天皇陛下の即位に関して政府が苦心した意外なこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月2日放送)に自民党参議院議員の青山繁晴が出演。天皇陛下の退位と即位を円滑に進める為に水面下で準備してきたことについて解説した。

天皇陛下の即位に関して政府が苦心した意外なこと

皇位継承の準備加速~政府が式典事務局を設置

日本政府は昨日、天皇陛下が退位と新天皇の即位に伴う一連の儀式の準備作業を統括する、皇位継承式典事務局を設置。儀式の詳細について検討を本格化させる他、国内外の要人を招く大規模な儀式を円滑に実施するための準備に着手する。以下は、会見でこの話題について答える菅官房長官。

菅官房長官)事務局の設置を機に、皇位継承に伴う式典の諸準備を加速させて、皇位継承に伴う式典をつつがなく行われるように、内閣はしっかりと準備をしていきたい。

飯田)昨日、総理と官房長官も出席して、看板掛けも行われました。いよいよ準備が加速します。あと1年無いですからね。

青山)そうですね。来年4月30日ですから。

飯田)そうなると、もう少し前から準備はしなかったのかな、とも思うのですが、どうでしょうか?

青山)水面下では検討だけではなく、宮内庁も一緒になってずいぶん準備をしてきました。これは現憲法のもとでの行事ですので、主体はあくまでも内閣全体。総理官邸ですけどね。

政教分離を原則としている憲法と神道を中心とした行事の切り分けが最大の焦点

飯田)今回、事務局のトップには、次官級。総務省からは山崎重孝さんがいらっしゃった。これは皇室制度全般を広く見なければならないし、何より失敗は絶対に許されないですよね。

青山)昭和天皇がおよそ30年近く前に崩御されました。当時、現憲法の元で、初めて新しい天皇陛下を迎えました。今回もそうですね。御上位の後に、126代天皇陛下が即位されるわけです。そのときに、最大の問題となったのは何だと思いますか? つまり、中曽根政権の最後に昭和天皇の腸のご病気が始まって。実際は腸ではなく膵臓ガンでしたが。その後、それが竹下内閣に密かに受け継がれ、竹下内閣のときに崩御がおきて、現在の125代陛下が即位された。そのときにずっと水面下で検討するなかでいちばん深刻な問題となったのは、何だと思いますか?

飯田)ええと、分からないですね。

青山)これは、天皇陛下にまつわる行事は基本的に神道に立脚しているのです。神道は、僕の個人解釈ですが西洋で言う「宗教」ではまったくなくて、大きな意味の慣習にもつながっています。万物の、一草一木にまで神が宿る考えで、一神教と全然違う考え方ですが、敗戦で宗教のように扱われ、「国家が宗教を支えてはいけない」という大原則がいまの憲法に盛り込まれています。
すると、天皇陛下にまつわる行事はほとんど神道なのをどうするか。それを竹下総理ご自身も悩み苦しんだのです。結果的にそれを切り分けたのです。これを今回もやらなければいけないのですが、今回は明治以来初の御上位ですから、御上位にまつわる行事を宗教から切り分けながらどうするか。それを水面下で複雑な問題にならないようにやってきたのです。だいぶ整理できたから事務局を作ったというのが、今回のニュースです。

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