4/29の巨人対ヤクルト戦で、貴重な同点タイムリーを放ち、7連勝に貢献した巨人・阿部慎之助選手の「アナザーストーリー」をご紹介します。

先月、39歳の誕生日を迎えた阿部選手。野手では、チーム最年長です。プロ18年目の今シーズンは、あと12本に迫った「通算400号ホームラン」が大きな目標ですが、オープン戦の不振で、ファーストのレギュラーの座を4年目の若手・岡本和真（かずま）選手に譲り、開幕から控えに回っています。

試合に出るのは「ここぞ」という場面での代打のみ。しかしなかなか結果が出ず、きのうの試合前の時点で、代打で10回出場し、7打数ノーヒット。ちなみに去年は、開幕10試合でホームラン5本。余計に不振が際立っています。

しかし、高橋由伸監督が阿部選手をベンチから外さないのには、理由がありました。阿部選手は試合中も、若手ピッチャーに、キャッチャーの視点からアドバイスを送り、若手野手からバッティングについて相談されたら、親身になって答えています。

今年は積極的に若手を起用、チームの若返りを進める高橋監督ですが、彼らの不安を和らげるためにも、阿部選手はベンチに絶対必要な存在なのです。また阿部選手も、去年、チーム事情で代打に回りながら、腐らず出番に備え、たびたび勝利に貢献した村田修一選手の姿を見て、感銘を受けていました。

阿部選手が勝負所で打てば、ファンもベンチも盛り上がり、チームに一体感が生まれます。そういう意味でも、そろそろ結果が欲しかった、きのうのヤクルト戦。5対7と、2点を追う7回、ワンアウト満塁のチャンスに阿部選手は代打で登場。ヤクルト・近藤投手の2球目、フォークボールをライト前へ運び、7対7の同点！開幕から1ヵ月経って、ようやく飛び出した「今シーズン初ヒット」は、そのあと、亀井選手の決勝タイムリーを呼ぶ、起死回生の一打になりました。

お立ち台で、お得意のフレーズ

「最高です！」

を、今年初めて叫んだ阿部選手。そのあと、ポロリ漏らした一言

「ホント、やっと打てました、ハイ」

には、実感がこもっていました。

「何とかチームが、勝てる、追いつく、そういう一打を、1本でも多く打ちたいと思います」

流れを変える男・阿部選手のバットに注目です！「ショウアップナイター」では、4/30は全試合デーゲーム、ナイター中継はありません。5/1は、マツダスタジアムで行われる「広島 対 巨人戦」を夕方5時50分から実況生中継します。

4月30日　飯田浩司のOK! Cozy up！「スポーツアナザーストーリー」