きのうの日本時間午前10時、あなたは何をしていましたか?
世界中の格闘技ファンが固唾を呑んだ世紀のビッグマッチが、アメリカのラスベガスで行われていたんです。
ボクシングの元世界チャンピオン、フロイド・メイウェザー対、総合格闘技の現役チャンピオン コナー・マクレガー戦。
フロイド・メイウェザー・ジュニア。
史上初めて無敗のまま5階級制覇して2年前、49戦49勝、無敗のまま現役を引退した伝説のボクサー。
通称フロイド“マネー”メイウェザー。金の亡者。
アメリカの雑誌フォーブスによると、生涯で得た報酬およそ800億円。
2年前の、パッキャオとの世紀の一戦で得たファイトマネーは280億円と言われている。
ボクシング好きのわたしからすると・・・49勝のうち KOは26試合。つまりおよそ半分が判定勝ちだった。
あまり見ていてドキドキするボクサーではなかった。
その、2年前に引退したはずのメイウェザーを再びリングに立たせた相手というのが、ボクサーではなく、世界一の格闘技団体UFCで史上初ライト級とフェザー級の2冠に輝いたコナー・マクレガーという格闘技選手。
つまりボクサー対総合格闘家。ルールは「ボクシングルール」でした。
メイウェザーが現在40歳に対してコナー・マクレガー29歳。アイルランド出身。
ニックネームはノトーリアス。意味は「悪名高い」だそうです。
アイルランド移民が多いアメリカでは絶大なる人気を誇っていて、格闘技の基礎はキックボクシング。
写真を見ると、胸には「王冠をかぶり、心臓を食べるゴリラの顔」のタトゥーお腹には「虎」のタトゥー。
去年の年収は3,400万ドル(およそ37億円)。これは総合格闘家では世界1位。
ちなみに総合格闘家でデビューする前は、生活保護を受けていた苦労人。
現在はベッドルーム6つある、ラスベガスの大豪邸に住んでいます。
つまりボクシングで最も金を稼いでいた男と総合格闘技で最も金を稼いでいる男の、対決だったんです。
それにしても無敗のまま引退したメイウェザーがなぜ、試合をするのか、私にはわからなかった。
アメリカでの報道によると、メイウェザーが2015年度分の税金2,220万ドル(およそ24億円)を滞納中。
国税局に対して、マクレガー戦の後に支払うと言ったとか。なるほどねえ。
ではいったい、今回、どれぐらいのお金が動くのか?
まずは今回のチケット。
会場はラスベガスのTモバイルアリーナ。集客人数およそ2万人。
一番高い、リングサイドがおよそ100万円。一番安い席で5万円、チケットの総額で5,000万ドル(54億5,000万円)との試算が発表された。
現在のボクシングしかり、総合格闘技UFCしかり、この入場料金で稼ぐビジネスモデルは、とっくに終わっている。
ではいったい、何でお金を稼ぐのか?「PPV(ペーパービュー)」なんです。
2015年のメイウェザー対パッキャオ戦、アメリカ国内だけのペーパービュー視聴件数440万件。売り上げ440億円。
今回「ペーパービュー」視聴者数を増やすためにことしの7月、メイウェザーとマクレガーのふたりはロサンゼルス、カナダのトロント、ニューヨーク、そしてロンドンの4大都市でPRツアーを行いました。
アメリカの大統領選さながらに、バスケットボールの会場に多くのファンを集めお互いをののしるマイクパフォーマンスを展開しました。
きのうの試合は、アメリカ国内では「SHOWTIME」というケーブルテレビ局がネット配信の有料放送。金額はおよそ1万円。
これまでマクレガーのUFCの試合のペーパービューの最高件数は160万件。
今回はボクシングファン、そして総合格闘技ファンどちらも視聴するとあって、フォーブスの予想では500万件との予想も出ていました。
視聴者数の結果はまだ発表されていません。
最終的なファイトマネー、いったいいくらになるのやら!
お金の話ばかりしましたが、試合の結果はメイウェザーが10ラウンド1分5秒、レフェリーストップによるTKO勝ちを収めました。
8月28日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
高嶋ひでたけのあさラジ!
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