さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。
今回は7月21日から公開の『ビニー/信じる男』を掘り起こします。
マーティン・スコセッシ製作総指揮、どん底から王座奪還を目指した伝説のボクサーの物語
ロードアイランド州出身で自惚れの強いビニー・パジェンサは、パズマニア・デビルの異名を持つボクサーで、世界スーパーミドル級のチャンピオン。
ある日、交通事故で首を骨折し瀕死の重傷を負ってしまう。医師からは選手生命の終わりを告げられ、プロモーターやガールフレンドは二度とリングに上がることはないであろうビニーのそばから離れて行ってしまった。
やがてビニーは、治療のためにベッドに横たわるだけの日々に疑問を抱くように。自らの復活を信じるビニーは、トレーナーのケビンを説得し家族の反対を押し切って、トレーニングを開始。
事故から1年を過ぎた頃、彼はスーパーミドル級チャンピオンのロベルト・デュランとの対戦を目指していた…。
洋邦を問わず、ボクシング映画には名作が多くあります。
ボクシング映画の場合、主軸となるのは多くの場合が、主人公の復活劇。
あらゆる事情でどん底まで落ちたチャンピオンが再起を賭ける姿は、観る者のカタルシスや感動を呼び起こし、それ故、ボクシング映画には特有の爽快さと生命力が満ち満ちています。
本作『ビニー/信じる男』も、その数々の名作に並び称されるボクシング映画。
首の骨折という二度とボクシングの出来ない体になりかけた主人公の復活劇、しかも実録モノなんです。
五度の世界チャンピオンに輝いた、アメリカが生んだ偉大なスーパースター、ビニー・パジェンサの壮絶な復活劇を映画化することを熱望したのは、巨匠マーティン・スコセッシ。
彼の製作総指揮の元、アメリカ映画界の才能が集結しました。
ビニーを演じるのはマイルズ・テラー。
まるでビニー本人が乗り移ったのではないかと思うほどの緊迫感あふれる演技には、カリスマさえ感じらさせれます。
ビニー本人もマイルズ・テラーの演技を大絶賛。
「ワイルドでクレイジーな俺のボクシングスタイルをよく演じている」と太鼓判を押すほど。
そしてトレーナーのケビン役には、アーロン・エッカート。
「世界で最も美しい50人」にも選ばれるイケメン俳優が、約18kgも増量し頭を剃りあげるという変貌ぶりにも注目です。
そして脚本・監督は『マネー・ゲーム』のベン・ヤンガー。
魂震わす感動の軌跡を、よりドラマティックに描き出しました。
ビニー・パジェンサの命を賭けた再起を支えたのは、信じる力。
家族もトレーナーも恋人もメディアも、誰もが彼の選手生命は絶たれたと思うなか、それでも彼だけは再起の可能性を信じ続けた。
狂気とも呼べる“信じる男”のエネルギーは観る者に、自分の生き様と向き合う勇気を奮い立たせてくれることでしょう。
ビニー/信じる男
2017年7月21日からTOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
監督・脚本:ベン・ヤンガー
製作総指揮:マーティン・スコセッシ
出演:マイルズ・テラー、アーロン・エッカート、ケイティ・セイガル、キアラン・ハインズ、テッド・レヴィン ほか
©BLEED FOR THIS, LLC 2016
公式サイト http://vinny-movie.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/