「王岐山氏引退せず」 習近平政権事実上のナンバー2の正体とは?

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1/30(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

徹底した反腐敗運動を行った王岐山氏
7:02~高嶋ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

習近平政権事実上のナンバー2 王岐山氏とは?

昨年10月の中国共産党党大会で最高指導部の政治局常務委員を退任した王岐山(おう・きざん)氏が3月に行われる、日本の国会にあたる全国人民代表大会―全人代の代表に選ばれ、香港のメディアは王氏が習近平国家主席の右腕として国家副主席などの要職に就く可能性があると伝えた。習政権ナンバー2とも言われている王岐山氏についてジャーナリストの富坂聰氏が解説する。

高嶋)富坂さん、今日の新聞各紙にそう大きなニュースにはなっていないのですが「王岐山氏引退せず」というのがあります。
王岐山さんといえば青年時代から習近平さんと親交があって、1期目の習指導部では党内序列6位だったと言われ、事実上のナンバー2だった。反腐敗運動を指揮して、退任後も政治局常務委員会議に議決権無しだけど出席を続けていると。これはどういう意味合いがありますか? 王岐山復活ですか?

富坂)“復活”ということでは無いと思いますけど。

高嶋)“引退しない”と?

富坂)そうですね。ただ全人代会議の代表というのは、例えば鄧小平だって実質的な引退と言われた後も代表でしたから、それを以って“復活”という風には私は今の段階では言えないと思います。

高嶋)じゃあこれはどうというニュースではないのですか?

富坂)どうということでは無いということでも無いと思うのですけど、と言うのはこの人が注目の的であることは間違い無いのです。
ただ中国の政治システムで言うと、政治局常務委員で引退した人は国政の重要情報というのは必ず全部行きますし、それに対しての意見に丸を付けたり意見を書いたりするということは中央弁公庁が必ず持って行ってやりますので、この記事がどうしてこういう書き方なのか私は分からないけど、国政に関わるに決まっているのですよね。それは当たり前で、北戴河会議というのをやるときには出て来て口を出すわけです。
しかも政治局常務委員になって引退するのと政治局員で引退するのとでは全然違うわけですよね。だからそれは終身国の重要問題に関しては何らかのコミットはするし、何か大きな人事をやるときには必ず根回しの対象になるわけです。

反腐敗運動の陣頭指揮を執っていた王岐山氏

高嶋)反腐敗運動というのをこの人は相当力を入れてやっていたのですね。この人はおっかない人なのですか?

富坂)元々は国際金融の専門家と言われたのですよ。世界銀行とかIMF(国際通貨基金)といったところにものすごく人脈のあった人なのですよ。だから当然そっちの方に求められた人材だろうと思ったら、習近平はこの人を規律検査委員という党員の規律を取り締まるトップにしたので、当時皆びっくりしたわけですよ。これはどういうことだと思ったら、最も重要なポストだったのですよ。
要は習近平政治を代表するのが反腐敗キャンペーンですから、そこの陣頭指揮を執ったのが王岐山という。だから彼が未だに注目されているということですね。

高嶋)反腐敗キャンペーンの総指揮を執った親玉であったと。相当過酷にやりましたよね。今でもやっていると。

富坂)その通りですね。だから反腐敗キャンペーンというのがどうせ2~3ヶ月で終わるだろうと皆思っていたわけです。しかも例えば“トラ狩り”をすると言っても、大騒ぎをしても実際は虎じゃない人を虎に見せるようなものだろうと皆思っていたのですけど、それが全然違うということが1年くらいで分かるわけですよね。

高嶋)「虎も蠅も叩く」と。

富坂)よく言われていることですけど、この5年間で平均すると何人処分されてきたかと言うと、毎日880人くらいですよ。これは未だに続いていますから、だから今日も多分800人くらいやられるわけですよ。

国家副主席として習近平政権を支える可能性も?

高嶋)この人は事実上引退しないで湖南省の全人代代表のメンバーになると書いてありますけど、これはいわゆる現場復帰のひとつの足掛かりなのですか?

富坂)違うと思います。引退しないというか、政治局常務委員までやった人は引退しても終身いろいろと口を出すわけですから。

高嶋)“蠅叩き”や“虎叩き”が緩んだからまた出て来いということでは無いのですか?

富坂)違うと思います。全然関係無くて、ただ彼の後継者というのが元々そんなに神通力のある人ではないですから、ちょっと弱いですよね。それを補う意味もあるかもしれないですけど、この全人代で何らかの役職に就くかどうかというのは注目かもしれないですね。

高嶋)副主席になるのではないかという観測もありますが。

富坂)これまで国家副主席というのは、いわゆる政治局員としてやる場合は名誉職的なものになりますので、それに就いたとしても権限的なものはあまり変わらないと思いますね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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