石川遼 日本ツアーに復帰した“もう一つの大切な理由”とは?
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プロ野球の開幕を前に、先週、プロゴルフの国内男子ツアーが開幕しました。アジアと日本ツアーの共同主管で開催された、この「シンガポールオープン」で、予選ラウンドを首位で突破。おおいにギャラリーを沸かせましたのが、“遼クン”こと石川遼選手(26)です。
無精ヒゲをたくわえ、精悍に日焼けした、新生・石川遼。最終的にはトータル4アンダー、16位タイに終わったものの、復活の兆しを充分に見せつけた… というところでしょうか。
この石川選手。今年初め、史上最年少となる26歳110日で、日本ゴルフツアーの選手会長に就任しました。ここのところ、国内男子ツアーは、元気がありません。今年、2018年の試合数。“セクシークイーン”アン・シネを出すだけで満員御礼の女子ツアーは、40試合が予定されています。ところが、男子ツアーは…なんと約半分の27試合。
スター不在にあえいでいた男子ツアーにとって、「新・選手会長」石川遼は、なんとも頼もしい切り札、救世主というわけです。ところがどこにでも口さがないファンというのはいるもので…こんなことを言うヒトも。
「結局のところ石川遼は、海外で通用しなかったから戻ってきただけだろ?」
そうなんです。事実、石川選手は、去年の不振がたたりまして、ついに、アメリカPGAツアーの出場資格を失いました。海外での5年間を振り返ると、101試合に出場、予選落ちは実に46回…。芳しくない結果といえるでしょう。世界ランキングも、見る間に落ちに落ちていく…。こうなると、夢のメジャー制覇どころじゃありません。ですから、意地の悪いファンは、
「石川遼も、ようやく現実的になったな」「ヘンに夢を追わず、日本で稼ぎに帰ってきたな」
などと、したり顔で言うわけです。
ところが、石川遼は、
「もう一度アメリカツアーに戻るために」「メジャーを制覇するために」
あえて日本ツアーに軸足を移し、選手会長の話も受けたのだそうです。
彼は、アメリカツアーで、「大切な気持ちを失ってしまった」のだそうです。その気持ちとは、ズバリ、「プレーを大勢の人に見て欲しいという気持ち」。天才ジュニアの頃の遼クンは、父兄が大勢いる9番と18番が大好きだったそうです。で、1メートルのパットを入れて、5打差で優勝するよりも、わざとはずして3メートルほどオーバーさせ、それをカップイン。4打差でカッコよく優勝していたのだそうです。まさに見られるのが大好きなスター気質。
ところが、アメリカでは、不振が続くにつれ、ロープサイドは閑古鳥…。見られている喜びと緊張感がないものだから、余計に不振が続くという悪循環。ギャラリーが見てくれる日本ツアーで世界ランクをグンと上げ、ふたたび夢のメジャー制覇に挑んでみせる…というのが、現在の石川選手のモチベーションなのです。
あの松山英樹に対しても気後れせず、こう言ってます。
「確かに英樹の方が、圧倒的に飛んで曲がらない。アイアンも、英樹のほうがピンに行くかもしれない。けど… 競ったら負けねえぞ! っていうところを見せていきたい」。
石川遼がこういう強気な発言をものするのは、実に珍しい。それだけ、ある種の自信があるのでしょう。
3日に千葉で行なった今年の「初打ち」では、いきなりホールインワンをマーク。一緒に廻った小平智選手を驚倒せしめました。
生粋のスター選手、石川遼。今年は魅せてくれそうです。
1月24日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」