10/31(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②
トランプ大統領訪中へのお土産という見方も
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)
金漢率氏殺害の目的で工作員2人が拘束~中国にある2つの北朝鮮拠点とは
韓国の中央日報によると、マレーシアで2月に殺害された金正男氏の息子・漢率(ハンソル)氏を殺害する目的で中国国内に入国していた北朝鮮の工作員2名が中国当局に拘束されました。ジャーナリストで拓殖大学教授の富坂聰氏は中国に2つある北朝鮮の拠点の存在について解説します。
高嶋)実は韓国の新聞「中央日報」が30日に「マレーシアで2月に殺害された北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏の息子・漢率(ハンソル)氏を殺害する目的で中国入りしていた北朝鮮工作員2人を、スパイ活動を取り締まる中国国家安全省が拘束した」と報じています。どうやら7人いたらしいのですが、捕まったのは2人ということなのですが、こらが一体何を意味するのか。
漢率氏というとお父さんが殺害されたときにビデオで登場して「自分はいずれ北朝鮮に戻って、国民の為に、民主化の為に働くのだ」というようなことを言いました。
金正恩委員長とは叔父さんと甥の関係なのですね。これはどう思われますか?富坂)これはいろんな見方ができると思いますけど、そもそも北朝鮮の一番の情報収集や工作の拠点というのは香港だったのですよね。これは長いことあったのですけど、中国が経済発展して民主化していく過程で北京に移っていくのですよ。だからこの2つの拠点というのがあって動いていたわけですけど、そういう中で中国は元々北朝鮮のこういう動きをものすごく警戒していて、私たちもよく取材に行ったのですけど、北京にスイスホテルというのがありまして、そのホテルの裏にオフィス棟があるのですけど、そこに高麗航空など北朝鮮の全ての主要な商社が入っていた時代があったのです。
だけど中国はそれを警戒して散らしたことがあるのですよ。そのきっかけになったのが2007年くらいの韓国と北朝鮮の水面下の戦いが北京でものすごいことになっていた時代があって、韓国の人たちが拉致されるところなどを途中で見つけるようなことがあったようなのですね。そういう水面下の戦いがあって結局散らしたわけですけど、その時から中国はものすごく警戒して見ているのです。
実はこの拠点に打撃を与えるということが石油を止めるよりもおそらく効果的なので、真偽も含めてまだ経過は見ないといけないのですが、ひょっとするとこれはアメリカに対するアピールもあるのではないかと私は思いますね。高嶋)この漢率さんという、顔も出していた金正男氏の息子で金正恩氏の甥ですが、別に中国にいるというわけではないのですか?
富坂)それは分からないですね。
高嶋)どこにいるかは分からないと。アメリカに行ったという話もありましたよね。噂ではいろいろと。
富坂)そうですね。まあアメリカに行ったらもう少しメディアに露出するのかなと思うのですけど、ただ外にある北朝鮮の反政府勢力が彼を利用しようとしていますので、それに対して北朝鮮は非常に敏感になっていますね。
北朝鮮国外の反政府勢力の存在~漢率氏は民主化の“象徴”になりかねない
高嶋)北朝鮮の外にある反政府勢力というのは相当大きいのですか?
富坂)どんどん出て来ていますから、おそらくどんどん大きくなっているわけですよね。だから向こうが少し神経質になるのも分かるし、更に言うと在外勢力というのは時々本国に大きな打撃を与えていて、例えばイラク戦争なんかも外にあった反フセイン勢力のアフマド・チャラビーさんがアメリカを騙して戦争をやったとも言われているくらいなので、そういうことが起きかねないということで警戒しているということですね。だから漢率氏はこの“象徴”になりかねないということですね。危ないと言えば危ないです。
ただ今回中国がやったというのは、意図しているのは本当に具体的なものなのか、それともトランプさんの訪中前ですから、ある意味で少し“お土産”を持たせるというか、中国がきちんとやっているということのサインとしてのものなのか、まだ判然としないですね。高嶋)意味合いはいろんな方向に波及するのですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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