オリンピック開催地問題~東京オリンピックの成功が鍵
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9/14(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
フランス・パリとアメリカ・ロサンゼルスにそれぞれ決定
7:17~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)
開催都市の立候補が2都市だけという異例の事態
IOC(国際オリンピック委員会)は、ペルーのリマで総会を開き、2020年東京オリンピックの次である、2024年大会を、フランスのパリで、2028年をアメリカのロサンゼルスで開催することを正式に決めました。2大会同時決定は、オリンピック招致の深刻な冷え込みを受けた異例の措置で、パリは100年ぶり、ロサンゼルスは44年ぶりの開催となります。
東京の次の2024年オリンピックの招致は、当初はパリとロサンゼルスを含む5つの都市が立候補していたのですが、財政負担に対する住民の反発などで、ローマ、ハンブルク、ブタペストが相次いで撤退しました。そして、2つの都市しか残らないということで、IOCは通常、大会の7年前に開催都市を選んできたのですが、開催能力の高いパリとロサンゼルスの両方を確保しようということで、今年7月のIOC臨時総会で、同時決定案を承認しました。
その後、ロスが2028年の開催を受け入れていました。そして日本時間の今日未明のIOC総会では、満場一致で「2024年はパリ、そして2028年はロス」と正式に決定しました。
バッハ会長は、「この歴史的な2大会同時決定は、IOCと両都市にとって、「ウィン、ウィン、ウィン」の状況だ」と歓迎しています。
フランスのマクロン大統領は、「予算管理に配慮し、環境への悪影響を抑え、安全に開催する」と大会成功に自信を示しています。
パリは、エッフェル塔周辺や、シャンゼリゼ通りなどの観光名所が競技会場となる計画。ロサンゼルスは、会場の97%が、既にある施設や、仮設の施設でコストの削減を実現するとしています。
開催都市の立候補が2都市だけという異例の事態
高嶋)IOCにも何となく、焦りを感じませんか?「パリ、ロスに逃げられたら大変だ」と。
山本)「逃げないで」とダブルで止めましたね。
高嶋)そもそも、規模が大きすぎるようになったと思いませんか?
山本)それが、前回のロサンゼルス大会(1984年)で、それまで「儲からない五輪」だったのを、「魅せる、儲かる五輪」にしたわけです。ピーター・ユベロス委員長ですね。
「基本的精神がなくなった」と言うとお叱りが来るのですが、今回2大会同時に決まったのも、裏返せば、これは「大会が大きくなり過ぎて、開催できる都市が本当に限られてしまった」ということの表れですよね。
高嶋)世界情勢から、「警備の重要性」みたいなものも、年々高まって行くし……
山本)特に、パリ大会は直近でテロの心配が当然あります。
高嶋)こういう風に考えると、2020年の東京オリンピック。これも何としても成功させなければいけませんが、東京オリンピックについて、その後どうですか?
山本)冒頭の話にあった「おもてなし」の熱気が冷めたというのは、ひとえに、当初みんなが考えていたものと違う会場の規模や、お金の使い方になってしまったのを、みんなが「えぇっ……」と引いてしまった、というのが正直言って、あると思います。
高嶋)世界選手権とオリンピック、両方やる必要はあるのでしょうか?
山本)極論を言うと、オリンピックを当初の理想に返って、アテネにずっと固定化してやったらどうだろうと思います。極論ですが、それくらい逆説的に考えなければいけない時期になってきているのかもしれない。「あんなにデカいオリンピックは必要なのか?」というのは命題ですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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