12/12(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ！』今日の聴きどころ！①

国の強制力であらゆる情報を集める諜報員
6：32～ニュースやじうま総研！ズバリ言わせて！：コメンテーター手嶋龍一（元NHKワシントン支局長・作家・外交ジャーナリスト）

函館港内で海保の巡視船が曳航している北朝鮮の木造船。赤い旗を振る木造船の乗組員＝2017年12月7日午前　写真提供：産経新聞社

北朝鮮漂着木造船～流れ着く人々の数が増える程諜報員の割合も増えてくる

日本海沿岸に北朝鮮の木造船が次々と漂着して来ている問題で、流れ着いた漁民の中に北朝鮮の諜報員が紛れているのではないかという心配の声が上がっている。実態はどうなのか。作家で外交ジャーナリストの手嶋龍一に訊く。

高嶋）まずご専門の話ですが、北朝鮮の木造船が大挙して漂着しています。各自治体が「処理するのに金が掛かってしょうがない」ということです。これだけの船が来てこれだけの人数がいて、無人島にも上陸して物を持って行ってしまうなどかなり危険な感じで、辺りの人が戸締りを実に厳重にして休まないと気が落ち着かないと、これは当たり前だと思うのですけどね。これを手嶋さんはどう思っていますか？

手嶋）僕は道産子なのであの辺りの様子は比較的よく知っているのですが、それにしてもやはり海岸沿いの方々はちょっと気味が悪いですよね。物が無くなったり、そして古い木造船が続々夜間も含めてやって来たりという感じになりますので、心配ですよね。

高嶋）命懸けでやって来て、それで何かあったときに生きるが為に何でもやってしまうような感じがしますよね。

手嶋）そうですね。一種の国家への忠誠心、これは誤ったものもあると思うのですけど、人命を軽視する。しかもかなり暮らしに困っているということになると何が起こっても想像に容易いので、その点ではやはりきっちりとした戸締りや警戒は必要なのだと思います。

高嶋）ただ漁師が辿り着いているだけでは無さそうなのですが。

手嶋）これはいわゆる諜報員、特に訓練を経た秘密諜報員というのは普通物取りをしませんから、物取りをしている人たち自身は諜報員では無いと思います。
ただこれまでに比べて、天候のこともあるのですが、木造船でかなりの数が日本海沿岸に押し掛けています。押し掛けている人たちの分数の母数が多くなるとその分子の部分に諜報員が紛れ込んでいる確率はぐんと増えるということになりますから、全員が暮らしに困った漁民であるかどうかということになると少し疑問が残るということです。

日本海の沿岸に北朝鮮からの漂流、漂着船に漁業者や住民から不安な声が出ているため山形県は緊急対策会議を開いた＝2017年12月6日山形市　写真提供：産経新聞社

諜報員は何を目的に日本へ来るのか？

高嶋）例えば今北朝鮮がもし諜報員を送り込んで来たとして何を任務にさせられるのですか？

手嶋）もちろんアメリカ軍とか自衛隊の動向というようなこともあるのですが、それ以上に諜報組織というのは元々あるので何かをやらなければ高嶋さんのような怖い上司がもしいるとすれば働かなければいけないですよね。
それから自律的に、自動的に何かをやらなければいけないということになりますので、日本も広い意味で情報組織に所属している人たちはいるのですが、その人達は必死に怪しい国の尾行などはしますが、会話の内容みたいなものにはあまり興味が無い。いつどこで誰に会ったのか、金品の受け渡しがあるのかというようなことで、もう少し内容に注目をすれば税金の有効な使い道もあるかなと思うのですが。

【秋田に北朝鮮船漂着】24日に係留されていた場所に北朝鮮から来たとされる木造船の姿はなかった＝2017年11月25日午前、秋田県由利本荘市　写真提供：産経新聞社

北朝鮮とアメリカの緊迫状態はどうなっているのか？

高嶋）「挑発を続ける北朝鮮にクリスマス攻撃を」なんていうのも情報としてあるようですが。

手嶋）一部にはありますし戦いというのは偶発的に起こるということもありますから気は抜けないのですが、昨日の夕方トランプ政権の共和党のかなりの大物が日本に来られてお話をしました。こういう人たちが来るということ自体は今のところはそんなに緊迫していないということがわかります。
韓国にはかなりの数のアメリカ人の家族がいますので、それによって大きな動きは今のところは無いようですね。

高嶋）人質のようなものですもんね。

高嶋ひでたけのあさラジ！
FM93AM1242ニッポン放送 月～金 6:00～8:00