デビューから15場所目の金星は、日本人最速。3日目の北勝富士に続いて、宇良が9日目に日馬富士を破って、初金星を上げました。
「自分の相撲をとれた。体が勝手に動いた。よくわからない。信じられない」。
インタビューでは、感極まって、涙を流した。本当に珍しいシーン。それほど、一生懸命だったのでしょう。
頭で当たり、日馬富士の右腕をとって左へ回り込み、とったりを決めた。体が勝手に動いたのは、考え抜いた作戦だったからです。前日、白鵬と対戦。すくい投げで頭から、土俵へ叩きつけられた。まげには土俵の砂がつき、立ち上がると、鼻から血が…。力の違いをまざまざと知らされています。
常に
「140キロになりたい」。
大学時代は110キロ程度で、プロになって毎日、5合半のご飯を食べることが日課です。好物はたまごと、スパムのおにぎり。ダイエットもつらいことでしょうけど、体重を増やすことも同じぐらい大変です。外食はなるべくせず、筋肉を太く、大きくしたいと言います。一方で、デザート系のスイーツは、
「口にしない。好きではない」
と話し、食事も強くなるための修行と、とらえています。
おかげで、身長は173センチながら、137キロまで増量に成功。足腰がしっかりしているのは、高校時代、「足の指で土をつかめ」と指導され、普段も足指でものをとる練習の他、足の指だけで歩くことを繰り返したそうです。かつて、レスリングの経験で、居反り、足とりなどの珍しい技を披露。とはいえ、
「ワザ師といわれるのは嫌いです」。
4日目、観戦した、藤井聡太四段が宇良のファンであることを知らされると、
「今を時めく人にそんなふうにいってもらえて…。うれしいです」。
万事がこの調子で土俵とは、とにかく正反対です。
ある意味、アクロバチックな相撲は、関係者やファンから絶大な支持を受ける。先場所、西前頭11枚目で11勝4敗の好成績をあげたにもかかわらず、三賞を獲得できなかった。解説者の北の富士さんが、
「今の相撲記者は、どこに目をつけているのか」
とチクリ。ただし、今場所は勝ち越せば、三賞は確実です。もし、そうなれば、三役昇進が視界に入る。小錦、朝青龍、琴欧州に続いて、史上4位の記録となりますが…。もっか6勝3敗で、今日の相手は大関の高安です。
7月18日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」