴らしきかな、人生』ですね。特にウィル・スミスの映画が大好きで、個人的にはハズレが無いと思っています。」とおススメしてくれました。ちなみに「今年は映画館に月2回くらい、6~7回行きました」というバランスキー選手。映画館でポップコーンを食べながら映画を鑑賞する姿がとても似合っています!

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さて、週末はホーム・代々木第二体育館で迎える仙台戦。今シーズンは4戦4勝と好相性ですが、チームは先週末に栃木との天王山で連敗し、現在3連敗中です。
優勝へ向けて残り試合を負けられない状況で戦うことになりました。

バランスキー選手に仙台の印象を尋ねると、ウェンデル・ホワイト(PF #41)、チリジ・ネパウエ(C #15)、石川海斗(PG #3)の3人の名前を挙げています。
「40分間、何があってもタフに戦ってくる諦めないないチームですね。特にホワイトは何でもできる選手だと思うので乗せちゃうと厄介ですし、ネパウエは体が半端なく強い。海人さんも良く知っていますが、プレーメイクも上手くて乗せると怖い選手ですね。」と警戒していました。
今季は対戦して負け知らずのチームが相手となりますが「残り試合、気を抜ける試合は一つもないです。目の前の試合を本気でぶつかるしかないですね。」と気を引き締めていました。

最後に、このインタビューをご覧になった方へザック・バランスキー選手からメッセージをいただきました。
「アルバルクはタレントが揃っているし、いぶし銀の選手もいるので見ていて面白いチームだと思います。一度、試合を見たら絶対にハマりますよ。テレビと生で見るのとでは雰囲気が全然違うと思いますので、まず一度アリーナに足を運んでもらって見て欲しいですね。満員のアリーナで、みんなで優勝したいです。」

相手がどこであろうと負けが許されない残り11試合。ファンの後押しが不可欠です。
週末はホーム・代々木第二体育館で仙台89ERSと対戦します。

バランスキー5(w680)

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アリーナ1(w680)

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アルバルク東京 vs 仙台89ERS
開催日:4/8(土)17時~、9(日)15時~
会場:国立代々木競技場第二体育館(JR山手線「原宿駅」から徒歩約5分、「渋谷駅」から徒歩約15分、東京メトロ千代田線「明治神宮前駅」から徒歩約5分)
チケット:https://www.alvark-tokyo.jp/ticket/
アルバルク東京:https://www.alvark-tokyo.jp/
Twitter:https://twitter.com/ALVARK_TOKYO
Facebook:https://www.facebook.com/ALVARKTOKYO/

次回は4月10日(月)の更新予定。
引き続きアルバルク東京から、日本代表の竹内譲次選手にお話を伺います。

前編【性格は本当に“ざっくばらん”?~アルバルク東京 ザック・バランスキー選手インタビューその① 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!】はこちら>

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