【新人記者(仮)あいばゆうなの取材記】5月29日(報道部29日目)
5月29日月曜日午後、プロゴルファーの宮里藍選手が都内のホテルで現役引退会見を行い、今シーズン限りでの現役引退を表明しました。
引退理由は簡潔に
「モチベーションの維持が。。。」
4~5年前から今までしていたトレーニングや練習ができないなど、モチベーションの維持の難しさを感じ、去年の夏に決断に至ったことや、これからの活動についても、具体的には決まっておらず、少しゆっくり考えたいといったことを自ら告白。
さらに気になる結婚も「今はない!」と明言。異例のシーズン中の引退会見ということで、残りの試合については「逆に今年いっぱいという期間を設けたことで、モチベーションは高まっている、あきらめずに頑張りたい。」と話しました。
宮里選手は、まだ31歳。
現役引退を惜しむ声も大きく、復帰の可能性は?との質問がありましたが、宮里選手は「今のところ100パーセントない。」と言い切りました。
引退を考え始めた2012年に「いま勝ち続けてプロとしてピークであるのに、メジャーのタイトルが取れない。1番いいときに勝てないならどうしたらよいのか。」と悩んだとのこと。
ご存知のように宮里選手は、沖縄県出身で、兄の聖志選手、優作選手もプロのゴルフ一家。
レッスンプロの父、優さんの指導で、高校三年生だった2003年に日本ツアーのミヤギテレビ杯ダンロップ女子を当時のツアー最年少の18歳で制覇。その後も日本女子ゴルフ界を牽引し、2010年には女子ゴルフの世界ランキング1位になりましたが、近年は振るわず、念願だったメジャー制覇には届かないまま、今回の引退会見を迎えました。
宮里選手は白の襟元左側から裾へ向かって裾広がりに黒の生地が織り込まれた個性的なワンピースで、髪を低く後ろに束ねて登場。話す表情は晴れやかに見えました。
残念ながら私は会場には行けなかったのですが、私たちニッポン放送ではスポーツ部の煙山光紀アナウンサーと報道部は後藤誠一郎記者が現場に行き「土屋礼央レオなるど」での生中継で記者会見の模様を聴きながらテレビの生中継で本人の表情を見ていました。
私は会見後に有楽町イトシア前で、引退について道往く人にインタビューをしてきました。
中年の男性には、会見を聞いていた人や関心の高い人が多く、「残念」という声や「おつかれさま」とねぎらう声も多くありましたが、若い女性に聞いてみると、関心の低さがうかがわれ、ゴルフはよくわからないという声も多く、温度差を感じました。
またこのインタビューの音声は、実際に当日夕方のニュースで使用され、うれしいやらホッとするやら。
私自身は宮里藍さんが会見で晴れやかな表情で、はきはきと話す姿を見て、すっきりと納得のいく判断ができたということなのかなと感じると同時に、一方、ほかの競技に比べて年齢のハンデがつきにくく、選手生命の長い競技だからこそ、引退のタイミングもとても悩んだのではないかと想像されたりもしました。
ちなみに、調べてみたところ、スポーツ選手の引退の理由には、結婚、怪我や病気、体力的限界、金銭面など様々あるようですが、モチベーションの維持ができないというのは、実は最も多い引退理由のようです。
引き際に悲しさはないと話していた宮里選手ですが、記者の質問のあと、最後のお礼の挨拶では、涙で言葉に詰まる場面も見られました。
スポーツ選手には必ずある引退。
1度休養を取り、復帰をして、今春引退をしたフィギュアスケート浅田真央選手や、昨年夏、40歳で引退した柔道の野村忠宏選手など、引き際はアスリートそれぞれですが、その言葉や垣間見える生き様から力をもらえます。
今回の宮里選手の会見も持ち前の明るい笑顔が最後まで光っていました。
どんな形であれ、また、はつらつとした笑顔が見られるといいな!と思う一日でした。