北朝鮮拉致問題~更なる経済制裁を検討するべき
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月1日放送)にジャーナリストの有本香、参議院議員の山谷えり子が出演。北朝鮮による拉致問題について解説した。
北朝鮮がICBMの製造を継続か
アメリカのワシントンポスト紙は昨日、情報当局者の話として、北朝鮮がICBM大陸間弾道ミサイルの製造を続けている兆候があると報じた。これが事実なら米朝首脳会談のあともICBMの製造を続けていることになる。
飯田)ここ数週間で撮影された衛星画像に基づく分析ということですが、米朝首脳会談で一応北朝鮮側も文書に署名したはずです。
有本)でもいつものパターンです、約束をしたところで守らない。
もう少し確定的なものが出てきたり、あるいは核に関して動きが出てきた時に、アメリカのいまの政権はどういう動きをとるのか、ということですよね。
飯田)今日は自民党の拉致問題対策本部長で、元拉致問題担当大臣、参議院議員の山谷えり子さんと電話がつながっています。
山谷さん、北朝鮮はICBM製造継続という報道がされました。本当に信用ならない国だと怒りで震えてしまいます。
山谷)そうですね、これまで25年間、国際社会は騙されてきました。そうしたなかで冷静な分析をされてきたのが安倍総理で、トランプ大統領に対しても北朝鮮の行動様式を説明されています。アメリカも6月12日、シンガポールでの米朝首脳会談のあとも非常に冷静な分析をし続けているということです。トランプは譲歩しすぎたのではと言われたこともありましたが、これからは北朝鮮がまともな国として平和的に発展していくように、国際社会は冷静に圧力をかけ続けるということを止めてはいけないと思います。
飯田)圧力についてリスナーからメールをいただいています。足立区のマサオさん(66)「北朝鮮に翻弄されている韓国と日本は違うという強い気持ちで拉致問題に取り組んでほしい。私は経済制裁、かなり効いていると思うんです」というご意見をいただきました。
実際問題として、北朝鮮は弱っていますか?
山谷)安倍総理が国際社会に連携を呼び掛けてこられて、2014年には北朝鮮の人権侵害国家として国連で400ページ近い分厚いレポートをまとめるようにリーダーシップをとられてきましたので、国際社会は一致団結してきました。ですから経済制裁は効いていると思います。ただ、米朝会談のあと、国内外にゆるみが出てきた。結果的に核ミサイルの放棄も何も変わっていないわけですし、拉致問題の解決に向けて北朝鮮が何か動き始めたということはないのですから、確実な結果が出るまで焦ってはいけない。一致団結した国際社会の行動と国内の世論の一致が重要だと思います。
飯田)スタジオにはジャーナリストの有本香さんがいらっしゃいます。
北朝鮮に対してさらなる経済制裁の様々なオプションを検討するべき
有本)今まで山谷さんが拉致問題にご尽力されてきたことは存じ上げています。この後、北朝鮮に対して日本がさらなる制裁をかけていく可能性は果たしてあるのか。いままで自民党の中では山谷さんを中心に検討をなさって来たと思いますが、こういうことについてもう一歩、もう半歩踏み込むという可能性はないのでしょうか?
山谷)自民党の拉致対策本部としては、政府に対してまだまだ経済制裁の様々なオプションがあるんだということをこれまでも提言して参りました。近々、主要メンバーと会合を開く予定です。また平壌に大使館がある国々の方々ともお会いして情報収集や分析、または国連の韓国の大使等々意見交換をしております。さらなる圧力も含めて北朝鮮がICBMを製造しているという状況の中で改めて国際社会との一致、国内的にも拉致問題の解決に向けて様々なオプションがあるんだということを検討し直していくことが大事だと思います。
飯田)中国あたりも制裁を緩めているという話もあります。
山谷)そういう報道もありますが、この間の日中韓の首脳会談の共同声明の中に拉致問題の文言が入ったのは初めてのことです。事実を提起しながら安倍総理が歴史に正しい評価が残る形にしていくためにリーダーシップを取って欲しいです。私たちもそれを支えたいと思います。
国内世論を分断して拉致問題の解決をうやむやにしてはならない
有本)もう一つ気になるのは、拉致被害者で帰国された蓮池さんご夫妻の声が聞こえてきたりするんです。しかし一方でその当時の外交の担当者であった方を含めて、拉致問題の前に日朝国交正常化だというような声が聞こえてきたりして、世論を別のところに持っていこうとしているんではないかという動きがあります。これは政治家である山谷さんに伺うことではないかもしれませんが、こういう動き、国内世論の動きは政府、あるいは政治家サイドはやりにくいなとお感じになりますか?
山谷)6月14日にご家族の方が安倍総理にお会いして、私は騙されないと安倍総理が仰って、家族の皆さんも慌てないで欲しいと言っているんです。これまで北朝鮮に騙され翻弄されてきた家族会はしっかりとした実質的な、水面下での交渉が大事だと理解していらっしゃると考えています。それから国内世論を分断していって、拉致問題の解決をうやむやにしていこうというのは、暴力です。決してそれに乗らないように国内世論としては、拉致被害者一括帰国を確実に得られるまでは経済支援は国交正常化は決して行わないんだということを示していく姿勢が大事だと思っています。前のめりになっては足元をすくわれると思います。
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