北朝鮮問題拉致問題~日本が示すべき独自の姿勢とは?
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12/13(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③
アメリカへの追従だけでは難しい
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)
今年の漢字は「北」に決定~チャールズ・ジェンキンスさん死去
年の瀬が迫る2017年の世相を1字で表す今年の漢字に方角を示す「北」が選ばれ、日本漢字能力検定協会が昨日、京都の清水寺で発表した。「北」を選んだ人は理由として、北朝鮮のミサイル発射や、九州北部の豪雨などを挙げている。
今年の漢字は応募総数15万票余りの内、7,100票を集めた「北」が選ばれました。北朝鮮のミサイル発射や九州北部の豪雨、北海道を本拠地とする日本ハムの大谷翔平選手のメジャー移籍、清宮幸太郎選手の入団などが理由として挙がっています。2位は政治の「政」の字、3位は不透明や不正の「不」の字でした。「北」が今年の漢字に選ばれたんですが、北朝鮮による拉致被害者曽我ひとみさんの夫で、元アメリカ兵のチャールズ・ジェンキンスさんが一昨日の夜、致死性不整脈のため77歳で亡くなり、昨日は同じく拉致被害者増元るみ子さんの母親・増元信子さんが心不全のために90歳で亡くなりました。こうした状況について、菅官房長官の記者会見です。
菅官房長官)曽我ひとみさんの後に、増元るみこさんを含め、一人の拉致被害者の帰国も実現できなかったことは痛恨の極みであります。一日も早いすべての拉致被害者の帰国を実現すべく、あらゆる努力を傾注していきたいと思います。
森田解説委員)加藤勝信拉致問題担当大臣も、北朝鮮から具体的な動きを引き出すべく全力で取り組むと昨日強調しております。ですが、信子さんの死去で政府が認定していて、まだ帰国していない拉致被害者の親で生存しているのは横田めぐみさんと有本恵子の両親の4人だけという状況になりました。一方、安倍総理大臣は昨日、今年の漢字に挑む、挑戦の「挑」の字を選びました。
安倍総理大臣)国難に挑むために、総選挙に挑んだ年でもあったと思いますので、私にとっては、「挑」その一字がふさわしい一年であったと思います。
森田解説委員)少子高齢化や北朝鮮の脅威といった国難に挑んで、選挙に挑戦した年だということです。
日本が抱える拉致問題と政府の取り組み
高嶋)昨日象徴的だなと思ったのは、ジェンキンスさんが亡くなったり、それから増元るみこさんのお母様が亡くなったり、丁度この北朝鮮を象徴する「北」という字を皆が投票して選び、そして政治家は口を開けば全力で全員を帰国させるようにと言うけど、極めて虚しい。何か具体的に動いたんですか今年、拉致問題。
鈴木)これはかなりディープなところで、色んなチャンネルをつかって色々情報収集しながら拉致問題をやってる。これはもう間違い無いですよね。
高嶋)取り組んでることは取り組んでる。
示すべきは日本独自の拉致問題へと重点を置いた姿勢
鈴木)だけども、それが目に見えて進展してるかというとそういう感じでは映らない。手応えみたいなことは感じられない。やっぱり僕思うんですけどこの北朝鮮、今年漢字一文字「北」と選ばれた。この北の意味っていうのはやっぱりミサイルですよね。北朝鮮がバンバンバンバン撃ってくると、核開発もやってる。この辺なんでしょうけど、これは勿論アメリカにとって脅威であり、日本にとっても脅威なんだけど、日本にとって実はすごく重要なのはミサイルもあるんだけど、この拉致問題。これずーっと続いてたから何となくミサイルの陰に隠れてますけれども、日本はこれセットなんですよね。そうなると、この北朝鮮のミサイルに対して、北朝鮮問題に対して日本が今年何をやってきたかと。やっぱりアメリカと連携しながらミサイルを中心にして経済制裁一本できた。時々もちろん拉致問題もクローズアップしてきましたけど、僕は何が言いたいかって言うと日本は日本独自の拉致問題も意識した北朝鮮とのいわゆる折衝なり、勝負なりっていうのがあるべきだと思うんですよね。だから、どうもアメリカ追従というのが非常に印象として強い。そうなると北もアメリカと一体だと拉致など、そんなものは、なんていうことになりかねない。この辺が難しさでもあるけど、安倍さんにやって欲しいのはそこなんですね。日本独自の拉致というのをもっと前面に、場合によってはそっちの方が中心でもいいくらいの北朝鮮との接し方はなんなのかということですね。
高嶋)木造船でガンガン、ガンガンね、日本の沿岸、北朝鮮の漁民か工作員か知りませんけど来て、あれ調べる奴は調べるけどそうじゃないのは返してるわけでしょ。ああいうのはこうバーターにはならないんですかね絶対? 飲み屋の会話ではそういうことがよく出るんですけど。
鈴木)バーターにもなると思いますよ、思いますけれども、そういうことをやってだったら結局はフェアじゃないやり方でもある。日本のプライドもある。
高嶋)「目には目をですよ」って。
鈴木)そういう意見もあると思いますよ。ただそれがじゃあ功を奏するかっていうと逆効果かもしれない。その辺は政府だって考えながら頭の痛いところだと思いますよ。ただ、もう少しやっぱり拉致問題のアピールっていうのをミサイルとセットで、もしくは私むしろ6:4、7:3で実は日本には日本独自の拉致もあるんだってことでね、常に発信し続けて糸口を掴んでいくっていうことは、これは本当にもうやって欲しいなって思いますよね。
アメリカ追従ではない北朝鮮の脅威への対策と拉致問題解決への努力
高嶋)人によっては日本に武器売りつけて。
鈴木)アメリカがでしょ?
高嶋)アメリカが。金ガーンと出させる。そういう方向つけたら今度はエルサレムになっちゃって北朝鮮に対してはあんまり関心がなくなってきた。
鈴木)いつ梯子を外されるかわかりませんよ。安倍さんの周辺でもそういう風に見てる人はいるわけですからね。だから、やっぱり日本独自に拉致を中心に考えれば日韓でも連携して北とやれるし、上手く中国を日本独自に取り組むとかね。だからもうアメリカべったりで要するにミサイル! 経済制裁! そればっかりじゃなくてこの拉致を取り組んで、何らかの形で一歩でも前に進めて欲しいです。
高嶋)切羽詰まりましたからね、年代的に言ってもね。来年はどういう動きになるんでしょうか。
高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00