北朝鮮 中国を直接批判!異例の出来事 高嶋ひでたけのあさラジ!

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5/4(木・祝)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

米ロ首脳電話会談。一方、北朝鮮が中国を名指し批判、その真意は?
7:03~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

北朝鮮では“架空の名前”を利用した論評には、非常に重大な意味がある

高嶋)朝鮮中央通信が、肩書きのない、多分架空の個人名の論評なのですが、中国に対して直接批判。「越えてはならないレッドラインを越えた」と。これは異例だと言うことで。

佐藤)きわめて異例ですね。

高嶋)これは肩書きもなければ名前も特定できないような、そういう架空の名前なら、全然痛痒を感じないと言うことですか?

佐藤)逆です。かなり重いのです。実は、これはソ連の流儀なのです。プラウダ、あるいはタス通信(現イタルタス通信)。こういった物には、何か論評するときには重さの順位がある。いちばん重いのは無署名なのですよ。無署名、というのは、朝鮮中央通信は国営でしょう。無署名とは、つまり国家の立場、ということなのです。署名がないということで。その次は、架空の名前。架空の名前というのは、無署名にするほどランクは上げていないけれど、相当頭にきている、という感じです。

高嶋)無署名と架空の名前は、別個なのですか?

佐藤)ええ。架空の名前は、少しだけ落ちるのです。それに対して、その下は役職と、本名。外務大臣が出しているとこのレベル、首相ならこのレベル……普通は朝鮮外務省スポークスマンですね。それだったら、「ま、ふつうの文句だな」となるのです。

高嶋)我々が感じているのとは全く逆。

佐藤)あの人たちにはあの人たちの"文法”があるのですよ。日本語と英語で、否定や肯定のニュアンスを表す文が違うようにね。
「レッドラインを越えた」の真意

高嶋)ということは、肩書きのない個人名の論評というのは重くて。ということは「レッドラインを越えた」と言うのは……何を言っているのですか?

佐藤)私の推定ですが、おそらく4月7日のフロリダでの米中首脳会談。そこでアメリカは中国に対して「北朝鮮を何とかしろ」と。それに反応して中国は、やはり相当な圧力を(北朝鮮)にかけているのですよ。石油云々のレベルではないと私は読んでいます。「お前ら、誰に喧嘩売ってるのか理解しているのか?」みたいな感じですね。「アメリカとやり合っているんだぞ、あまりにも無茶だぞ。そんなことをやっているのなら、体制を転覆させられても我々(中国)は助けられないな?」と、これぐらいの話だと思います。だから、向こう(北朝鮮)から「ちょっと待て、首狩り作戦に協力しているのか?」と。「それはレッドラインを越えているぞ?」と。分かりやすい話ですよ。

高嶋)いま佐藤さんが言ったような内容なら、完全にレッドラインを越えていますね。

佐藤)北朝鮮が”レッドライン”という言葉を使っている。越えているということですよね。それくらいの圧力をかけているわけですよ。

高嶋)トランプさんが習近平さんと会談をした、というのが大変重い意味を持ってくる?

佐藤)そうですね。それから習近平が、あの人は現実主義的なのですよ。「トランプがカッとなって中国とコトを構えたら、中国は勝てないな」と。しかも北朝鮮のやっていることはおかしいのだから、と。だからトランプに乗っておいた方が得だな、と。そういう計算を、4月7日に瞬時にしたわけです。ですから、これは習近平の腕がかなり良くなってきているということです。一昔前の習近平なら反発していたと思います。以前と比べて懐深くなって、現実をぱっと計算して。それで、北朝鮮の方も「レッドライン」というメッセージで、「だいぶ参っています」と言うことなのです。

高嶋)本当は泣きが入っている?

佐藤)泣きが入っています。参ったよ、これは、と言う。けれど、だからこそ重いのですよ。

高嶋)「お願いしますよ」みたいな感じですか。

佐藤)「あまりやると、俺たちも爆発するかもしれないから」と。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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