東京2020オリンピック・パラリンピックまであと3年を切ったわけですが・・・大会2年前の来年、募集になるものがあります。選手として出られなくても、何らかの参加が出来る、そう、「ボランティア」です。
大会組織委員会のHPを見ますと、ちゃんと書いてあります、「来年2018年の夏、東京オリンピックのボランティア募集開始予定」!ですから、「ボランティアで参加したい」と思っているあなたはそろそろ準備をしなくてはいけない、ということになります。
オリンピックのボランティア募集人数は9万人強。覚えておいていただきたいのが、『2種類のボランティアがある』ということです。
一つは、「会場や選手村でのボランティア=大会ボランティア」8万人。そしてもう一つが「駅など会場の外で、観光案内や交通案内をするボランティア=都市ボランティア」1万人。
会場の外の「都市ボランティア」は、東京都の管轄で運営します。そして特に枠が多い8万人の「大会ボランティア」を募集・採用するのは東京オリンピック・パラリンピック組織委員会。枠も多いわけですし、一生に1回のオリンピック、せっかくならこちらをやりたい、と思う方も多いことでしょう。
では、8万人の仕事の内訳ですが、「会場内で観客や大会関係者を誘導する」「競技を終えた選手に対してドーピング検査員が検査を実施するためのサポートを
行う」「会場やプレスセンターなどで大会を取材する各国メディアの取材活動をサポートする」「選手が快適な競技生活を送ることができるようにハウスキーピングのサポートをする」・・・
どうですか?!たくさんある仕事のほんの一部ですが、これだけでも、会場や選手の熱気を直接感じられる仕事というのがよくわかりますよね?!
ボランティアは・・今のところ高校生は不可、1日8時間、10日間程度で、来年夏の募集後、面接を経て決定されます。
ではどういう人が望まれているのでしょうか?例えば、ですが・・・「オリンピック競技に関する知識や観戦経験がある」「日本語や、英語やその他の言語が話せる」「コミュニケーション能力がある」そして大切なのが「スポーツボランティア体験をはじめとするボランティア体験」。
そんなことを言われても何から手を付けていいのかわからないという人のために・・・23区と都下の自治体と東京都が協力して、各地で「ボランティア育成講座」を行っているのをご存知でしょうか。東京都内だけでなく、千葉でも同様の講座があります。
目指す目標は、街中で困っている外国人を見かけた際などに、簡単な外国語で積極的に声をかけ、道案内などの手助けができるボランティア。
講座では・・外国人とのコミュニケーション方法、おもてなし法、街で困っている外国人を助けるのに役に立つ英語の勉強など、理論編と実践編の両方をみっちり学ぶことができます。そして素晴らしいことにたいていが無料!
現在のところ、時間のある中高年が申し込むことが多く、カルチャーセンター代わりに通う、という面もありますが・・・ボランティアへの第一歩となるため、大変好評。気になる方は、自分の自治体のHPで、講習の開催日程や募集の日程を調べてみてはいかがでしょうか。
そして“オリパラで何かをしたい”と思うなら、今のうちに、直接“スポーツに関わるボランティア”を体験してみるのが何よりの近道です。
毎年冬に行われる「東京マラソン」。そのボランティアの募集が10月上旬から始まります。毎年半分の人が“初めてボランティアに参加する人”。ですから、初心者は大歓迎だといいます。
ネット上で、東京マラソン財団のオフィシャルボランティアクラブの「ボランテイナー」に登録してから、応募するというシステム。東京マラソンは大きい大会ですから、マラソン当日と、その前3日間にわたって行われるお祭り「東京マラソンエキスポ」の合わせて4日間、ボランティアの仕事があります。1日だけ参加してもいいし、全部でもいい。
ボランティアですから給料はないのですが、「ボランティア」と書いたユニフォームが提供されます。これは毎年使いまわしではなくて、大会が終わると働いた人たちにプレゼントされるという仕組みで、これが記念になって嬉しくて、ボランティアをする人もいるくらいです。
さて今回から、「50人以上のチーム」でボランティア参加の受付が始まりました。初めての試みですし、50人以上なんてハードルが高いと思いまして、東京マラソン主催者に「応募状況、なかなか厳しいんじゃないですか?」「人数を一気に集めようという作戦ですか?」などと意地悪く聞いてみましたら・・・
『いいえ、すでにこれまでオフィシャルスポンサーの「スターツ」や「東京メトロ」「みずほ銀行」が100人とか300人というチーム参加で大いに盛り上がっているんですよ』と。
『マラソン運営側はチームに安心して仕事を任せられるメリットがあるし、会社の方も一つの仕事をみんなでやり遂げて活気づくというメリットがある』とのお答えが。
もし、あなたの会社や学校、団体など50人以上で東京マラソンの手伝いがしたいということでしたら、29日来週金曜日の応募まで受け付けています。
実際、東京マラソンでボランティアをした人はどんな感想を挙げているのかと言いますと・・・
「ゴール地点でのボランティアで、フィニッシャータオルを渡して、完走した何千人というランナーの方々とハイタッチをしたりすると、さすがに肩がヤバいことに。でもそれが最高の幸せだった。」
「年齢や性別、国籍関係なくお互いを思いやる心が、はっきりと表現できているスポーツイベントで、“ありがとう”“Thank You”が飛び交う」
「抽選で選手として走ることは出来なかったけど、ボランティアとして参加して、大きな大会の一端に関わることを実感できて、本当に感動した」
など、誰もが熱い熱い言葉で感想を語っています。
こうしてスポーツボランティアは一度体験すると、選手と一緒に大会を作っている達成感がものすごくあって、“またやりたい!”と病みつきになるんだそうです。
今度で12回目となる東京マラソンのボランティアがうまく機能している理由として、もう一つ挙げられるのが、「ボランティアリーダーの育成」。
何度か参加しているベテランのボランティアを対象に、リーダーを独自に研修で育成、選考しています。ですから、何度かボランティアを重ねていくと、さらに”リーダーになる“という目標が立てられるのです。こうして、1万人いるボランティアをまとめ上げる人材を輩出していることは、必ずや、東京オリンピックにも生きてくるのではないでしょうか。
そんな順風満帆に見える東京マラソンのボランティア募集でちょっとした悩みとなっているのが、ほかの年代に比較すると、“20代の若者のボランティアがあまり多くないこと”。
どんなイベントでもそうですが、元気があるのは中高年で、ボランティアもそれに漏れず・・・。実は、こうした“若者がボランティアで集まらないかもしれない”という危惧は東京オリンピックの組織委員会にもあるのです。しかし、オリンピックは酷暑の季節ですから、なんとしても元気な若者を確保したいところ。
そこで組織委員会は、全国1,200の大学短大のうち、実に7割近い800校と「連携協定」を結んで、ボランティアの実際や研修内容を学生に伝え、募集段階から大学に関わってもらって、確実に学生を集める手順を整えています。
場合によっては、「大学がオリンピックのボランティア参加で単位を認定する」よう要請するということになるかもしれません。また、参加した学生に対しては「参加証」を発行して、それをアピール材料として終活に役立ててもらおう、という工夫も計画されています。
東京マラソン、そして東京オリンピックのボランティア。“何か参加したい”と思っている方は、この秋から動いた方がよさそうです。
9月19日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
高嶋ひでたけのあさラジ!
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