お雛様は関東と関西で位置が違う? 雛まつりの歴史(3)

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雛祭りの歴史を振り返ります。《雛祭り》、地方によっては色々と違いがあるそうです。
そこで、毎年、東京都指定有形文化財「百段階段」を使って、各地方の雛人形を展示している「ホテル雅叙園東京」の百段雛まつり担当の方にご協力頂き、色々な違いを、ご紹介したいと思います。

*なお雛人形については諸説あります。

ホテル雅叙園東京 百段雛まつり 近江 美濃 飛騨 ひな紀行

■関東と関西での違い
関東と関西では、お雛様にも、色々と違いがあるそうです。現在のお雛様は、大きく分けて2つ呼び名があります。埼玉などの関東で作られ、浅草橋などで、よく見かけるのが《関東雛》、京都などで作られ、関西方面で見かけるのが《京雛》です。

・顔の印象が違う
《関東雛》は、少し、ふっくらした顔立ちで、目が大きめで、口元が少し笑っているように見えます。対する《京雛》細面で、鼻筋が通っていて、目は切れ長、まさに高貴な顔立ちです。

関東雛

(関東雛)

京雛

(京雛)

■ 並べ方が違う
関東では、向かって左が、男雛(お殿様)、右に女雛(お姫様)が座っているお雛様が多く、関西では左が女雛(お雛様)、右が男雛(お殿様)が座るお雛様が多く見られます。
これは、日本古来から、左は右より格が高いとされ、お殿様が左側、お雛様が右側に座っています。しかし、明治時代、西洋文化が伝わると右が上位という国際儀礼の考えが入って来て、大正天皇が即位する時に、洋装の天皇陛下が西洋スタイルで、皇后陛下の右に立たれたことから、この風習が広まったと言われています。

関東 お雛様 並べ方

(関東でよくみられるお雛様の並べ方)

関西 お雛様 並べ方

(関西でよくみられるお雛様の並べ方)

■関西のお雛様には家がある!
雛人形の飾り方といえば、階段状になった舞台に、お内裏様とお雛様、三人官女、五人囃子などを飾っていきますが、これは、関東の飾り方なんだそうです。関西では、戦前頃まで、お内裏様とお雛様の家がありました。
《御殿飾り》と呼ばれているもので、京都御所の紫宸殿(ししんでん)を模したものや檜皮葺き(ひわだぶき)、源氏枠御殿など、お屋敷のような作りの家の中に、お内裏様とお雛様を飾りました。《ドールHouse》の日本版のような感じです。

御殿飾り

(御殿飾り)

今回、ご協力を頂いたホテル雅叙園東京の「百段雛まつり」、今年は「近江・美濃・飛騨 ひな紀行」と題して、彦根藩主、井伊家・砂千代姫の雛人形と雛道具や飛騨高山の老舗旅館と旧家のお雛様、そして先程出てきた御殿飾りのお雛様、指先程の小さな郷土玩具など、滋賀と岐阜の町々に息づく百花繚乱のお雛様が展示されています。

ホテル雅叙園東京 百段雛まつり 近江 美濃 飛騨 ひな紀行

「ホテル雅叙園東京 百段雛まつり ~近江・美濃・飛騨 ひな紀行~」
開催期間 1月19日(金)~3月11日(日)会期中無休
開催時間 10:00~17:00(最終入館16:30)
入場料   大人1,500円 学生800円
その他、お食事が付いたセットプランなどあり
公式HP http://www.hotelgajoen-tokyo.com/hinamatsuri/

(よこいみちひと)

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