先週の「内閣改造」を受けて、各社の世論調査が出ております。
いつ頃からなんでしょうか?内閣改造や国政選挙だけではなく、大臣の不祥事や地方選挙など「政治に関するニュース」が起きるたびに「世論調査」が行われ、我々はそれを報道する。
「世論調査」の役割や政局に与えるインパクトも大きくなったように感じます。
そこで、けさのやじうま好奇心では「知っているようで知らない『世論調査の仕組み』」をニッポン放送、報道部・畑中秀哉デスクに解説して頂きます。
畑中)戦後、日本における初の「全国世論調査」は1945年の毎日新聞の「知事公選の方法」について。この時の対象は2千人。翌年には対象を20万人に増やしました。この時は「知事にどんな人を選ぶか?」「食住について」の質問でした。朝日新聞も1946年に20万人の世論調査を実施。「吉田内閣を支持しますか?」「もし近く選挙があるとすればどの政党を支持しますか?」の2問。当時は街で「調査票」を配布するなど、とにかく大勢の人を調査することにやっきになっていたそうです。
高嶋)劇的に変わったのは、いつごろなの?
畑中)1987年、日本経済新聞が「電話による世論調査」をスタート。ここから電話帳を使って電話番号を調べる、世論調査が主流になっていきました。電話帳を使う形式は、例えば全ページの三番目の人に聞いていく無作為方法です。しかしこの方法には、欠点もあったんです。1998年の参議院選挙で自民党が大敗し、民主党が躍進しました。この時は世論調査では自民党有利とされていましたが、ふたを開けてみると逆の結果でした。その理由として、当時、次のような説がありました。このころの若年層を中心に電話帳に番号を載せない人が増えてきた。そして当時、民主党は若年層の支持が高く、よって民主党の数字が低めに出たのでは、ないかと言われました。そのため、その後、電話帳の方式から、「RDD」という方式に変わっていきました。この方式は現在も使われています。
高嶋)RDD方式?
畑中)Random Digit Dialing方式。もともとはアメリカで発明された、電話調査のための無作為標本抽出法です。簡単に説明しますと、固定電話の番号は計10桁の数字で、できています。この10桁の数字から、実際に使われている「市外局番と市内局番」の番号をリストにして保存。このリストから下4桁、もしくは下2桁を「無作為」にコンピューターで選出し、世論調査の対象者となる電話番号をはじき出します。リストは事前にできているので、対象者を選ぶのも簡単というわけです。
高嶋)そして世論調査の結果の正確性。質問の問でも結果が変わりますよね。
畑中)今回の世論調査を見てみると、朝日新聞は「支持する/支持しない」の二者択一。読売新聞は「支持する/支持しない/その他/答えない」。毎日新聞は「支持する/支持しない/関心がない」。今回の毎日新聞の世論調査だと関心がない人が17%。あくまでも推測ですが、毎日新聞は数字が低めに出る傾向にあります。
高嶋)まあ、有効回答も40なんパーセント。電話かけられた方から言うと、ちょっと忙しいからと断っちゃうよね。
畑中)最近は、個人情報の問題ですとか、オレオレ詐欺の問題などがあって、なかなか電話に出てくれないケースもあるようです。
高嶋)様々な問題をはらんでいるように感じますけど。この「世論調査」の数字で、内閣がつぶれたりね、総選挙に突入したり、色々するわけですから。
畑中)それぞれ、各紙の世論調査の差があるという前提をもって、調査結果を見た方がいいのかと思います。
8月7日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より