巨人・畠世周 斉藤コーチに言った弱音とは?

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畠世周

【プロ野球 巨人 投手指名練習】ボールでお手玉をする巨人・畠世周=2017年8月21日ジャイアンツ球場 写真提供:産経新聞社

名前は世周。父・英彰さんが「世の中が、自分にとってプラスに回るように」と願いを込めてつけられたそうです。昨日の阪神戦に先発し、7回を1安打無失点。11奪三振という快投を披露し、4勝目をあげました。昨年10月、ドラフト2位で巨人から指名を受けて入団。ところが、決まったとたんに、右ひじの手術を受けるというニュースが流れたのです。

当初、全球団が上位でリストアップしていた。3年秋のリーグ戦で3戦連続完封するなど、右の本格派として注目されたのです。しかし、4年になると右ひじの遊離軟骨のために、思うような活躍ができない。スカウト陣の要チェックから漏れていきました。手術をしなければならないことがわかっていたから。でも、巨人の山下・前スカウト部長は、近大出身です。簡単な手術で直る。そうした情報を収集していただけに、2位で指名した。大正解。

4月には実戦復帰し、7月6日の広島凱旋登板で1軍デビューを果たします。ところが、緊張しているのは一目瞭然。4回を5安打4失点と力を出しきれなかった。でも、巨人は大竹、内海、山口俊が不振。先発が足りない。まさに世の中は、自分にとってプラスに回った-ということでしょう。第4の先発として、今は欠かせない。もし、畠がいなかったら、チームはどうなっていたか。

いわゆる、野球バカではありません。子どもの頃からプロを目指していたわけですが、独自の考えを持っていた。

「どうしたら、体を鍛えられるか」

と英彰さんへ質問すると、

「農作業が一番いい」。

そこで農業を手伝うようになりました。

「田んぼで足を動かそうとすると、まともに抜こうとしても、なかなか…。それを外から回すようにすると、楽になる。同時に、股関節も鍛えられた」。

確かに英彰さんも、アスリートではないのに体ががっしりとして、とても軸がしっかり。論より、身近な証拠というわけでしょう。多くの三振を奪う、投球フォームも農作業から得たのです。一方で、

「モーツアルトが好きで、毎晩、聴いている」

というクラシックファン。これまた、プロ野球界には珍しいことでしょう。

7月、故郷の呉市観光大使へ就任。新たな肩書を得ました。取材などで、名刺を出して、あいさつを受けると、

「ぼくも出します」。

これがユニークです。呉市海事歴史科学館・大和ミュージアムの優待券がついている。

「ぜひ、お出かけください」

としきりにアピール。このあたりも既成のプロ選手とは違います。

そうはいっても、課題はたくさん。カギはメンタルだとか。7、8回でコーチから、

「まだイケるか?」

と声をかけると、

「もういっぱい、いっぱいです」

という言葉が少々、気になる。斎藤コーチは、

「藤田(元司)さんに、いっぱい、いっぱいです、なんて、とても言えなかった」。

だから、強い精神力で、ミスター完投とも呼ばれるように。尻を叩いて、大成させようと、必死です。

8月28日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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