12月7日から「フィギュアスケート・グランプリファイナル」が開幕します。グランプリシリーズの上位6人だけが出場できる頂上決戦。日本からは、男子・宇野昌磨選手、女子・樋口新葉選手、宮原知子選手が出場。フィギュアスケートの取材を続けているライターの青嶋ひろのさんに、グランプリファイナルの行方、平昌五輪の代表争いについてうかがいます。
高嶋)ズバリ!グランプリファイナル、どうなりそうですか?
青嶋)まず、男子では日本の宇野昌磨選手、アメリカのネイサン・チェン選手の一騎打ちになりそうな気配です。
高嶋)宇野選手はかなり期待が持てますか?
青嶋)今季のシーズンベストを出していますし、4回転ジャンプも4種類になって、留まることのない成長を続けています。ネイサン・チェン選手とともに、そのまま平昌五輪でメダルを取れる選手だと思います。
高嶋)なるほど。
青嶋)ただ、あくまでも本番は2月の平昌五輪です。今回のグランプリファイナルで勝つことも大事なことですが、五輪を目前に控えたこの大会をどう利用するかも大切です。お互いに2月に向けてどう調整しているのか、その辺りの駆け引きもあります。そんなところも、グランプリファイナルの見所になると思います。
高嶋)女子はどうですか?
青嶋)女子は大混戦なんです。絶対女王のメドベージェワ選手がケガで欠場してしまったので、出場する6人の実力が拮抗していて、誰が1位になってもおかしくない状況になっています。
高嶋)今回のグランプルファイナルの開催地は名古屋。名古屋はフィギュア人気がすごいので、盛り上がりそうですね?
青嶋)宇野選手も名古屋出身ですしね。きのうから公式練習が始まったんですが、メディアの間でも誰が勝つのか、いつも以上に盛り上がっている感じです。
高嶋)平昌五輪の日本の出場枠は、男子が3枠、女子が2枠。21日からの全日本選手権で優勝すれば、文句なしに平昌五輪の代表選手になれますが、そうでないケースでは、きょうのグランプリファイナルで活躍することが大事ですよね。国際的な活躍の大きな保険になりますから。
青嶋)特に女子ですよね。ファイナルに出場している時点で樋口選手と宮原選手は最有力候補ですが、ここで表彰台に上がれればより有利になると思います。とにかく今シーズンの女子は本当に混戦で、5、6人で2枠を争っている状況。今の日本女子は、ファイナルに出場しない、三原舞依選手、坂本花織選手、本田真凜選手など10代の選手が中心ですが、彼女たちは試合を重ねるたびにどんどん綺麗になっていくんです。選手にとっては大変な代表争いですが、私たちとしては、成長しながら綺麗になっていく彼女たちの姿を見るのが本当に楽しいですね。
高嶋)非常に言いづらいと思いますが…青嶋さんは、誰が代表2枠の最短距離にいると思われますか?
青嶋)樋口選手、宮原選手は国際的な評価も高く、実力的にも有力だと思います。三原選手も全日本選手権で活躍してくれそうなので、三つ巴ですかね…。
高嶋)今回ファイナルに出場する2人、簡単に特徴を教えてもらえますか?
青嶋)樋口選手は力強さとスピード感。そして今、スケートをすごく楽しんでいるので、表情がいつも豊かですね。16歳の若さ爆発という感じです。19歳の宮原選手は世界で活躍してきた実績もありますし、大人のしっとりとした雰囲気を持っていますね。見ていて引き込まれる演技が魅力で、“知子ワールド”を見せてくれます。爽やかさ・若さ・強さの樋口、しっとりと美しく研ぎ澄まされた宮原、という感じでしょうか。2人の演技を是非見てもらいたいですね。
高嶋)最後に、羽生結弦選手のことも伺いたいんですが…?
青嶋)なかなか情報が入ってこないので、確かではないんですが、もしかしたら全日本選手権に間に合うのでは…とう話もあります。ただ羽生選手の場合、世界的な活躍は皆さんご存知の通りですし、全日本選手権で優勝しなくても、代表に選ばれると思います。
高嶋)それなら、無理をして全日本に出なくても、しっかりと回復してから平昌五輪で素晴らしい演技を見せてほしいですね。
12月7日(木)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より
高嶋ひでたけのあさラジ!
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