8/10(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
早くも話題を呼んでいる第3次改造内閣
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
本日PKO日報問題をめぐる閉会中審査が開催
南スーダンでの国連のPKO平和維持活動の日報問題をめぐり、衆議院と参議院で今日閉会中審査が行われます。稲田元防衛大臣の関与の解明が焦点となりますが、与党の反対で衆議院での稲田氏の参考人招致は見送られました。
森田解説委員)PKOの日報隠蔽問題をめぐる閉会中審査は今日午前中に衆議院の安全保障委員会で、午後には参議院の外交防衛委員会で開かれます。
野党は稲田元防衛大臣の参考人招致を求めていたのですが、衆議院側は与党が反対しまして、参考人招致は見送りとなりました。
参議院の方は引き続き協議をしているのですが、説明責任の観点から稲田元大臣が出席しない質疑には批判が強まる可能性もあります。
また政府参考人として防衛省の辰己審議官が出席します。辰己さんは稲田大臣に日報に関する説明をしておりまして、野党は当時のやり取りを追及する構えです。
また民進党は「役所の原稿を朗読する」と発言しました江崎鐵磨沖縄北方担当大臣についても今日の閉会中審査への出席を求めたのですが、自民党はこれを拒否しています。江崎大臣は一昨日普天間飛行場所属のMV-22B(オスプレイ)による墜落事故について訊かれ、日米地位協定の見直しに言及をしておりました。江崎大臣)まずこれはやっぱり日米地位協定をもう少し見直さないと、最低でも操縦ミスだったのか機体が好ましくないのか、こういったことは返事を頂きたいわね。
森田)この発言が日米地位協定の抜本的な改定を目指すと受け止められております。これまではアメリカの軍属の対象を縮小するという補足の協定は結んでいるのですが、地位協定自体は1960年の発行以来1度も改定はされておりません。江崎大臣は一昨日沖縄に入ったときに「見直しは地位協定本体の改定に限らない」と軌道修正を図りました。
昨日も「言葉足らずだった」と述べる江崎大臣、それから辞任の必要は無いと述べる安倍総理大臣です。江崎大臣)修正というよりも、言葉足らずのところがあったのでは無かろうかと思っております。
安倍総理)江崎大臣には今後一層緊張感を持ち、職務に当たってもらいたいと考えています。
森田)江崎大臣は入閣のときに「73の手習いだね」と述べておりましたが、沖縄や北方領土の問題との縁は九州・沖縄サミットのときに外務政務次官だった他は、北海道開発庁長官を務めたお父さんの江崎真澄さんに秘書として仕えたくらいだということです。ですから仕事人内閣の先行きを案じる声は自民党内でも消えていません。
日本の政権にとっての北方領土高嶋)沖縄と北方領土といったら佐藤さんにとってはライフワークのようなもので、この大臣はどういう風に評価していますか?
佐藤)私はこの大臣は、資質と、あと体調の問題があるのではないかなと思いますので、人道的な観点から早く楽にしてあげた方が良いと思いますよ。
沖縄の地位協定なんてどれくらい面倒臭い問題かということについて分かっていないのですよ。分かっていないから言ってしまうと。そうしたら腹を括って言っているのだったら沖縄も「あ、この人一生懸命やろうとしているんだ」と思っていたのだけども、それを何とかいろんな圧力の中で撤回せざるを得ないのだけども、沖縄にとってプラスになるなんて、誰もそんなこと思っていないですからね。「おっさん何も知らねえんだろ」と。
この次はやはり皆ビビりあがっているのは北方領土ですよ。ただ北方領土は多分江崎大臣や安倍総理よりも鈴木宗男さんの顔が思い浮かぶと思うのですよ。北方領土で変なことでもやろうものなら、鈴木さんが大暴れをして大臣室から聞かれないのではないかと。「おっとおっと、怖い怖い、黙っていよう」と、こんな感じだと思います。高嶋)北方領土で少し話が飛ぶかもしれませんが、佐藤さんがおっしゃっていた例の森喜朗さんのお誕生日。プーチンさんと会って、けっこう動きが急加速をしそうだということをおっしゃっていましたが。
佐藤)実は、安倍政権がちょっと調子良くないでしょう? 安倍さんが来年9月に再選確実と言えます? あと来年3月にプーチンさんが再選されたその後、例えば5月くらいに北方領土で歯舞群島や色丹島が具体的に帰って来る交渉を、要するに“(安倍)晋三”とやるのだという合意が出来たら、総理大臣を変えられますか?
この内政要因で加速するという要素は非常に強くなってきましたね。でも大体そういう風にすると国民の大反発を買いますからね。大体日本の政権は調子が悪くなると北方領土に手を出す傾向があるのです。高嶋)そして森さんが元気な内にみたいなこともあるのですよね?
