大相撲東前頭3・阿武咲 けいこで白鵬から指名されるのはなぜか?
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土俵上で花が咲くように。そして、阿武松親方の2文字をいただき、このしこ名となった。秋場所の新番付が発表され、東前頭3枚目へ躍進しました。新入幕以来、2場所連続でふたケタ勝利を。これは郷土の大先輩、初代若乃花や、白鵬などに続く史上7人目の快記録です。
出身は青森県北津軽郡中泊町。青森県は、明治16年から番付で幕内力士が途絶えたことがない唯一の土地柄です。これまでに6人の横綱を輩出しています。秋場所は、夏巡業の成果がストレートに出ると言われますが、今夏、特に目立ったのがこの阿武咲でした。以前から、高安は阿武松部屋へ出げいこを行っており、よく胸を貸していました。
巡業では2度、高安から指名を受けています。特に8月16日、地元では何番でもつつける3番げいこで7戦全勝。自力アップを強烈にアピールしました。また、白鵬からも指名がかかった…これは極めて珍しい。実は白鵬が2010年から主催する少年相撲「白鵬杯」の第1回大会で阿武咲は団体優勝を飾っているのです。秋場所、この番付位置なら、顔を合わせることはまず間違いないでしょう。
「夢だよ。楽しみにしている」
と表情をほころばせ、
「だけど、21歳は遅すぎる」
とさらなる精進を求めます。
15年1月場所、18歳5カ月で新十両に。8場所連続で関取を死守しましたが、故障で幕下陥落を経験しています。ところが、16年夏場所は、幕下全勝で、十両へ復帰。2度の負け越しはあったものの、5場所で新入幕を果たし、176センチの小兵力士とはいえ、宇良、遠藤、石浦などともに将来性を高く評価されているのです。
今場所は「弟のために頑張る」と宣言。そうはいっても、弟は20歳も下ですが…。おじいさんのすすめで相撲をはじめたのは5歳からでした。小学校で全国優勝。中学では無差別級の全国大会で連覇を成し遂げました。小学1年から、たびたび、青森から上京し、阿武松部屋で合宿をしています。そうした縁で、三本木農業高を中退して、13年1月、初土俵を踏んでいます。
貴乃花グループの阿武松親方は、
「泥だらけになって、一番けいこをする力士になれ」
と繰り返してきました。高校卒業を待たずに中退をすすめたのも親方で、手もとにおいて、すべて面倒をみたくなるほど、ほれ込んだわけです。
しかし、皮肉なことに阿武咲が目標としているのは、貴乃花。
「子どもの頃から力士はとても格好いいと思った。入門する時は、立派な男になる、と誓ったことを忘れてはいません。今は、うれしくて仕方がない。ワクワクしている。テレビで見ていた方と、対戦できるわけですから、早く(秋場所の)初日を迎えたい」。
3場所連続の2ケタともなれば、スター力士の仲間入りです。
8月30日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」