巨人・阿部慎之助 もう一度ホームラン30本を打ちたい
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通算2,000本安打は、巨人では川上、長嶋、王、柴田に続いて5人目の快挙。しかも37年ぶりです。史上49人目の記録を打ち立て、ますます存在感が増しているのは確かでしょう。最近は、現役にもかかわらず、巨人の次期監督の有力候補にもあげられています。
ところが、
「挫折の連続だった」
と振り返りました。高校入試では第一志望校へ不合格。当時から一貫して変わらなかったのは、
「野球は楽しい。こんなに楽しいことはない。最近、ますます楽しくなってきた」
と言います。中央大から2000年のドラフト1位で、巨人へ入団。ルーキーにもかかわらず、開幕スタメンを勝ち取り、127試合に出場しました。長嶋監督の英才教育の賜物です。
当時は、現在では考えられないほどの注目度が巨人にはありました。阿部はやさしく誰にでも好かれる人柄です。親しい担当記者たちと食事へ行く。しかし、そんな関係がうそだったのか、と感じられるほど叩かれることが続き、人間不信で寡黙になった時期もありました。
そんな経験からか、
「最近、(担当記者)は、やさしすぎる。成績がダメならもっと叩いてもいいのでは。特に小林にはやさしいからね」。
と入団時から期待を集めながら、伸び悩み気味の小林に対して苦言を呈しています。
捕手でキャリアを終えるつもりが、自身の度重なる故障でやむなく野手へ転向。しかし2015年、1塁手として再出発するはずが、相川の故障などチーム事情で再びマスクをかぶることになるなど、なかなか気持ちの区切りがつかない状況でした。
昨年、捕手として登録されたものの、オープン戦で右肩痛を発症。それが原因で、とうとうシーズン終了まで捕手復帰は果たせなかった。未練がないといえばうそになる。
「キャッチャーで、たくさん稼がせてもらった。でも、今は1塁で頑張る」
と自分に言い聞かせます。苦しいときは大先輩の助言を仰ぐ。長嶋終身名誉監督からは、
「『自然体』を3度繰り返し、どんな時でも自然体だと開き直れ」
とアドバイスを受けました。
生涯捕手はかなわなかったものの、阿部には打者として生きる道が残されています。手本にしたのは、王さんです。
「もう1度、(ホームラン)30本を打ちたい。王さんは、30本打ってやめられたんですからね」。
ONからしっかり学んだのは、巨人生え抜きだからこそ。
現在38歳。はたして現役時代がいつまでなのか、指導者になる日はいつなのか。阿部の野球人生は続きます。
8月18日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」