【新人記者(仮)あいばゆうなの取材記】6月1日(報道部32日目)
来年の春に入社を希望する学生の採用面接が、6月1日から解禁されました。
先月発表された有効求人倍率は1.48倍と、バブル期(1990年7月)の1.46倍を超え、過去最高を記録していて、学生優位の「売り手市場」になっています。
その実感はあるのかと思い、日本一のオフィス街、丸の内で就職活動を頑張っている大学生にお話を聞きました。
大手企業の本社が立ち並ぶ丸の内はスーツ姿の人はたくさんいましたが、黒のリクルートスーツに黒い四角い鞄、黒の靴に、黒髪をしっかり整えているので、就活生はとても分かりやすく、一人も間違えず、就活生だけに声をかけることができました。
話を聞いた学生は一口に言うと、くっきり2つに分かれていました。
1つは、就職活動の情報解禁日である3月1日から面接を受け、今日実質の内定をもらいに行くという学生。
もう1つは今日から面接が始まるという学生です。
後者は金融業界を志望する学生に多く見られました。
金融や商社関係は、経団連の定めた選考解禁日を守っているようですが、実際ほかの業界では守られていないため、複数の業界を受験する場合は結果的に就職活動期間が延びることになります。
実際、会社によってばらばらなので、統一してほしいという本音も聞かれました。
私自身も去年まで就職活動をしていましたので、答えを聞きながら「うんうん、わかるわかる」といつも以上に頷きが大きくなっていました。
また正直に、早く内定が出た会社に気持ちが傾くという声もあり、それも承知している企業側も先手先手に選考を進めたがることから、いつまでも選考活動の足並みが揃わないのだろうと思います。
変な質問や、困った質問はされましたか?という問いかけには、「あなたにとって勉強とは?」という質問にびっくりしたと話す学生もいました。
私自身も「あなたを動物に例えると?」や「おでんの具で例えると?」など、変化球の質問を受けたこともありました。
答えを考えているうちに、その前に答えた学生に思っていたことと同じことを言われて困ったことが何度もあったなあと懐かしく思いました。
地方から上京してきた学生にも話を聞くことができました。
東京には15回ほど新幹線で足を運んだということで、交通費はかなりかさんだといいます。
それでも学生時代にアルバイトをしてためたお金で賄ったと話す姿は、同年代とは思えないたくましさを感じました。
日本の就職活動は、時期も採用形態も服装も受け答えも“一括一様”で、そのために人と比べて悩むこともままあるのではないかと思います。
何も連絡がこないまま不合格になったり、不合格を知らせるメールが続いて届いたりすると、自分が全否定されたような気持ちになることもあります。
それでも、肩の力を抜いて、無理せずまっすぐ背伸びせず話していれば、自分をほしいと言ってくれる会社とふっと巡り合えるものなのではないかなと、今はそう思っています。
私は新社会人として2ヶ月がたちました。
報道部に仮配属になる前までは、学生時代とは違い、勤めるということ自体に慣れるのに必死な1か月でした。
報道部に来てからの1か月は、まだ1か月とは思えないほど、様々な場所や人への取材やレポートをさせてもらったり、記事を書かせていただいたりと、たくさんのチャンスをいただき、本当にやりがいを感じています。
自分で見聞きしたことを、耳で聞いて分かるように届けるのは、非常に難しいと感じますが、先輩方からたくさん教えていただきながら、吸収していけたらと思います。