DVDレンタルでもネット配信でも観られない 消えゆく青春映画、名作映画

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秋の夜長。青春時代に観た懐かしの映画を、テレビ桟敷で愉しもう… というヒトも多いことでしょう。ところが… いま、そうした「過去の名作映画」の数々が、どんどんと観られなくなりつつある…という話をご存じでしょうか?

「過去の名作映画」を観ようと思い立った場合、いろいろと手段がありますよね。まず、いちばんカンタンなのは、やはり、「レンタルショップで借りる」という方法でしょう。大抵のヒトたちは、この方法を選んでいるのではないでしょうか。

ところが… その名作映画が、もしも、DVDになっていなかったとしたら???ビデオ化はされていたとしても、DVD化はされていなかったとしたら???DVDになっていないわけですから、当然、DVDのレンタルショップでは、借りられません。実は、こういうケース、意外と多いんです。

たとえば、1977年の大ヒット作品で、日本では「(当時の)文部省特選作品」として公開された、『ジョーイ』というタイトルのアメリカ映画。

DVDレンタルでもネット配信でも観られない 消えゆく青春映画、名作映画

amazonより引用

 

「70年代でもっとも泣ける映画」とも呼ばれた感動作でして、当然、ビデオ化されました。ところが… ビデオ化はされたものの、その後DVD化はされなかったもんですから、現在、レンタルショップでは、事実上、「幻の作品」となってしまっているんです。ロサンジェルス・ラムズのフットボール選手と、不治の病に侵された幼い弟の交流を描いた『ジョーイ』。日本では何度もテレビ放映された人気作品ですが、なぜかDVDにはなっていません。ビデオ版のパッケージには「文部省特選」との文字が踊っていますが… 「文部省」(現在の文科省)という言葉と共に、映画のほうも「幻の作品」に。
このように、「ビデオ化」はされたものの、「DVD化」はなされないまま、レンタルショップで借りるのが困難となってしまった作品は、枚挙にいとまがありません。80年代のアイドル映画は、たいてい、こういった「悲運」に見舞われています。たとえば… こちらの作品もそうです。1983年公開、興行収入12億円を突破した大ヒット映画。
当時アイドル人気絶頂にあった松田聖子さんの主演作品、『プルメリアの伝説 天国のキッス』。やはり、ビデオ化はされたものの、その後DVD化されず、レンタルショップでは、幻の作品となってしまっています。

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amazonより引用

そのほか、有名なところでは、やはり松田聖子さんの主演作品『夏服のイヴ』…あるいは、アイドル時代の小泉今日子さん主演作品『生徒諸君!』なども、ビデオ化されただけで、DVDにはなっていません。

折も折、去年の7月一杯を持ちまして、国内のVHSビデオデッキの生産が終了。完全に「ビデオの時代」は終わりを告げました。ですから…もしも「アイドル映画のビデオ」を持っていて、久しぶりに観てみようか!と思ったとしても、今度はビデオデッキがなくて、見られない!… ということにもなっているわけなんです。

さて… 懐かしい昔の映画を自宅で観ようと思ったら、レンタルショップで借りるという方法以外にも、違う手段があります。それは… いまハヤりの、「ネット動画配信」で観る… という方法です。

「ネット動画配信」とは、なんぞや?カンタンに言うと、インターネットで動画を有料で配信してもらいまして、スマホやパソコンで観る… あるいはネットに繋がったテレビで観る… という方法です。そして、自宅での映画鑑賞は、むしろこっちの方法が主流になっていくと言われているんです。

この動きに大きく拍車をかけたのが、ネット動画配信の“黒船”「ネットフリックス」です。この「ネットフリックス」、昔の映画の動画配信サービスをおこなっているだけではありません。『ハウス・オブ・カード~野望の階段~』(ケビン・スペイシー主演)などなど、莫大な製作費を投じたオリジナル作品をガンガンと作りまして、これも、ドーンとネットで配信!いまや、日本も含め全世界130カ国以上、1億人以上の会員がいる… とされています。さらに、「Hulu」「Amazonプライム・ビデオ」といった動画配信サービスも人気を集めておりまして、いまや群雄割拠の体をなしているんです。

じゃあ…この「動画配信サービス」さえ使えば、あらゆる映画が観られるんじゃないのと思うでしょう。ところが、そうは問屋が卸しません。こうした、「映画の動画配信サービス」は、多くの場合、ネット世代に目が向いているんです。要するに、半世紀ほど昔のクラシック映画は、品揃えが余りない… というのが実情なんです。

大手の某動画配信サービスを例にとりましょう。たとえば、アカデミー作品賞受賞作品に限ってみても…『八十日間世界一周』(1956)『波止場』(1955)『地上より永遠に(ここよりとわに)』(1954)このあたりのアカデミー賞作品は、軒並み、動画配信されていません。

さらに、「サスペンスの帝王」、アルフレッド・ヒッチコック監督の作品も、配信されていません。『北北西に進路をとれ』(1959)も入っていません。『鳥』(1963)もありません。そしてなんとなんと… ヒッチコックの代表作『サイコ』(1960)も、入っていません。それなのに…『サイコ』の主人公、ノーマン・ベイツの若い頃を描いたテレビドラマシリーズ、『ベイツ・モーテル』(2013~2017)は、なぜか、動画配信されているんです!

いったいなぜ、このような現象が起こっているのでしょうか? これは、ひとえに、「需要と供給の問題」だといわれています。クラシックな映画は、デジタル化を含めた生産コストが高くつきます。そして、映画会社から権利を買い付けるのにも、何かとコストがかかります。

「そもそも、映画のオールドファンは、ネットの動画配信で映画を観たりしないだろう…。」そんな思惑のもと、「だったら、最初から配信しないでおこう!というワケのようなんです。これも時代の流れでしょうか。VHSデッキの生産終了に伴い、観られなくなった映画もあれば、企業としての当然の論理から観られなくなった映画もある…

「名作映画、青春映画が観られなくなりつつある…」というお話でした。

 

11月15日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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