“世界指標の経験”がチームと日本を勝利に導く!~アルバルク東京 竹内譲次選手その② 清水久嗣のB.LEAGUEレポート!

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男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
今回はアルバルク東京の竹内譲次選手にお話を伺いました。

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©ALVARK TOKYO

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2003年に東海大学に進学した竹内譲次選手は、関東大学バスケットボールリーグの1部昇格に貢献。その後、リーグ優勝や全日本選手権の優勝を経験しMVPも獲得しました。
2007年には日立サンロッカーズに加入し、プロ契約。途中アメリカへの挑戦などもありましたが、2015~2016シーズンまで9シーズンにわたりプレーしました。

しかし、Bリーグ開幕と共に竹内選手は新天地・アルバルク東京でのプレーを決断します。
当時を振り返って「色々と考えていても、どの選択が正しいかはわかりませんでした。自分が“どうしたいか”、“どこでやりたいか”を考えた時、色々な話を聞くうちに“アルバルクでやってみたい”という気持ちが芽生えてきました」と難しい決断をした胸の内を語ってくれました。そんな中で移籍の決め手になったものとは?
「Bリーグが立ち上がることになって、(アルバルク東京に)クラブとしての方向性を聞いてイメージが湧いてきました。プロリーグになることで、これからはクラブがどう経営していくかが大事だと思っていたので。チームの経営ビジョンなどを聞いて期待感を持てましたし、それを大きくしていきたいと思いましたね。」

慣れ親しんだチームを離れる苦しさも少なからずあった竹内選手。しかし彼を突き動かしたものは、日本を引っ張ってきたプロバスケットボールプレーヤーとしての自覚。
リーグは、チームは、どうあるべきか。
今回の移籍は全てのプレーヤーの先頭に立って出した答えでもあった気がします。

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先日行われたサンロッカーズ渋谷との“渋谷ダービー”。9シーズンも在籍していた“古巣”だっただけに思うところはあったようですが、あくまで勝負は別。第1戦はアルバルク東京が圧勝したものの、第2戦はリードされる展開になりました。
「第1戦と同じようなゲームにはならないと思っていました。追いかける展開での我慢強さや、勝負どころで力を発揮することができることが強いチームの条件だと思うし、それはできたと思います。」と振り返ったように、最後の最後で逆転に成功。
しかも終盤の追い上げは竹内選手が連続3点、計6得点で大いに貢献し「(リードされた)ああいう展開が自分を集中させてくれたと思っています。」と古巣への恩返しに満足そうでした。

竹内譲次選手は207cmという体格とスピードを生かして得点、リバウンドを量産。ディフェンスの要でもあります。
個人成績を紐解けば、4月10日現在チームの51試合にすべてスタメンで出場。うち2ケタ得点が25回、2ケタリバウンドが24回、得点とリバウンドを同時に2ケタにする“ダブルダブル”が14回とキッチリ結果を残しています。
成績について尋ねると「もちろんチームの勝ちが大事ですが、そのために自分がリバウンドを取ることでチームのエネルギーになっています」とリバウンドの重要性を話す竹内選手。
“リバウンドを制する者は試合を制す”といわれるほど重要なプレーは竹内選手にとって「今は経験がモノをいいますね。」と自己分析してくれました。

「シュートの軌道やリングの位置でボールの場所がわかってくるので、それに対するリアクションを大切にします。体の重心をどちらに寄せるか準備をしたり、相手との体格差があっても押し合いやジャンプするタイミングを相手の高さや腕の長さで考えていますね。本当にコンマ何秒かの世界ですけど、自分よりサイズがある外国人相手だと、頭を使いますね。」とフィジカルだけではなく経験や頭を使う“柔よく剛を制す”スタイルの竹内譲次選手。現在Bリーグのリバウンドランキングの日本人選手トップの平均8.8という数字を残しています。

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竹内譲次選手は大学生の時から日本代表に選出され、現在でもチームの要の一人です。
長く日本代表を務めてきたからこそ、その現状は身を持って感じているはず。40年以上にわたって出場していないオリンピックを“3年後の東京”に見据える中、世界との距離をどう感じているのでしょうか?
「身体的な差は必ずあります。埋めるための練習をしてチーム力を上げていかないといけないですし、あくまで“個人指標”じゃなくて“世界指標”で上げていかなくてはいけないのかなって思いますね」

