今週のやじうま好奇心は“列島を沸かせた往年の力士が連日登場！「大相撲・有楽町場所」～ニッポンの角界を占う～”
最終日の今日は、元大関琴欧州･鳴戸親方です。
高嶋）墨田区横川にある鳴戸部屋。親方は元大関の琴欧州関です。ここへ来て、どのくらいになりますか？
親方）今月(2017年4月1日)からですね。
高嶋）新品の土俵に畳のにおいも新鮮ですね。親方になられて、どんな気分ですか？
親方）結構、大変ですね。
高嶋）部屋は持ちたかったんですよね？希望とやる気に燃えてるんじゃないですか？
親方）はい。あと、忙しさも。ゼロからのスタートなんで。
高嶋）お弟子さんは？
親方）2人います。あと、5月場所から新弟子が入る予定です。
高嶋）国籍は？
親方）ブルガリアです。今いるのは、日本人が2人です。
高嶋）親方は日本に来た時、おいくつだったんですか？
親方）19歳です。
高嶋）ブルガリアの大学生だったんですよね。国立の。優秀な大学の。元々レスリングをやってらしたんですよね？
親方）はい。元々はレスリングでしたが、大学から相撲をやっていました。
高嶋）どういう経緯で日本に？
親方）スカウトされたり、だまされたり(笑)。言われた事は「10日間で日本の世界を体験してみないか？」。
高嶋）それは誰が言ったんですか？
親方）佐渡ヶ嶽部屋の床山さんですね。私がアマチュア相撲の大会に出さしてもらった時にスカウトされました。先代の親方もいきなり「四股名は琴欧州だから、おめだとう」と、おっしゃって。「いや、いや、いや、どういう事なんですか？」と事態が呑み込めなくて。私は体験のつもりで来たのに、親方は新弟子を連れて来たと思っていたんです。話が違うという事で、往復切符を持っていたので、一度ブルガリアに帰らしてもらって、両親と相談して、考えました。それで、ブルガリアから片道切符を持って、日本にもう一度来て入門したんです。
高嶋）関取になるまで、どのくらいかかりましたか？
親方）10場所目、2年近くです。誰よりも稽古をしました。他の力士がカラオケに行っている時もカラダを休めて、稽古に備えていた気がします。ただ、大変だったので、ほとんど覚えていません。体重も入門前から2キロしか増えなかったんです。
高嶋）それは不思議ですね。普通は体重増えますよ。
親方）稽古をたくさんするし、兄弟子の残った物しか食べる事が出来なかったので。貧しくて、1日のお小遣いも300円から400円。コンビニでヨーグルトとかを買って、飲んでいました。関取になってからは個室も与えられるので、自分の時間が取れて、自分のペースでトレーニングや食事が出来るようになりました。
高嶋）お母さんを日本に招待したのはいつ頃？
親方）大関になってからです。稽古を観たら、お母さんが心臓発作を起こしますよ。だから「元気にやってます」としか伝えていなかったし、日本には呼べなかったです。
高嶋）親方として心掛けている事は？
親方）一人一人にあった稽古を考えています。私が現役の時はみんな同じ。「頭からぶちかませ！！」。それしか指導がなかった。その子その子にあう指導をしないといけない。
高嶋）食事はちゃんこは慣れましたか？
親方）慣れるというか、それしかなかった(笑)。あうか、あわないか。ジャングルのようだったですね。誰も「出来るか？出来ないか？」聴かない。この部屋では「食事の時もちゃんと食べているか」一緒に食べてチェックしています。
高嶋）今までの伝統だけにのっとった世界ではなくて、新しい風を吹き込むしかもしれない。
親方）相撲協会を変えるには、新鮮な風をね。ただ、結果を出さないと、間違っていたと言われて、それで終わり。
4月21日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ！「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
