北朝鮮情勢について、潮匡人に聞く
公開: 更新:
8/12(土)ニッポン放送「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」では、17日に、日本とアメリカが両国の安全保障に関する政策を協議する「2プラス2」がワシントンで開かれたニュースを取り上げました。
この日は専門家、元航空自衛官で軍事評論家の潮匡人(うしお・まさと)さんと電話を繋ぎました。
辛坊)潮さん、ズバリ北朝鮮のミサイル発射はあるでしょうか?
潮)専門家の多くは、ないという見方だとは思いますが、私は依然として可能性は十分あると思います。
辛坊)どんなタイミングですかね?
潮)来週週明けから米韓合同の軍事演習が始まります。ここでアメリカがどれぐらいの戦力を投入するのかと言うのを見計らっていると言う風に、この前のメッセージを額面的に受け止めればそう読めるわけです。
辛坊)もともとはB-1Bは飛ばさない予定だったんですよね?
潮)そうですね、定例通り何年前の状態を比較すれば、必ずしもそうした戦力を投入しなくてもいいんですが、報道ベースでは空母機体の導入、あるいは、B-1Bも含めての演習参加が検討されています。
例えばそうした戦力が挿入されるということになると北朝鮮としてはメッセージが届いていないという判断になるでしょうし、そこまで言った手前何らかのアクションを起こさざるを得ないということに傾く可能性があります。辛坊)アメリカ側が配慮して軍事演習の規模を縮小するという事あるんでしょうか?
潮)理論的にはありえるわけですが、実際アメリカ軍がそうしてしまうと、北朝鮮の脅しに屈したという風に客観的に歴史に残してしまうということになります。それが当面の危機を回避できたと言うポジティブな評価もあり得ると思うんですが、そのことが前提となってどんどん状況が悪化していくというネガティブな面も見逃してはいけないと思います。
飯田)日本の備えはいかがなんでしょうか?
潮)PAC3の空白地帯を向こうが名指しして、そこの上空を飛ばすと言っている以上、そこに展開するというのは一つの判断だと思いますし政府はそうするんだろうなと思っていた通りになりました。
しかしながらPAC3の迎撃範囲というものは能力の制限がありますし、必ずしも中国四国地方の全域にわたって空白地帯がなくなったということは言い切ることができないですね。辛坊)わたし、広島に配備されたPAC3見に行ったんですよ。結構市街地から離れた駐屯地隊に置いてありますよね。PAC3って射程距離が20キロぐらいだとすると、あの位置にPAC3を配置しても広島市内は守れないんじゃないかなって思うんですけど…。
潮)そういうことだと思いますし、そうやって計算してみると空白地帯の方が多いのではないかと。
辛坊)ですよね。あまり広島が直接狙われてると言うことが現段階ではないので万が一落ちてきたら、という話なので、そういう体制だと思うんですけど、PAC3は精神的・見かけ的意味以上のものは無いような気がするんですが。
潮)そうだと思いますが、政治的にパフォーマンスがある一定の効果を生むということもありますので しないよりはやった方が良かったという風に評価していますが。ただ配備した場所が自衛隊駐屯基地の中だけですよね。
要するにそこにしか日本国は配備できないと弱みをさらけ出したとも言えると思います。辛坊)そこがまさに今日言おうか迷っていたんですけど、実際に私、広島の平和記念公園からずっと移動してPAC3の基地まで行ったんですけども、あの辺で一番何かあった時に被害が大きいのは人口が密集している広島ですよね。
極論、広島市内を拠点防衛するなら一番起きやすくて、ペースも空いていて、発射した時に後ろから出る噴射の熱が危ないですから、極論、本気で広島を守りたいのなら広島の平和公園にPAC3を配備するということを考えないと広島は守れないんだけれども、それは政治的に絶対無理という状況がありますよね。潮)そうですね。広島であれどこであれ、配備に反対する一部の方々がいらっしゃって、そして、それを行動に移されようとする。そうすると物理的にデモなどで数珠繋ぎにされれば割って入っていかない限り展開できないとか、1回、展開してもそういった方々が抗議に来られるとその対応に人や能力を割かなければいけないとかそういう事を考えると、なかなか机上の空論であるとなって、今回もそういうことが選ばれなかったのではないかと思いますね。
来週8/12(土)の「辛坊治郎ズームそこまで言うか!」は中国を中心に取材をしているジャーナリストの福島香織さんをゲストにお迎えします!
辛坊治郎ズームそこまで言うか!
FM93AM1242ニッポン放送 土曜 13:00~15:00
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)