大相撲名古屋場所は、白鵬が日馬富士を破って2場所連続優勝を飾りました。通算39度目の優勝に加え、13日目に史上1位となった通算勝利数も1050勝へ伸ばしています。また、その強さ以上に際立ったのが優勝インタビューでした。1958年に初開催となった名古屋場所。その最初の優勝者である初代若乃花との隠されたエピソードを明かすなどノリノリのトークでした。
「名古屋のみなさん、サンキュー」
意表をつくひとことは自身の通算優勝回数にかけたものです。さらに初代若乃花が26年前、モンゴルを訪ねて父のムンフバトさんと対談。その際に6歳の白鵬がもらったのは、うまい棒でした。通算60回目の名古屋場所で、
「大記録を達成できて、縁を感じております。名古屋の皆さん、熱い15日間をありがとうございました」
と締めくくる記憶に残るあいさつです。
このところ白鵬は積極的に話題を提供。報道陣が喜ぶような含蓄のあるトークを展開することが多い。話題を率先して、発信。相撲人気をさらに盛り上げようと努力がうかがえます。若手の高安や御嶽海が台頭してきたことについて、
「彼らは90年代(生まれ)の力士。おれたち、80年代(生まれ)の男たちが強かったことを証明したい。それが自分たちの存在を永遠にするものだ」
と話していました。
そして、リオデジャネイロオリンピック、柔道男子100キロ超級銀メダルの原沢久喜が宮城野部屋へ体験入門すると申し合いで白鵬が胸を貸した。
「動かない。かなわない。人生で初めて、あんなに軽々と持ち上げられました」
と原沢。圧倒的な強さに驚きを隠せない様子でした。
モンゴルの軍隊式トレを導入した他、ハンドル付きの円形ダンベルを後ろ手で持ち、すり足を行う。今までお目にかかったことがないトレーニングの数々を披露しています。相撲の基本に独自の考えをプラス。新しいものが好きということは、超一流のアスリートの共通点ですが、
「わかる人にしか、わからない」
と意味深長な笑みを浮かべています。
一方で、あまり知られていない所ではけいこの後、ファン対応がルーティンとなっている。時間の許す限り、サインはもとよりツーショット撮影まで。
「これも、横綱のつとめだから」
と話しているのは立派なところでしょう。
7月24日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」