そこで竹内選手のいう“世界指標”とは?
「190㎝の選手を相手にシュートを決めるのは、あくまで日本の指標です。世界指標では2mの選手を相手にシュートを決めたり、その他の技術をもっと学ばなくてはいけないのかなと思います」わずか10cmという世界との体格差は、国を代表するバスケットボール選手の中では大きな差となります。個々のレベルアップはもちろんのこと、ハードルそのものの高さを上げなくてはいけない時期にあるといいます。

東京五輪の時は35歳となる竹内譲次選手。もちろんその時も日本代表でいるために、高い意識を持っています。
「今と変わらず年齢に関係なく、有望な若い選手と競い合わないといけないと思っています。それはBリーグでも同じで、良い選手に対して闘争心を出して負けない気持ちを持ち続けたいと思っています。」
今までの経験、悔しさ、そして日本のバスケットボールを引っ張ってきた責任感に加えて、Bリーグで情熱を燃やす竹内譲次選手のプレーが日本のバスケットボールを支え、オリンピック出場へと導いてくれるはずです。

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現在、アルバルク東京は東地区の2位。首位の栃木、3位の千葉とはそれぞれ3ゲーム差で残り9試合。週末はホームで千葉ジェッツとの戦いが待っています。
勝てば優勝争いに望みをつなぎ、負ければ3位転落の可能性もある大一番。

今シーズンは4試合戦って3勝1敗ですが、およそ5か月ぶりの対戦でチーム状況も変わっています。千葉ジェッツの印象について竹内譲次選手は「勢いがあるチームですよね。オールジャパン(の優勝)も実力に加えて勢いを感じましたし、富樫勇樹選手(PG #2)やタイラー・ストーン選手(PF #33)は乗せたら怖い存在です。上位にいるチームは3ポイントシュートを得意としているチームが多いですよね。千葉ジェッツも石井講祐(SG #27)選手や小野龍猛選手(SF/PF #34)もブレイク(速攻)の中で、しっかり決めてきます。そこを抑えてハーフコートのディフェンスならしっかりと相手の攻撃を止められると思いますので、ポイントになりますね。」
選手はすべて警戒すべき存在。とくに外角からのシュートには警戒レベルを引き上げていました。

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最後に竹内譲次選手から、これまでも、これからも背中を押してくれるファンにメッセージをいただきました。
「今シーズンは開幕戦を戦い、チーム内で外国人選手が変わり、これまで色々なことがありました。心配するファンもたくさんいたと思いますが、今チームはまとまっています。ここからチームは登っていくしかない状況です。コート内で結果を出すことで不安を払しょくして、最後は笑っていたいです。それをファンの皆さんに見守ってほしいですね。」

泣いても笑ってもあと9試合。リーグ戦も残り1か月を切りました。
Bリーグのクライマックスの瞬間と竹内譲次選手の笑顔を見にアルバルク東京のアリーナへ足を運んでみてはいかがでしょうか?

今週末はホームアリーナ・代々木第二体育館で千葉ジェッツを迎え撃つ2連戦が行われます。

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アルバルク東京 vs 千葉ジェッツ
開催日:4/15(土)17時~、16(日)15時~
会場:国立代々木競技場第二体育館(JR山手線「原宿駅」から徒歩約5分、「渋谷駅」から徒歩約15分、東京メトロ千代田線「明治神宮前駅」から徒歩約5分)

チケット:https://www.alvark-tokyo.jp/ticket/
アルバルク東京:https://www.alvark-tokyo.jp/
Twitter:https://twitter.com/ALVARK_TOKYO
Facebook:https://www.facebook.com/ALVARKTOKYO/

次回は4月17日(月)の更新予定。
竹内譲次選手の東海大学後輩でもあり、今Bリーグで最も3ポイントシュートを決める男。
千葉ジェッツ・石井講祐選手にお話を伺います。

前編【Bリーグと日本のバスケを支える“竹内世代”の象徴的選手に聞く~アルバルク東京竹内譲次選手インタビューその①清水久嗣のB.LEAGUEレポート!】はこちら>

(清水久嗣)

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