打倒中国卓球!日本の新リーグは成功するのか!?

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日本の卓球、ここ数年で飛躍的に強くなったと感じませんか。水谷隼選手、張本智和選手、石川佳純選手、平野美宇選手…世界を舞台に活躍している選手の名前もどんどん出てきます。

そんな中で報じられたのが、世界最高峰の「中国スーパーリーグ」に外国人選手が参加できなくなったというニュース。石川選手や平野選手も参戦予定でしたが、断念することになったんですね。でもこれ、すべての外国人選手は参戦できない…というのは建前で、本音の部分は「日本人選手の締め出し」だと言われています。

いまの日本は 世界チームランキングで男女ともに2位。1位の中国としては、日本人選手にこれ以上強くなられるとヤバイ…と焦っているわけです。これまで日本のトップ選手は、男子ならドイツやロシア、女子なら中国のリーグで世界のトップ選手と戦い力をつけてきた経緯もありますから、日本の卓球界全体を考えると、「世界と戦う場所を常に確保すること」は、大きな課題でもあるんですね。

水谷隼

卓球「ライオンジャパンオープン荻村杯」4日目 男子シングルス準々決勝 ○水谷隼 対 李尚洙(韓国)× バックハンドを決める水谷隼=2017年6月17日、東京都渋谷区の東京体育館 写真提供:産経新聞社

そんな中、いま「日本に世界最高峰の卓球リーグを作ろう」と進められているのが、来年秋に開幕が予定されている「Tリーグ」です。Tリーグは、「Tプレミア」を頂点にJリーグのようなピラミッド構造をつくり、世界の強豪選手の戦いを見せることで、日本の卓球を強く発展させていく計画。今こそ、トップ選手の試合を魅せるリーグを日本に作ろうというわけです。

現在の構想では、Tリーグは個人戦ではなく団体戦になる予定。1チームは6人以上で、チーム同士が半年にわたって争う形式ですが、何をもって世界最高峰とするかが大きなポイント。

その条件としてTリーグ掲げているのが「チームに過去2年以内に世界10位以内にランクインした実績があるなど、世界トップクラスの選手が1名以上所属すること」というもの。とにかく「世界レベルの選手がいないチームは参戦できない」わけです。

でも これ、実現できるかはこれからです。世界には、ドイツ、ロシア、フランスなど、様々な国に卓球のプロリーグがあり、それぞれにトップ選手が参戦。トップ選手は引く手あまたという状態。

またTリーグでは中国の選手にも来てほしいと、中国スーパーリーグと日程をずらしていますが、スーパーリーグの年棒は5,000万円とも言われ、これを越える金額を用意できるのか…という心配もあります。

基本的に、卓球選手の場合、日程が重ならなければ、他のリーグとの掛け持ちもOKなので、参戦する選手もいると思いますが、世界最高峰を掲げるためには、どれだけトップ選手を集められるのかが、成功への大きなポイントになります。

また来年秋に開幕を予定しているTリーグですが、現在の懸念材料は他にもあって…もともと、Tリーグ構想は、日本卓球リーグ実業団連盟が運営している、現在の「日本卓球リーグ」をベースに運営される予定だったんですが、実業団連盟が、2018年からの合流を見送り。合流するとしても、2021年以降になる…としているんですね。

連盟としては2018年・2019年のスケジュールも決まっているし、所属選手の条件や、Tリーグへの入会金2,000万円、2,000人規模の会場の確保といった条件もあり、すぐに「全チームが合流する」とは言えないのが実情なんですね。日本の多くの選手が日本卓球リーグに所属する実業団や大学でプレーしている状況で、連盟が合流できなくなったのはTリーグとしてはかなりの痛手といえるかもしれません。

ただ連盟側も「全面的に合流できない」としながらも、「日本リーグに所属しているチームが個別にTリーグに参戦するかどうかは、チームの判断に任せる」としています。

Tリーグへの参加の申請は今月いっぱいとなっていて、すでに水谷選手や張本選手が所属する「木下グループ」が正式に参加申請をしていますし、日本卓球リーグに所属する「日本生命」も前向きに参加の意向を示しています。日本生命は日本卓球リーグで最多優勝を誇るチーム。日本リーグ所属で前向きな姿勢を示したのは初めてですから、これに追随する形で、参加を検討するチームが他にも出てくるとみられます。

正直、Tリーグが無事に発足できるのかどうかは、わかりません。現段階では、参戦するチームが集まるのかもわかりませんし、観客を呼べるような世界のトップ選手が集うのかもわかりません。実際、日本の第一人者である水谷選手は「Tリーグの情報が選手におりてこない。不安です」とコメントしています。

ただ、サッカーのJリーグ、バスケットのBリーグのように、卓球の世界もプロが活躍できる頂点を作ってその裾野を広げて、卓球界全体を盛り上げていく時期に来ているだと思います。

今回のTリーグ、世界のトップ選手の戦いが日本で見られるというのも1つの売りですが、全体としては「地域密着」「次世代育成」を掲げています。様々な地域にチームを作り、若い世代がそこで卓球をして成長したり、地域の人がそのチームを応援する、そういう光景を目標としています。

その「裾野を広げたい」という思いが強く表れているのが、Tリーグの参加チームに課せられている「6歳以下の卓球スクールの創設」

平野美宇

小中高の卓球選手を指導する平野美宇選手、感想は「緊張しました」=2017年8月22日、甲府市小瀬町 写真提供:産経新聞社

中国では国家全体で幼少期から卓球選手を育成していますが、日本では福原選手や平野選手、張本選手のように親が卓球をやっていた…という状況にないと、なかなか幼少期から卓球に触れる機会がありません。

日本の卓球界で次世代のスター選手を育成していく為には、「地域で子供が卓球に触れる機会を増やす」「幼少期から卓球をすることでエリートを育成する」、これを実施していくことが大切だということです。

今回のTリーグ構想、日本の卓球界を変える大きな事業です。そのためには、来年秋からはじまるトップ同士の戦い「Tプレミア」がうまくいくことが大切です。子供たちが憧れるような試合ができるのか。日本の卓球界の行く末、どうなるでしょうか。

平野美宇

卓球「ライオンジャパンオープン荻村杯」3日目 女子シングルス1回戦 ○平野美宇対徐孝元(韓国)×=2017年6月16日、東京都渋谷区の東京体育館 写真提供:産経新聞社

11月16日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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