いよいよ来月となった平昌オリンピック、今回、人気を呼ぶこと必至と言われている種目が、カーリング女子です。なにしろ大会の開催中、ほぼ毎日、どこかの国が試合をやっていますから、自然と、馴染みの選手、贔屓の選手が決まってきます。
その中でカーリング女子日本代表、「ロコ・ソラーレ北見」のキャプテンを務めるのが、“マリリン”の愛称でお馴染みの、本橋麻里選手です。2006年のトリノ大会、2010年のバンクーバー大会に連続出場。「カー娘。」のヒロインとして人気が沸騰したのは、ご存じの通り。2014年のバンクーバー大会は、惜しくも出場が適わなかったのですが、この時ながした悔し涙も、「マリリン、大粒の涙」と随分と話題となりました。
さて、そんなマリリンが、2大会ぶりにオリンピックの舞台へと帰ってくるわけですが、この間にマリリンは、カ一リングとまるで関係のない北海道の一般男性と結婚。2015年には男の子を出産して、知らない間に「カー娘。」から「カーママ」になっていました。
31歳となった今回は、初めてキャプテンとして、チームを牽引することになりましたが、その役どころは、意外や意外。「リザーブ」──すなわち、「補欠」なのです。そもそもこの「ロコ・ソラーレ」というチームは、本橋選手本人が天塩に天塩をかけてゼロから立ちあげたチーム。 せっかくのオリンピックの晴れ舞台で、なぜ、一歩も二歩も引いて、「補欠」の座に甘んじたのでしょうか。
カーリングには、リード、セカンド、サード、スキップの4つの役割があります。ところが、この4つの役割をすべて高いレベルでこなせるのは、何を隠そう、本橋麻里選手「だけ」なのだそうです。不測の事態が起こった時に、最強のリザーブ、キャプテン本橋が満を持して出てくる…。このかたちが、もっともチームの状態を、最高に引き上げることができるのだということです。さらに、うしろにベテランの本橋選手がいることで、ほかの4人のレギュラーにも、安心感が生まれます。
チームの小野寺亮二コーチは、こう語っています。
「麻里がコーチボックスに座っているからこそ、他の4人は、思い切った、いいパフォーマンスができるんです」。
本橋選手は、チームのために、あえて「縁の下の力持ち」を買って出た、というわけです。
カーリングの世界には、「ナイト・プラクティス」という言葉があります。これは、連日のように続く試合の間、夜中にストーンの調整をすること。 去年秋の日本代表決定戦で本橋選手は、夜の休養を返上して、毎晩毎晩、この「ナイト・プラクティス」を行なったのだそうです。
このチームへの献身ぶりが、勝利を呼び込んだ要因のひとつだったとも。ほかの4人若いレギュラーたちは、声を揃えて、こう語ります。
「麻里ちゃんの前で、絶対に恥ずかしい試合はできませんよ」。
カーリングには、「ストーンを4人で運ぶ」という言葉があるそうです。レギュラー4人で心を合わせてストーンを滑らせるという意味ですが、今回の女子カーリング日本代表は、本橋麻里を含めた「5人でストーンを運ぶ」という言葉がふさわしい。
緒戦、アメリカ代表との激突は、2月14日。すでに、一カ月を切りました。あのマリリン・スマイルが帰ってきます。
1月17日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」