ロシア疑惑~フリン前大統領補佐官の証言でクシュナー氏がピンチに?
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12/4(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
司法取引に応じたフリン氏
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)
フリン前大統領補佐官を虚偽供述でFBIが訴追
ロシアが、アメリカ大統領選挙に干渉した疑惑を巡り、トランプ大統領のいちばんの側近だった、フリン前大統領補佐官が訴追され、捜査の進展が、政権の足下を揺さぶり始めました。この疑惑に関連して、トランプ大統領は、3日にTwitterで「FBI(連邦捜査局)のコミー前長官に、捜査の中止を求めたことはない」と、改めて主張しました。
去年のアメリカ大統領選挙で、ロシア政府が干渉したとされる疑惑を捜査しているモラー特別検察官が、今月1日、フリン前大統領補佐官を、偽証罪で訴追しました。フリン氏はトランプ大統領を選挙戦から支え、今年2月まで、ホワイトハウスで、アメリカの外交安全保障政策の司令塔を担っていましたが、ロシア等、外国政府との不透明な関係が取り沙汰されていました。
数々の疑惑が指摘されていたのですが、訴追された罪状は、「駐米ロシア大使との接触を巡る、FBIへの偽証罪」だけでした。今回、捜査が進展した背景について、ある司法関係者は、「フリン氏を補佐してきた、長男の訴追を、モラー特別検察官がちらつかせたからではないか?」という見方を示しています。フリン氏は、1日にワシントンの裁判所に出廷し、「罪を認め、捜査に全面協力する」と、司法取引に応じました。ロシア大使との接触については、「トランプ氏の政権移行チームの幹部から、直接指示を受けた」と、当局に説明しています。訴追の文書の中では幹部の名前は明らかにされていないのですが、アメリカのメディアは「トランプ氏の側近中の側近、娘婿のクシュナー大統領上級顧問だ」と伝えています。
また、5月に解任されたFBIのコミー前長官は、在職中に「フリン氏の捜査を中止するように、トランプ大統領から要請された」と議会で証言しています。これについて、モラー特別検察官は、「大統領の捜査妨害、司法妨害に当たるのではないか」として、フリン氏からの情報提供等を元に、事実解明を進めると見られています。
これについてトランプ大統領は3日、「捜査を中止するようにコミー前長官に求めたことはない」と、Twitterで改めて主張し、2日には記者団に、「トランプ陣営とロシアの共謀は絶対にない」と主張しています。
トランプさんが一連の接触について、どこまで報告を受けていたのか。もし、フリンさんが「トランプ氏から直接指示を受けた」と、こういう証言をすると、違法行為に問われる可能性があります。
トランプ大統領が弾劾されるまでには至らない
高嶋)トランプさんの娘婿で、敬虔なユダヤ教徒であるクシュナーさん。「彼が、いろいろ裏で細工していたのでは」という、濃厚な疑いですよね。これが暴露されつつあって。
それで、映像で見る限り、トランプさんの否定の仕方がいままでと違って、「血相を変えて」という感じがありますね。
須田)それに加えて、ヒラリー・クリントンの名前まで出して、「あっちはどうなんだ!」みたいな話をされてしまうと、高嶋さんの言ったように、「もう余裕がまったくないな、相当、危ないところまで追い詰められているんだな」という感じもしますよね。
高嶋)何だか、「捜査は本丸に近付いた」みたいな感じですよね。
須田)ええ。ただ、どうでしょうね。これを冷静に見てみると、クシュナー氏に、捜査の手が及ぶのかどうかが今後最大の焦点。つまり、トランプ大統領の弾劾までは繋がっていかない可能性が高いな、と。ようするに、そろそろ捜査当局の方も、「どこで着地させるのか?」という幕引きの準備に、焦点が移ってきたのでは、と思います。戦線を広げるよりもね。
高嶋)ということは、大統領にとっては直接の影響にはならないだろうと?
須田)トランプ大統領弾劾という事態にまでは発展しないだろうな、と思います。
クシュナー氏に関しては、フリン氏の証言次第である
高嶋)クシュナーさんはどうだと思いますか?
須田)いや、そこが非常に微妙なところで。その辺りが、フリン氏の証言次第ではないかな、と思います。
高嶋)とにかく、トランプさんにとっていちばん頭が痛い問題は、このロシア疑惑ということですね。モラーさんという人が、芯がしっかり通っているだけに、どんな結論を下すのか。来年、また大いにニュースの中心になりそうですね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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