4つのNo!で米朝関係は軟着陸か?高嶋ひでたけのあさラジ!

By -  公開:  更新:

5/19(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

北朝鮮に圧力かけるも中国にとっては必要な緩衝国
6:29~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・外交評論家)

US Ambassador to the United Nations Nikki Haley (C) answers a question during a press briefing as Japanese Ambassador Koro Bessho (L) and South Korean Ambassador Tae-yul Cho listen before a Security Council meeting on the situation in North Korea, May 16, 2017 at United Nations headquarters in New York. The United States would consider talks with North Korea if it halts all nuclear and ballistic missile tests, Haley said Tuesday as the UN Security Council weighed new sanctions on Pyongyang. =20170516

ニューヨークの国連本部で記者会見するヘイリー米国連大使(中央)別所浩郎国連大使(右)=20170516 写真提供:時事通信


「4つのノー」核開発の放棄しなければ逆になる

高嶋)昨日の産経新聞の1面は「米朝関係は軟着陸か」でした。アメリカ太平洋軍のハリス司令官が、都内の講演で「正気に戻すことが大事」だと言ったようです。正気ではない人を戻すには、どうするのですかね?こういうときは、「4つのノー」とか、いろいろ言われていますけれど。

宮家)要するに、条件はあくまでも「核開発全体を放棄する」ということですよね。

高嶋)それがもう、前提条件ですよね。

宮家)「それを北朝鮮はできるのですか?」と。「ちゃんとやるなら体制打倒はしませんよ」ということなのですが、 逆に読めば「核兵器を作り続けるのなら体制をぶちこわすぞ」と言っているのと同じではないですか。ですから決して優しい言葉ではないのですよ。

高嶋)「4つノー」を簡単に言いますと「北朝鮮の体制返還は求めない」「金正恩政権の崩壊を目指さない」「朝鮮半島を南北に分けている北緯38度線を越えて侵攻することはない」「朝鮮半島の再統一を急がない」この4つですね。

宮家)はい。だから、核兵器を続けるのなら、逆に「体制を変え」「崩壊を求め」「38度線を越えて」「再統一を急ぐ」、ということです。

高嶋)裏を読め、と。おだやかそうに表面的には見えるけれど、実際は相当のことを言っているのだぞ、と。

宮家)ものすごいことを言っていると思います。だけど、本当に止めさせられるかどうか、というのはまた別の話です。北朝鮮にとっては、これ(核)が最後の切り札ではないですか。しかも94年からずっと何十年も掛けて作っている。言われたくらいでは、止めるわけがない。


北朝鮮の兵器開発は進みレッドラインに近付く

高嶋)凍結でも駄目ですか?

宮家)凍結は以前、原子炉か何かの棟を壊したり、したではないですか。あれは結局、ウソだったしょう。なんだかんだ言いながら、止めてなかったではないですか。だから、本当に止めて貰わないと駄目なのだ、と。厳しく言えばね。

高嶋)これはきっちり伝わっていますかね?

宮家)バッチリ伝わっていると思います。前から言っていることだから。基本的にはね。

高嶋)よく大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)が、アメリカ本土に届くようなことになったら、とか。あるいは核弾頭の開発で、大気圏内突入が技術的にできるようになる、とか。そうなった段階がレッドラインだとよく言いますけれども。いまはどの程度だと読んでいますか?

宮家)今は、まだICBMが開発段階で。だけれど、この間撃った1発が成功して、金正恩は非常に喜んでいた。
あれは、2,000キロ上に撃つ、ということはICBMではないけれども、かなり近い形で、大気圏に突入できるような状況を作れたのではないですかね? ということはやはり、ICBMは撃っていないけれども、着々と準備は進んでいると考えるべきだと思います。

緩衝地帯として北朝鮮が必要な中国は微妙な圧力のかけ方
高嶋)そしてもう1つは、中国が、けっこうトランプさんの意向というか、素直に従っているとは言わないけれど、文句を言わずに聞いているような風があるのですが、これは本当のところはどうですか?

宮家)それは思惑が一致しているということですね。最終的には違うのだけど、要するに、北朝鮮がこのまま勝手なことをやると、緩衝国家として意味のあった北朝鮮が、それこそ本当にお荷物になる。そうなった場合に、やはり北朝鮮に圧力を掛けなければいけない。しかし潰れて貰っては困る。だから圧力は掛けるけれど、最終的に死に追いやるようなことはしない、と微妙に圧しているわけです。ですが、それだけでも北朝鮮には相当響くから、だから騒いでいるのです。

高嶋)中国にとっては大変な緩衝地帯であるようですね、北朝鮮は。

宮家)そうですよ。北朝鮮がつぶれたらどうなるか。大変なことになりますよね。

高嶋)少しずついろいろな情報が入ってきて、動いているようですが、まあ最初の話で結論ありきで、「北が核開発を止める」などということはまずありえないと。

宮家)止めてほしいけれど、無理でしょうね。そうではないことを前提に考えなければいけないと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top