オリンピック男子体操監督 水鳥寿思1980.7.22生まれ(36歳)
2004年 アテネオリンピック 男子団体 金メダル
2005年NHK杯 個人総合 優勝
2005年 世界選手権 個人総合 2位
2008年 社会人大会 優勝
2010年 アジア大会 個人総合 3位
ロンドン五輪の最終予選を最後に引退
史上最年少の32歳で日本体操協会の体操男子団監督・強化本部長に抜擢
2015年世界選手権では37年ぶりの団体金メダル
そしてリオデジャネイロオリンピックでは3大会ぶりの団体金メダルに導いた
指導者に直撃!金メダリストの育て方。
体操男子を金メダルに導いた水鳥寿思監督インタビュー。昨日の前編に引き続き、今日はその後編です。
リオオリンピックが終わって、いま気が抜けてませんか?
水鳥)次どうするかというところで、我々としてもいまこの4年間を分析していて、来年から戦略にするか考えているところです。次を始めるために準備している段階。選手はすでにこの期間にも全日本、シニア選手権などがやっていてあって、大変だと思います。
今の金メダルメンバ―に2020年もあるのか、いったいどうなるのでしょうか?
水鳥)もっとすごいことになっていくと思います。東京オリンピックはモチベーションになっていて、全員がそこを目指すし、これからの世代も向かっています。我々もシステム強化しています。上はやめない、下もいるで、選手は接戦になっています。
選手を見る時、素材で一番見る箇所はどんなところなのでしょうか?
水鳥)オーディションをしているわけではなく、全国の民間クラブで個々に強化している選手が試合で結果を出して、それを評価して集めています。最近では全国規模の情報伝達をやっています。ですので、ベースとしてはお互いが競っているという土壌がありつつ、年に1回強化合宿もやるし、グループ合宿もやる。特に民間の指導者が大きく、これに支えられています。
第2の内村航平という素材はいるのでしょうか?
水鳥:内村だって急に出てきた選手です。実は中学校のときはかすりもしない。高校で一気に伸びたんですが、それでも山村に勝ててなかったんです。そしていきなり大学に入って世界で2位になった。ですので、広い視野で1人2人にしぼるより、色々目を向けていく。ジュニアの選手でいま34名いるんですが、広くみていきたいです。
オリンピックでは白井健三が一番目立ったかと思います。性格もあがらないんじゃないかと思いますし、ひねり王子は次から次へと技を展開。これは素質ですか?
水鳥)彼には驚いています。やはり圧倒的に練習しています。内村選手もそうで、他の選手とは違います。さらに自分を高めるために練習しているし、どう練習したらいいか常に考えている。素質だけでやっている選手は居ません。
跳馬、床運動の白井を見ると、他にもあんな選手が欲しいのではないかと。このごろの若い人は足も長いし、むかしはあん馬なんかやっとやっているという感じで、ロシアのほうがすごかった。その辺り変わったのではないでしょうか?
水鳥)あん馬は萱 和磨(かやかずま)選手という素晴らしい選手がいる。メダルの可能性もあったくらいです。平行棒は川本 稜馬選手がメダルのチャンスがあった。こうした次世代のスペシャリストがすぐ後ろに構えている状態です。次の目標はいかに総合力で勝つか。団体で勝つだけではなく、「種目別まで勝って日本は勝った」と言えるようにそこを目指したいと思います。
新技はどんどんでてくるのでしょうか?
水鳥)白井選手もひねりを加えて練習レベルではどんどん出来ています。東京オリンピックはCだったウルトラが、今Hまで来ています。2020年までには少なくともIはでるのではないかと思います。ただどういうコントロールがあるのかわからないし、ルールなのでどこまでいくかはわからないのですが…
~水鳥監督のお話を聞いてみて、2020年に向かって動き始めている様子がよくわかりました。ますます面白くなってきました。ぜひ力を発揮していただきたいと思います。
10月18日(火) 高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より