佐藤)かなり強いですね。特にプーチンの心情の中では強いです。だから首脳外交になると意外と個人的な感情があるのですよ。その逆もあって、例えばオバマとプーチンはお互い「この野郎、気に食わない」と言う風に思っていたのですから。
内閣改造後の世論調査の変化 安倍総理の“謝罪”よりも諸問題解決が重要高嶋)それで、この間安倍さんが組閣して頭を下げて国民に謝ったでしょう。いろいろとまちまちな世論調査の結果が出ていますけど、あれは佐藤さんにはどう映りましたか?
佐藤)私は非常にこれは面白くて、毎日新聞と朝日新聞は確か35%の支持率でしたよね、あまり良くないです。毎日新聞は26%から跳ね上がっているのですよ。朝日新聞は2ポイントしか上がっていないのです。
これは朝日新聞が意地悪だからそうなっているというよりも、調査日の違いですね。他のところは3日~4日、即ちあの「すいませんでした」って頭を下げているあの会見の直後と、翌日公共放送に長時間出て何度も頭を下げた、そのときに取った調査というのは印象が上がっているのですよ。ところが朝日新聞は改造から2日後の5,6日で取っているのですよ。だから私は効果が短時間しか持続しなかったのではないかという説を持っているのです。
だからこれは今日閉会中審査がありますよね。その後各世論調査を緊急でもう1回取ってみると、私の仮説が正しいのか間違えているのか明らかになるのです。だから共同通信社あたりに是非やって欲しいですよね。高嶋)それで今日、閉会中審査に稲田朋美さんを出さないでしょう。それから今日の新聞なんかに加計学園の獣医学部の判断を学校法人審議会が保留したという記事がありました。だけど数ヶ月後にどうも認可しそうな気配があると。それで財務省の局長さんだった彼が国会であのように全部とぼけまくったら国税庁の長官に出世してしまった。それは普通のルートのようですが、そういう細かい“出さない・見せない・隠す”というものが、安倍さんが頭を下げて全部チャラになるものかどうか、この辺の国民の判断がどうなるか。
佐藤)頭下げた後やらなければチャラになる可能性があったのだけど、チャラになる可能性をひとつずつ壊していますよね。まず前の国対委員長の竹下さんが参考人で来てもらって言っていましたからね。それはあの時点でもう閣僚が変わること前提でしたから、これは駄目ですよ。
それから加計学園も、逆にこれが正しいと思っているのだったら中央突破をしないといけないのですよ。これは半年くらいだけではなくて、例えば1年遅らせるとかあるいは数年遅らせるということがあり得ると思いますよ。そうしたら加計学園には莫大な損失が出るでしょう。そうしたら国民も「ああ、いい気味だ」と思うと。この程度の感覚なのかもしれませんよ。高嶋)そのくらいの罰を与えた方が良いと。
佐藤)ただし、あまりこういうことを言っている人がいないのですが、加計学園は他にもたくさん学校を持っていますから、そこは国費から助成を受けていますから、その額というのはかなり文科省に裁量権がありますから。そうすると学校グループトータルとしてよく見ておかないと、果たして全部本当に損しているのかどうかが分からないですよね。何だか姑息なのですよ。
それに佐川さん、普通国税庁長官なんていうのはなって数週間以内に会見をやるのですよ。今回会見だけでなく紙一枚で「頑張ります」でしょう。何か変な感じがしません? それこそ「梨の木の下に来ていて、帽子はどうしたら良いんですか?」みたいな、こういう話ではないですか?高嶋)だからその辺を安倍さんはもうとぼけて押し通そうとしているでしょう。それで自民党ももう全部協力しているじゃないですか。だからその辺がどういう風にこれから国政に響いていくのか。
佐藤)でも今月の文藝春秋の広告を見ると3人くらい挙がっていますからね。だからやはり零れて来ているのですよ。
例えば“月刊”文藝春秋がああいう「本当にこの内閣で大丈夫か」というような見出しで始めるというのがね。大体面倒臭いときですよ、あの人たちが何て言うのか、最初持ち上げますけど、倒すときはすごいですからね。
だから今は仕事をする場所になっていますけど昔は相当やられましたから。それはもうよく覚えています。鈴木宗男疑惑のときにたっぷりやられましたから。だから文藝春秋や週刊新潮の見出しが変わって来るというのは怖いのです。「逮捕が近い」とまでは言いませんけど、私自身の経験からするとああいう見出しになってくると半年後くらいに相当気分の良くないことが起きるでしょうね。高嶋)やはりとぼけざるを得ない何か深い訳でもあるのですかね。
佐藤)安倍さんはよく分からないですが、追い込まれているのは間違い無いです。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00