またも軍事境界線を超え北朝鮮兵士が亡命~大戦中の日本と同じ?
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12/22(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
疲弊していく国民 北朝鮮はいつまで耐えられる?
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)
北朝鮮軍の兵士が韓国へ亡命 北朝鮮は制裁により暖房の使用制限も
韓国軍は昨日、北朝鮮軍の兵士1人が軍事境界線を越えて韓国側に亡命したと明らかにした。今年に入って北朝鮮から第3国を経由せずに直接韓国に亡命した軍人は合わせて4人となった。
昨日の午前8時頃北朝鮮軍の兵士1人が韓国の京畿道(キョンギド)付近の南北軍事境界線を越えて韓国側に亡命しました。
亡命したときに銃撃戦は無かったのですが、昨日の午前9時半頃兵士の捜索中とみられる北朝鮮の兵士が軍事境界線に近付いたということで、韓国軍が警告放送の後に北朝鮮側に向けて20発の警告射撃を行いました。その後北朝鮮側でも銃声が複数回聞こえたということです。
今回亡命したのは入隊2年目20歳前の男性で一般の兵士とみられ、AK系統の自動小銃を持っていました。
先月板門店(パンムンジョム)で亡命した兵士は動機として「韓国が軍事境界線付近で北朝鮮に向けて流している宣伝放送の影響も受けたし、上官の暴力も酷かった」ということを理由に挙げているのですが、韓国軍の関係者は「今回もそういう理由で亡命して来たのではないか」という風に指摘しています。
一方共同通信によりますと例年以上の厳しい寒さが続いている平壌では、一昨日は足首が埋もれる程の雪が積もりまして、制裁による原油供給の制限の影響なのか暖房の使用を控える施設もあるということです。また医薬品が手に入りにくくなったり一部の軽工業部門で資材が不足していたりするということです。
韓国の研究機関では「来年3月以降北朝鮮経済に深刻な打撃が出てくる」としているのですが、アメリカは更なる追加の制裁決議案を安保理の理事国に配布しておりまして、トランプ大統領は「最大限の圧力を加え続ける」としています。
制裁が緩かった金正日政権下でさえ疲弊していた国民 北朝鮮はいつまで粘る?
高嶋)北朝鮮は何があっても現体制を維持する為にはミサイルの発射を控えるわけにはいかない。それでアメリカがどう言って来るかというやりあいになっています。この間ティラーソン国務長官が「何の前提条件も付けずに」と一旦は言いましたけど、翌日くらいにもう変えまして、フラフラしていますよね。これ北朝鮮の本音って宮家さんはどういう風に分析していますか?
宮家)やはり、昔「欲しがりません勝つまでは」ってありましたでしょう。頑張るのではないですかねえ、それが非常に恐ろしいのですけどね。
まだお父さんの金正日が生きている頃に実は一度だけ僕は北朝鮮に行ったことがあるのですよ。もちろん私の個人的な限られた体験なのだけど、農村の水田の横を車で通って行くのですよね。アメリカの連中と一緒に行ったのですけど。
もうトラクターなんて1台も無い。数年前ですよ? 田植えのシーズンだったのだけど、手で田植えをするか牛でやるか。高嶋)昭和何年の話ですかね。
宮家)そういう感じで見ていたのですね。あれは数年前で、当時はまだ経済制裁もそんなに厳しく無かったし、物事が動いていた頃ですよね。その後最近何だかんだ言って北朝鮮の経済が数パーセント成長しているという話もあったでしょう。だけどこの話を見ていると相当効いていますよね。これは農村が疲弊して、おそらく若い人にしわ寄せが来るのだろうなと。だからこそああやって逃げて来るのだろうなと、私の仮説はそうです。
高嶋)日本も昔は若い女性は遊郭に売られるとか、食いっぱぐれてる次男三男は東京に出て来て仕送りをするとか、北朝鮮も結局同じようなことをやっていますよね。世界に国民を売り飛ばして、そこから吸い上げてというような。それで王朝を維持する為に酷い刑罰を与えるという。
宮家)それがいつまで続けられるのかということなのですよね。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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