体操男子・内村 「これで東京オリンピックにつながった」

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内村航平 つり輪 体操 NHK杯

【体操NHK杯】内村航平のつり輪=2018年5月20日、東京体育館 写真提供:産経新聞社

一昨年のリオデジャネイロ・オリンピックで、日本人では44年ぶりとなる個人総合2連覇を果たし、団体総合の金メダルと合わせ、2冠に輝いた内村航平選手。海外では「キング・コウヘイ」と讃えられ、オリンピック終了後、日本体操界初のプロ選手となりましたが、そんな絶対王者・内村も、今年で29歳。「年齢」とのシビアな戦いが待っていたのです。

去年10月に行われた世界選手権では、跳馬で着地する際に負傷し途中棄権。それまで内村は、国内外の大会で9年間負けなしでしたが、このリタイアで連勝記録は「40」でストップしてしまいました。

今年3月のワールドカップでは、故障明けということもあって、出場した4種目すべて予選落ち。4月の全日本選手権は、予選でのミスが響き3位。19歳の新鋭・谷川に優勝をさらわれてしまいます。

さすがに「老いを感じた」という内村。10月にドーハで行われる世界選手権への出場権を懸けて、NHK杯に臨んだのです。この大会は、全日本選手権との合計点で勝敗が決まるため、全日本で3位だった内村は、首位の谷川とは0.832点差と大差が付いていましたが、逆境で底力を見せるのが、ホンモノの王者です。実は、全日本選手権で連勝記録が途切れたことが、内村にとっては、逆に好材料になりました。

「連覇中は、プレッシャーで地獄だったが、負けたことで気が楽になった。自分の体操に向き合えた」

という内村。本番までの間に、スタミナを徹底強化。本番前の6種目の通し練習も、試合では2時間半かかるところを、あえて休息時間を短くし、2時間でこなしました。こうして体をいじめ抜いたことが功を奏し、着地でふらつくこともなく、確実にピタッと止めた。

じわじわと差を縮めていくと、最終種目の鉄棒で、谷川がまさかの落下。内村は大逆転でNHK杯10連覇を達成。世界選手権への切符も手にしたのです。

試合後、

「これで、東京オリンピックにつながった」「素直にうれしい。全日本で負けたから、こういう感情が生まれるんだなと思った。体操が好き。幸せ」

と語った内村。長年のプレッシャーから解放され、改めて新鮮な気持ちで体操に向き合えるようになった「キング・コウヘイ」は、2年後の東京に向け、世界選手権でどんな戦いを見せてくれるのか? 注目です!

5月22日 飯田浩司のOK! Cozy up!「スポーツアナザーストーリー」

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