めざせ球速130キロ! 4大会連続世界一「女子プロ野球」の今
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プロ野球、なんの因果か偶然か…今年は、「3つのチームが全く同じ日に優勝直前マジックを点灯させていた」という話をご存じですか?いや、言い間違いではなく、ホントに「3つのチーム」なんです。
先週土曜日、9月16日の時点で、セリーグは、「広島東洋カープ」がマジック1。同じ日、パリーグは、「福岡ソフトバンクホークス」が同じくマジック1を点灯させておりました。でも、もうひとつ…「兵庫ディオーネ」も、優勝に王手をかけていたんです!
耳慣れないこの「兵庫ディオーネ」。… 実は実は…何を隠そう、「女子プロ野球」のチームなんです。
「スポーツの秋」。今日は、人気が右肩上がりという「女子プロ野球の今」を御紹介しましょう!
女子プロ野球、「日本女子プロ野球リーグ」は、7年前、2010年に産声を挙げました。スーパーバイザーは、“元祖甲子園のアイドル”、元近鉄の太田幸司さん。顧問は参議院議員の橋本聖子さんが務めているといいますから、なかなかしっかりとした組織ですよ。
で、毎年、日本各地の4チームが、優勝を目指して凌ぎを削っています。チーム名は、「京都フローラ」「兵庫ディオーネ」「埼玉アストライア」「東北レイア」。いかにも、「見目麗しい乙女」… といった感じがいたしますね。ちなみに、埼玉アストライアの「アストライア」は、ギリシャ神話の女神のこと。
ちなみに女子選手の収入なのですが、一律平均で年俸「約200万円」と言われています。つまり、バイトをやらずとも、なんとか「野球一本」でも食っていける…これはスゴイじゃないですか。成績で年俸が上下することはありませんが、契約解除となることはあるそうです。
じゃあ、肝心の「実力」のほうは、いかほどなのか?実はコレが、世界でも屈指の高レベルと言われているんです!
女子野球の世界でも、WBCならぬ「WBSC」(※ World Baseball Softball Confederation)という、野球世界一を決める国際大会が開かれているんですが…女子プロ野球から選抜された日本代表チームは、なんと!「4大会連続」で世界一に輝いているんです!すでに、全体的な実力のほうは、折り紙付きといっていいでしょう。
では、プロの世界に必要な「スター選手」は、育ってきているのでしょうか?
たとえば、関東の星、「埼玉アストライア」の選手を例にとりますと…主砲・楢岡美和選手の持ち味は、豪快な「一本足打法」!
バッターボックスに入っただけで、大歓声が巻き起こります。
首位打者を獲得したこともある川端友紀選手もスター選手のひとり。センスがあるのもう当然でして… 実は、ヤクルトの川端慎吾選手の妹さんなんです!
オフになると、おにいさんと一緒に自主トレをおこなっているそうですよ。
さらに… やはりやはり、「美しすぎる女子プロ野球選手」と呼ばれるヒトもいる!それが、「埼玉アストライア」の外野手、加藤優選手。
女子プロ野球がらみのイベントでは、ひっぱりだこの人気選手です。
こうして、徐々にではありますが、スター選手も育ってきたんですが…主催者サイドとしては、もっともっと、観客動員を増やしたい!現在のところ、1試合平均の観客は、700人程度。一部のマニアには人気があっても、一般のプロ野球ファンの大量動員には、まだほど遠い…。いくら選手がキレイだったりカワイかったりしても、所詮は限界がある…。野球の観客を呼ぶには、どうすればいいか?
「やはり、プロ野球の花は… ホームランと、ピッチャーの球速だ!」
そんな意見が出ました。
そこで… 日本女子プロ野球リーグは、一計を案じまして、ひとつの大目標を掲げたんです。
ひとつめは…「球速130キロを超えるピッチャーの誕生」!
男子選手の平均球速が140キロなのに対し、女子選手は、平均球速110キロにとどまります。女子選手で最速を誇る京都フローラの小西美加投手でも、126キロです。スタジアムには、スピードガンの球速が表示されますから、やはりどうしても見劣りしてしまう。そこで、なんとしても、球速130キロを超える選手を育てようということになったんです。
このプロジェクトでは、元オリックス・バファローズ投手の松村豊司さんが統括ヘッドコーチに就任。選手たちのトレーニングデータを、体育大学の研究センターが細かく分析しまして、基礎体力と筋力を効率的にアップさせるトレーニングを、実施しはじめたんです!
そして、もうひとつの目標は…「年間ホームラン、5本以上を打てるスラッガーの誕生」!
女子プロ野球では、年間約50試合のうち、ホームラン数が多い選手でも年間2本。女子選手が「ホームランを打つこと」自体、なかなか難しいのが現状なのだそうです。
大きな理由は球場の広さ。どこの球場も、両翼が100メートル前後で、男子とかわりません。当然、男子選手と同じ飛距離を打たなければホームランにならず、女子にはキビしい…。そこで、これまたリーグをあげて、最新の科学的トレーニングを、全選手に課しました!
このプロジェクトがスタートしたから、8カ月。まだ、目に見える結果は出ていませんが、全選手の基礎体力とパワーが向上!ごく近い将来、「球速130キロ」と「年間ホームラン5本」が達成されるのはほぼ「確実視」されているといいますから、なんとも頼もしいじゃありませんか!
最後に、われわれ大人が気付いていないうちに、女子プロ野球が、チビッ子たちの世界に受け入れられている… というお話を!
今年の夏、野球ゲームの代名詞的存在、「ファミリースタジアムシリーズ」の最新作、『プロ野球 ファミスタ クライマックス』というゲームが発売されました。もう、野球好きのチビッ子たちは、このゲーム、み~~んなやってるそうです。
で、このシリーズでは、実在のプロ野球選手たちを、実名で使うことができるのですが…驚くなかれ!今回は、史上初めて、「実在の女子プロ野球選手たち」を使うことができるようになったんです!
ジワジワと人気の裾野を広げている、ニッポンの「女子プロ野球」。男子の野球も、ウカウカしていられません!
9月20日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00