福島第一原発3号機で「燃料デブリ」を確認か?辛坊治郎が徹底解説!【辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!】

By -  公開:  更新:

7/22(土)ニッポン放送「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」では、
東京電力が福島第1原発3号機の格納容器内でロボット調査を行い、溶け落ちた核燃料が構造物と混ざり合った「燃料デブリ」とみられる物体が初めて確認されたと発表したニュースを取り上げました。

福島第一原発3号機で「燃料デブリ」を確認か?辛坊治郎が徹底解説!【辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!】

辛坊)デブリって欠片?

飯田)欠片とかゴミクズとかという意味ですかね。

辛坊)一号機二号機三号機と順番に調査が行われていますけれども
こんなにはっきりデブリが見えたのは初めてと。
今までも、それらしいものがあるんじゃないの?と言われていましたけれども
こんなに塊で出てきたのは初めてということで、結構ニュースになっています。
コレがどうやら、福島第一原発の三号機にあって、当時稼働中でしたから
核分裂反応を起こしていた核燃料棒がグチャグチャに溶けて下に抜け落ちたと。
「下に抜け落ちた」と言われたって今回調査したのは「格納容器」といって
1メートル2メートルある分厚いコンクリートの中の様子なんだよね。
で、中にわざと水を溜めています。
放射線の遮蔽としては水とコンクリートの組み合わせが
非常に有効なので水が張ってあるんですが
その中に水中カメラを入れた所が見えましたという話ですね。

その中にあるということは本来そこは核燃料のないところだから
その上に圧力容器という巨大なカプセルみたいなものがあるんですよ。
この巨大なカプセルは厚さ16センチの鋼鉄製ですから!
それ、ちょっとやそっとでは穴あかないよ!
厚さ16センチの鋼鉄を突き破って核燃料が上から重力で降ってきて
それが下のところに溜まっているのが、水中カメラを入れて見つかったということなんです。

となると一体、何度になったんだという話なんですよ。

冷却装置が壊れた原発の中って物凄い高温どころの騒ぎじゃなくて…。
大体、鉄って1,538度で溶けるんですよ。
そもそも核燃料ってペレットと言って1センチの円筒形、
鉛筆の後ろについている消しゴムをちょっと大きくした感じのものが
パイプの中に縦に入っているんですけど
このパイプがジルコニウムの合金で出来てるはずなんです。
ジルコニウムの溶ける温度ってのが1,855度ですからね。
そもそも、それが溶け落ちるメルトダウンっていうのは
最低でも1,855度にならないと溶け落ちるはずがないんです。
だから、2,000度とか3,000度とか、何千度になっているというか…太陽かそれは!というね。
まぁ太陽は核融合で、メカニズムは違いますけどね。
とてつもない温度になって、16センチの鋼鉄を突き破って下にドーンと落ちたってことなんですね。

一つの論点としてはチェルノブイリ事故よりも災害の規模が大きいよねと。
爆発して吹き飛んでいないから見えないだけでセシウムって671度で気化します。
ヨウ素は184度で気化します。
という事で言うと、セシウムやヨウ素は一号機二号機三号機の中が何千度になって
圧力容器に穴があいた時点で、気化して外に出ているということで言えば
物凄い量の放射線が外に出ているということが一つ。

もう一つ考えていたのは福島第一原発を今後どうするのかって言うことなんですが
まず、今回使った水中カメラは放射線を浴びているので今後は使えません。
そもそも、水中カメラが入った所に人間は入れません。
入ったら確実に死にます。

で、デブリが初めて見えました。
これからこれを収集するのに何年かかるんだって話なんです。
2021年ぐらいから取り出し始めるってできるわけないじゃんこんなもの。
誰もたどり着けないんだからこんなところ。
最終的にはコンクリートで固めるしかないんじゃないですかって感じですが…。

今言われている福島第一原発の処理の方法でいったいいくらお金がかかるのかというと
全部で21兆円ぐらいだと考えられているんです。
21兆円って日本の国家予算の5分の1ぐらいですけど
同じ規模でいうと、青森県の再処理センターってあるじゃないですか。
再処理センターって、もともと日本は資源がないから、原発でウランを燃やします。
ウランを燃やした後にパイプにプルトニウムが残ります。
このプルトニウムだけを取り出して核燃料をつくって、このプルトニウムを燃やす原発を作ります。
そのプルトニウムの周りに燃えないウランができます。
そのウランを配置しておくとプルトニウムに化けます。
そしてそれをまた燃やします…という無限ループを夢見て出来たのが、青森県の再処理センターなんです。

これ本当は10年20年ぐらい前に完成していないといけないのに未だに稼働しない。
最後の部分で技術的に難しいというのと、ここに来て採算取れないんじゃない?
ウラン買って来たほうが良いんじゃない?ってことになってきてみんなやる気がなくなっちゃっていて
でも予算は出てるから、総予算が20兆円ぐらいと言われています。
さっきのと足すと、40兆円!

40兆円あったら何ができるか考えたんですけど
5キロワットというかなり大きい太陽光発電を2000万世帯につけることができます。
2000万世帯って日本の戸建て住宅殆どに設置できるんですよ!
5キロワットの太陽光を付けていると我が家では売電と買電、トントンです。
2000万世帯がそれぞれ5キロワット発電したら1億キロワットの発電です。
出力でいうと原発100基分ですよ。
ただ、エネルギー効率が10分の1と言われています。コレは雨が降ったり曇ったりするからです。
それでも原発10基がフルで動いているのと同じ電力が得られるんです。

何で廃炉で20兆円使って核燃料サイクルに20兆円使うのかな~と思うんですよね…。

来週7/29(土)の「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」は
自衛隊の実情に詳しいジャーナリストの桜林美佐さんを
ゲストにお迎え致します!

ニッポン放送 「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」
毎週土曜日 13:00~15:00
パーソナリティー:辛坊治郎、増山さやか、飯田浩司
番組ホームページ:https://www.1242.com/program/zoom/
メールアドレス:zoom@1242.com
番組Twitter:@zoom1242

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

Page top