東京都医師会理事で順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が2月22日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。機嫌よく夜を過ごす方法について語った。
機嫌よく夜を過ごすには
飯田浩司アナウンサー)今回は夜の上機嫌な過ごし方について伺います。夜はどのように過ごしたらいいですか?
小林)夜は1日の締めくくりなので、気合を入れておいた方がいいのです。
飯田)気合を入れた方がいいのですか。
夕飯は「好きなものから食べる」ことが大切
小林)食事は重要です。特に、「好きなものから食べる」のがいいと思います。
飯田)そうなのですか?
小林)「美味しいものはあとにとっておこう」という考え方は、若干ストレスが加わります。抑えている状態になっているわけです。それよりは美味しいものから食べていく方が、消化もいいです。フランス料理は少しずつ出てきますよね。
新行市佳アナウンサー)前菜に始まり。
小林)「逆から出してくれ」と言ったことがあります。
飯田)最初にメインの肉から食べるのですか?
小林)最初にメインの肉です。肉が好きなので、肉を最初に最高の気持ちで食べたいと。それから他へいく。メインにいく前にお腹いっぱいになってしまうことがあります。
飯田)そうですね。
小林)メインを最初にいただけば、ソースまで全部つけてきれいに食べることができます。
食事前にバナナを食べるといい ~バナナに含まれるレジスタントスターチが大腸の末端まで届く
小林)それともう1つ、食事の前にバナナを食べることです。
飯田)バナナ?
小林)食事の前にバナナを食べると、「満腹感が得られて食べ過ぎを抑えられる」というのが1つ。また、「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」と呼ばれるものが含まれています。ほとんどのでんぷんは小腸で吸収されてしまいますが、レジスタントスターチは「発酵性食物繊維」と言われていて、大腸の末端にまで届くのです。
飯田)大腸の末端にまで。
小林)食物繊維となったものは善玉菌の餌になるのです。これが体にいいことがわかってきました。特にバナナも黄色いものより、緑色のバナナの方がレジスタントスターチが多いのです。
新行)そうなのですか。
小林)あとは、何を制限するということではなく、肉や卵や魚などのタンパク質をしっかり摂ると、細胞や自律神経の材料にもなります。
お酒を一杯飲んだら、必ず水も一杯飲む
飯田)お酒との付き合い方はどうしたらいいですか?
小林)飲み過ぎなければ、お酒もいいと思います。お酒の脇に必ず水を置いて、お酒を一杯飲んだら、水も一杯飲むことが大切です。お酒を飲むと脱水傾向になりますので。
飯田)水を飲む。
小林)脱水を防ぐという意味でも、水を飲んでください。
「3行日記」のススメ
新行)以前、「日記をつけるのがいい」と教えていただきましたが、改めて書き方と効果を教えてください。
小林)アイルランドで、当時の上司の医者から「日記を書け」と言われたのです。1日2行でいいから、「よかったことと悪かったことを書くといい」と言われました。
飯田)1日2行でいいから。
小林)これは本当によくて、いま我々が推奨しているのは「3行日記」です。1日のなかでダメだったことを1つ、よかったことを1つ。それから明日の目標を1つ書くのです。
年配の方は「2日前の夕飯のメニュー」を書いてもらう
小林)でも年配の方たちには、明日の目標ではなく、「2日前の夕飯のメニュー」を書くように言っています。
飯田)2日前の夕飯。
小林)2日前の夕飯と言うと、なかなか出てこないのですね。しかし、それはそういう脳を使っていないだけです。1日を検証しながら記憶を呼び戻すという行動は、脳の衰えを防ぎますし、認知症予防にもなると思います。
飯田)認知症の予防にも。
小林)字で書くと、そのときのコンディションがよくわかります。いいときは字が丁寧に書けますし、ダメなときは殴り書きのようになります。それを見返すことによって、自分のコンディションもわかります。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます