5/31(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
加計学園問題で和泉総理補佐官が「総理の代わり」に要求と前次官公表
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
和泉洋人総理補佐官から手続きを促されたと前川前次官がコメント公表安倍総理大臣の友人が理事長を務める学校法人加計学園の獣医学部新設を巡る問題で、文部科学省の前川喜平前事務次官は和泉洋人総理補佐官から国家戦略特区制度による手続きを促されたというコメントを公表しました。
加計学園は国家戦略特区制度を使って愛媛県今治市に岡山理科大学の獣医学部新設を計画しまして、内閣府が来年、2018年4月の開学という方針を公表したのは去年の11月でした。文部科学省の前川前事務次官の会見などによりますと、去年の9月から10月にかけて内閣府側の発言として、総理の意向などと記載された文書を受け取ったということが明らかになっていましたが、昨日新たに前川前次官は「和泉洋人総理補佐官から去年の9月の上旬、獣医学部新設の手続きを促された」こういうコメントを公表しました。この中で前川前次官は総理官邸の補佐官執務室で「対応を早くして欲しい」と求められた。で「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」という趣旨の発言を総理補佐官からあったということです。その後、去年10月半ばにも和泉総理補佐官に呼ばれて官邸で面談しまして、状況を質問されましたが「引き続き検討中」と前川前次官は答えたということです。和泉総理補佐官はこれについて「そんなことを言った覚えはない」と述べた他、松野文部科学大臣と菅官房長官も昨日の会見で次のように述べています。
松野文部科学大臣) 和泉総理補佐官から前川次官に対し、指示があったとの報道についてでございますが、前川次官から私がそのような話を聞いたことはございません。
菅官房長官) 和泉さんがしっかり答えているではないですか。前川さんが勝手に言っていることに、いちいち政府としてとして答えることはないと思いますよ。
安倍総理、加計学園から役員報酬を受け取ったことを認める森田) 和泉総理補佐官というのは国土交通省、旧建設省の技官でして、5人いる総理補佐官のひとりで地方創生や国土強靭化などを担当しております。一方安倍総理は昨日の参議院法務委員会で1993年に衆議院選挙で初当選した頃、加計学園の役員を数年間務めたことを明らかにしました。民進党の小川敏夫議員とのやり取りです。
小川議員) 総理ご自身、加計学園の役員をしたことはございませんか。
安倍総理) 当選した当初、数年間ですね、監査かそうしたものを務めたことがございます。
小川議員) 報酬も受け取っていますよね。
安倍総理) 1年間に14万円という報酬を受けたことがございます。まあしかし、これはまさに印象操作であって遥か昔のことでございます。私が「知り合いだから頼む」と言ったことは一度もないわけでありまして、そのことは明確に何回も申し上げているわけでありまして。
野党は和泉総理補佐官の国会証人喚問も新たに要求する方向森田) この問題で野党側、民進党は前川前事務次官に加えて、和泉総理補佐官の国会証人喚問も新たに要求する方向です。これに対し自民党としては6月18日で会期末を迎える国会については延長せずに閉じるのがベターだという意見が根強くあるのですが、ただテロ等準備罪を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案の会期内成立がギリギリの状況という見方が大勢でして、延長すれば追及を受けるということでジレンマを抱えています。
高嶋) 総理と官房長官の答え方について鈴木さんはどんな印象を持っていますか?
鈴木) 取材していて、もう少し答えようがあるのかなあと気がする。例えば総理と菅さん以外、和泉さんにしても、前川さんが「総理の口からは言えないからと、私は言われたんだ」と言った。それに対して和泉さんはどうなのか。「いや、そんな覚えはない」と。「記録にない」とかね。
高嶋) 記録にない……?(笑)
鈴木) 覚えていないということになると、じゃあ前川さんが嘘をついていることになる。ということは前川さんを国会に呼んで証人喚問をやって、そこの場でちゃんと聞かないといけない。でもそれはやらないという。非常に不完全燃焼というかモヤモヤして。というのが政府側の対応だと思いますね。
高嶋) 森田さんはどういう印象ですか?
