ストリップ劇場でクラウドファンディング?【ひでたけのやじうま好奇心】

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きょうの話題は、いまはもう昔の語り草といいましょうか「ストリップ劇場栄枯盛衰物語」です。
事の発端は、ことしの1月19日、静岡県の熱海の店の存続をかけて、Twitterにこんな募集を出して話題になりました。

『いよいよ、熱海銀座劇場は閉館してしまう可能性が高いです。熱海近辺在住で踊り子をやってくださる方、切実に探しています!とにかく拡散して下さい!ストリップ劇場が、また1つなくなってしまいます。』

このTwitter、呟いたのは熱海銀座の商店街にある老舗のストリップ劇場「アタミ銀座劇場」の関係者の方。
アタミ銀座劇場は、熱海銀座に小屋をかまえておよそ50年!
昭和40~50年代リゾート地「熱海」の栄枯盛衰を見てきました。

「アタミ銀座劇場」は、日本最高齢の現役踊り子と言われているマサ子さんと若手のユイさんが、これまで劇場を支えてきたのですが、今年の1月ふたりとも体調不良となり、劇場を開けることができなくなってしまいました。
現在は、体調が回復した若手のユイさんと、そしてもうひとり東京在住のショーモデルの女性が、不定期に出演する形で閉館は免れたものの、今までのように365日劇場を開けるのは無理で、不定期営業という形で、なんとか劇場を存続しているそうです。

この「アタミ銀座劇場」は50年の歴史があるとご紹介しましたが…実は、ことし日本の「ストリップ劇場」は誕生から70周年だそうです。
ストリップ劇場といえば「猥褻」なイメージを持つ方多いかもしれませんが、あさラジをお聴きのお父さんの中には「文学の香」を感じる方もいるのではないでしょうか?

「濹東綺譚」などで知られる作家・永井荷風は、編集者からの締め切りの催促から逃げるため、浅草にあったロック座に入りびたり、挙句にはロック座の芝居台本も書いたことも!
また浅草フランス座では、劇作家井上ひさしが、照明係をやりながら劇場の座付き作家をしていたこともありました。

ちなみに、日本で最初のストリップは1947年(昭和22年)。新宿にかつてあった5階建ての劇場「帝都座」で、レビューの合間に披露された「額縁ショー」が日本初と言われています。

裸婦像の名画「ヴィーナスの誕生」や「ペルセウスとアンドロメダ」を再現するという理由付けによって女性が舞台で裸を見せることを、正当化させました。

その後「ストリップ劇場」は、最盛期には全国で300軒にも上ったそうです。
そうなると、知恵を絞らずに、簡単に客を呼ぶ方法、猥褻路線がエスカレート!
本来は文学的な香りがしていたストリップ劇場ですが、客と踊り子が、猥褻な行為を行う「性風俗の場所」に変わっていってしまったのです。

そして1985年(昭和60年)に新風営法が施行され、ストリップ劇場での「猥褻行為」の取り締まりが強化。過激路線で人気を売っていたストリップ劇場は一気に閉館。
さらに、80年代の「アダルトビデオ」ブームでストリップ劇場に、人気のアダルトビデオ女優が出演するようになり客層も様変わりしていきました。

また浅草に次いで、ストリップ劇場の激戦区だった新宿歌舞伎町も歌舞伎町浄化作戦により、ストリップ劇場が次々に閉館。今年の1月には、新宿歌舞伎町の老舗ストリップ劇場「新宿TSミュージック」が40年の歴史に幕を下ろし、現在では「アタミ銀座劇場」など不定期に営業しているところを含め、全国におよそ20軒あまりとなってしまったそうです。

そんな中、生き残りをかけて、全国のストリップ劇場も頑張っています。
ただ今現在、四国唯一のストリップ劇場として営業を続けているのが、愛媛県松山市道後温泉にある「ニュー道後ミュージック」。
こちらは「お化けのメイクをする、怪談ストリップ」をはじめ、アート性の高いイベントなど、これまでに様々な面白い企画でファン層を拡大。暗く猥褻性の高いストリップ劇場のイメージを払拭し、最近では「カップル」や「女性だけ」のお客さんも増えているそうです。

でも、ストリップ劇場に女性ファンが増えると困ることがあります。なぜなら、ストリップ劇場の客というのは元来「男」と決まっていたので、「女性トイレ」がないということです。
ここ「ニュー道後ミュージック」では女性客は一度劇場を出て、近くのコンビニでトイレを借りなくてはなりません。

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四国最後のストリップ劇場に女子トイレをつくろうプロジェクト - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)

そこで劇場ではこの度、インターネットで出資者を募るあのクラウドファンディングを使って「女子トイレ設置」に必要なお金を集めることにしました。目標金額は70万円。
出資者には金額に応じて「劇場招待券」をはじめ「踊り子と行く道後観光権利」などがもらえます。
4月8日の締め切りまでに63人が出資して合計79万7千円で見事目標金額達成したそうです。

時代や、その土地を映す鏡として、まだまだ活躍する「ストリップ劇場」。今後、どのようにしぶとく平成の時代を生き残るのか?ちょっと注目です!

4月10日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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