巨人ケーシー・マギー内野手(34)は、使い勝手がいい外国人選手なら現在、12球団ナンバーワンだ。補強下手といわれる巨人ですが、もしもマギーがいなかったら今シーズンはもっと低迷していたのではないか、との声が高い。昨日も1点ビハインドの6回、犠牲フライを放って同点。逆転勝ちの隠れたヒーローとなった。
6月こそ、月間打率が2割3分8厘と落ち込んだものの、7月が3割2分3厘、8月もここまで3割9分4厘と、グングン調子が上がっている。
「チームのためなら、サード、セカンド、外野でも喜んでプレーする」
試合に出られることを最優先し、不平不満をいうことがない。
もっとも、セカンドは不慣れのため少々、ミスが…。左ひざの横で打球を処理するクセがあるため。とはいえ、打順も4番をはじめ、5番、2番でも与えられたところで、いい仕事をする。セカンドの守備には目をつぶってもおつりがくるだろう。
2012年オフ。ヤンキースから楽天へ移籍した。その際、水面下では巨人と楽天がデッドヒートを展開。条件面はほぼ互角だったものの、巨人は不振なら2軍-という条項が。そのため、楽天を選んで日本一の原動力に。その外見からは想像もつきませんが、実に義理堅く勉強熱心。連日、他のチームの試合をすべて入念にチェックする。
「楽天が強いといい。ぜひ、日本シリーズで対戦したいね」
楽天から再び、メジャーへ復帰したマギーは2015年、シーズン途中からマーリンズへ加入した。2015/8/15、イチローが日米通算4192安打を放ち、タイ・カッブのメジャー記録を超えると、日本酒を取りだし祝杯をプロデュース。マイアミで購入し、遠征でも密かに持参する気配りをみせた。
巨人入団当初、阿部と村田のバックアップという位置づけだった。オープン戦でも打率は、規定の打席に達した38人中37位。レギュラーを奪ったのは、必死のプレーと努力の賜物。でも、自身がサードへ入ると、村田が弾き出される。カヤの外状態だった「村田さんに悪い」といい続けてきたいい人だ。
ただし、高橋監督は、そんなやさしさをたたえるのではなく、厳しく注意している。
「そんなことを気にするな。チームは全員、プロフェッショナルだ。勝つためには、他の選手を乗り越えなければいけない。小さなことだよ。おれはマギーを信頼している」
意気に感じたマギーは、
「監督のために必死でどんなことでもします」
と誓い、全幅の信頼を得ている。
どの打順へも適応できるのは、器用さ、それから技術があることの証明だ。振り返れば、春季キャンプを視察に訪れた長嶋茂雄終身名誉監督が唯一、ほめたのはマギー。当時、それほどの評価を与えられていなかった。ところが、
「いいバッターだ。バッティングフォームが日本人投手に合っている」
と絶賛。かつて自身がつけた33番を継承した助っ人は、それだけの価値があったのだ。
8月11日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」