森田) 菅官房長官の前川さんへの個人攻撃みたいなのがとくにすごかったですから。これに対する世論の反応というのが厳しくなっているのではないかと。ここにきて「国家戦略特区を使った改革なんだ」と昨日の答弁から変わりだしています。
高嶋) 素人の印象では、ちょっとでも説明しちゃうとそれをきっかけに導火線に火をつける感じで、次から次へと追い詰められてドッカーン!といくのではないかと。前川さんは学歴でどうこういうわけではないけど麻布・東大ですよ。和泉さんは栄光・東大。むちゃくちゃ記憶力が良くて「あんたよくそんなことが言えるね」という感じがしますよ。
鈴木) それがまかり通っているのがおかしい。
高嶋) 口裏を合わせているわけでしょう? 言っちゃまずいと。煙幕張るということは、裏を返せば何か出てくるというわけですよ。
通したいものがあるときには、できる限りたくさんの波乱要素を重ねる高嶋) 金田法務大臣を見ていて「あの人は、昔は利口だった」と過去形で言っている人はいますが、共謀罪のあれで昨日なんか手を上げようとすると総理が抑えたり。異例ですよね。
鈴木) あれは露骨でしたね。
高嶋) 本当はクビにしたいけど、わざと批判の対象になる人を置いて。稲田防衛大臣も入れておきましょうか? そっちの方に話が行くと加計も多少は攻撃が緩むじゃないですか。そういう戦法はありますか?
鈴木) 過去を見れば分かりますけど、政権運営、もっというと国会対策、これは常とう手段ですよね。つまり通したいものがあるときには、できる限りたくさんの波乱要素を重ねるわけですよね。そっちに目が行っている間に、手続きは踏みますけど目立たないようにしてスッと通す。例えば安倍さんになってから一連の安全保障関連で法律がありますけど、もめている陰で、社会保障を縮小していくというプランを通したり。そういう意味では森田さんもおっしゃったように、共謀罪もやらないといけない、それから陛下の退位の絡みなど、いろんなことがある。こういうものを通していく中で、加計が問題になってくる。じゃあ加計はとなると、陰で共謀罪をスッと通していくとか、そういう組み合わせになる。
高嶋) 一種の手品だね。
前川氏はさらに安倍総理を追い込むネタを持っている可能性がある鈴木) ところが非常に痛いところは会期を延長していくと、私の取材では民進党の幹部が言っていましたが、前川さんがまだいろんな証言なり持っている。そういう意味では延ばしちゃうとそういうものが出て来る。
高嶋) 木で鼻をくくったような説明に終止してね、説明にはなっていない。一生懸命門前払いをやっているわけですよ。だけど総理が説明せざるを得ないような状況に追い込めないと野党じゃないですよ。それが出てきそうな気配もあると。
鈴木) そうですね。民進党がというよりも、前川さん自身がそういうものを持っているのではないかと。前川さんはある意味では官僚で、彼を支持する人たちも文科省の中にいるわけで。こういう人たちがさらにフォローするものを出してくる可能性がある。
高嶋) 内側の人の判断がね。国家公務員、キャリア公務員の中にだって、これは変だと、総理もちゃんと言うべきだと思っている人もいる。
鈴木) 森田さんがおっしゃった「岩盤規制」、規制改革は正しいですよ。政治主導も正しい。だから官僚の政治を壊すのだ、これは政治としては正しいけど、それなりの理由があって壊さないといけない。今回の加計学園の場合は将来の見通しだとかいろんなチェックポイントがあった。これをもしやっていないとすれば、ただの政治のやりたい放題になる。ここを国会でしっかりやらないといけない。前川さんたちもそこを今回言っているわけですから。このまま蓋をしちゃうと、逆に隠していたものがバンッとはじけちゃう。
加計問題というのは広がってきていますからね。政府が今のやり方で蓋をするという方向で、言葉の問題も含めて一番危険だと思います。